ようこのかまど

おいしいからうれしくなるのかな、うれしいからおいしくなるのかな。

ススキの原を かきわけて

2016年12月03日 | 心療内科医

(近鉄から見える、これは平城宮跡だそうです。爆睡の私を優しく起こしてくれた粋な車内放送。)

第21回日本心療内科学会に行ってきました!

誘ってくださった先生が朝一のシンポジウムに出られるということで、なんとか始発に飛び乗って(病棟に行く時間は日に日に遅くなってるのに、できるじゃん私!笑)

おかけで、さわやかな青空の奈良を歩くことができました。
(歩きスマホしてたらシカとぶつかるぞ。)

こんなところで学会、すてきです。

休憩時間にぶらぶらした中庭。

メイン会場が能楽ホール、ドイツの偉い先生にも靴脱いで講壇に上がってもらってた笑

(ランチョンセミナーは柿の葉寿司)

会長をされていた先生、私は挨拶しかしたことないけれど、彼の文章や講演などを見るにつけ、この会場も彼ならではなのかもと思いました。

朝のシンポジウムのテーマは、「“治療的自己”をいかに教え伝えるか」。いろんなキーワードが出てきて興味深かったです。
シンポジストは学生のうちに教えるつもりで学年配当を問題にしていたけれど、医師側の生育歴とかも話題に挙がったように、ある程度は人間的な経験の差でスタート地点決まっちゃってる気がするんだよな…感性という点において。だからそんなに早期教育を意識しても手遅れというか……
もちろん私だってまだ教わる立場だけど、私は初期研修中がチャンスだと思う。それまでお勉強頑張れば頑張るほど病気を治せると思ってた人たちが、実際には患者さんがどのくらい指示通りに動いてくれるかを目の当たりにして壁にぶつかる。そうやってまさにいま身に沁みてる人々こそ、治療的自己について伝える格好のターゲットだと思うんです。と、言いたかったけどあんな教科書の著者としてしか知らなかったあのおじさんたちの前で言えるわけなかったよわたしゃ。

一日いろいろな講演を聴きながら(珍しく前向きに)想いを馳せたりもしました。
内科専攻医が終わったらどうしようか。市中病院の少人数体制に身を置き続けてコンサルから何から一手に引き受けて鍛えられながらも、最新の知識はこうやって奪いに来ればいいのだなと思ったり。一方で、今度は別のセッションで研究の話なんか聞いちゃうと、見学のとき話してくれた先生が「心療内科の発展に貢献したいなら大学かなと思ったんだよねー」って言ってたのも思い出したり。
日独交流の企画もあって、Tübingen大学心療内科の教授はドイツのプログラムの内容を紹介してくれてたので、向こうで学びたい夢も広がりました。そういえば文通中の彼女からのメッセージにもあった:Machen Sie weiter so, realisieren Sie Ihre Träume, denn nur die Realisierung der eigenen Träume bringt das Individuum vorwärts. Träumen alleine, ohne zu konkretisieren, bringt zum Nichts.そうだわ、やっぱり病棟長時代が終わったら(無事に終えることができたら)ゲーテに通って臨床レベルのドイツ語を身に付けるぞ〜
…お、いま自分がフリーであることって、こういうのを考えやすくするために誰かが用意してくれた状況なのかも!?(こんなところでも使える便利なリフレーミングであります。)

そのほか、見学でお世話になった方々の先生たちともお会いできて(覚えててくれた!)、臨床アロマのハンドマッサージ体験も受けて、私はすっかり元気になったのでした。
明日からまた病棟がんばる!今日習ったことも少し活かせるかも!