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ようこのかまど

おいしいからうれしくなるのかな、うれしいからおいしくなるのかな。

ブルー・オーシャン

2017年03月30日 | 心療内科医

春、箱根。
2年間の研修修了を祝す旅。


同期のみんなと通称“卒業旅行”に行ったときのバーベキュー会場の桜です。
期待以上に穏やかで楽しい2日間。集合写真のみんなの笑顔がとてもいい。みんな研修で削られて丸くなったのかなあ笑 いい思い出ができました。
お互い忙しく、敷地狭すぎて研修医室も与えられず、そんなに会えてた訳でもないはずなのに
やっぱりどこか甘えられる存在だったんだと思います。同期って、そんな特別な響きを持っています。

そんな同期とともに過ごして大好きになってしまった病院で、来年度も研修を続けることに決めたのが去年の10月。
この2年間の大きな収穫として心療内科医になるという夢を見つけたことがあるけれど
この決断は必ずしもその夢への近道ではありません。だからとても悩んだし、かなりわがままして方々に相談させてもらいに行きました。
3年目にここで内科全般の研修をするのは、日本中の心療内科医(日本の心療内科医は少ないのでこういうのは言いやすい笑)と協議した結果なんです。もう後悔したくてもできません。

尊敬する同期であり今までなんでも話してきた親友がいるのですが、彼が私に「ライバルが少ない分がんばらなくちゃダメだよ」と言いました。去り際まで厳しい言葉をかけてくるものです、まったく。
でも本当にその通り。次の日にセミナーで知り合った大阪の先生からいただいたメールにも「この業界はブルー・オーシャン」と書いてありました。

自分を律してどんどん挑戦しよう。自分でその挑戦に価値を認めてあげよう、新たに価値を創造していこう。すると…

もらえる仕事は全部ことわらずにやろう。

これはだいぶ簡単な方な気がしてきたぞ笑
それでまずは学会誌に載せるセミナーの体験談ていう…いやこれもだいじ!早く完成させなくちゃ。


*****


卒業旅行後は、初期研修最後のローテとなる訪問看護へ。
タフな訪問看護師さんたちの仕事を見学させていただくのがメインであり、おっきなリュックのっけた電気自転車でビュンビュン進む看護師さんたちを必死で追いかけていただけのはずなのですが
慣れない日中の外気のせいか、いつものあの「ローテがラクになった瞬間出現する病魔」のせいか、風邪をひいてしまいました。(原因が前者でも後者でも、来年度は起き得ないことなので安心です。)

家でおとなしくしていると、引っ越して1ヶ月で溜まったらしい綿ぼこりが目につき始め…めずらしく掃除機をかけたくなったりキッチン中のものをアルコール拭きしたくなったりと、まあこんなのもたまにはいいかなと。新調したパンツとクリーニングから返ってきたブラウス(支給されていたユニフォームも今年度で卒業!)も置き場が決まって、おさがりにもらったテレビも搬入して、あっちを入れ替え、こっちを入れ替え(この作業には必ず「入らないものを棄て、」が入るのは御存知のとおり)、いよいよ収まるところに収まった感じ!ついでに外出できないのをいいことにネットショッピングの便利さに気付いてしまった26の春。
家にいるの、楽しいな。
…そんな自分がちょっと怖くなって、ネット注文しようとしたジャスミンのアロマオイルはさすがに店頭で確かめてから買おうと思い直したのですが。

おかげさまて、なかなかいい部屋になりました。
親友が最後に買ってくれたおそろいのスピーカーもマリメッコにフィットでしょ。

これでララランドがんがん鳴らして、寂しさ吹き飛ばし、不安かき消して明後日から病棟長!
It's another day of sun!

おかえりsweet home

2017年03月26日 | 心療内科医

乗り換え駅の志津屋のパンたちがとても魅力的で、今日の新幹線のお供に決定。
京都の老舗パン屋さんだそうです。京都のたまごサンドには卵焼きが入ってました。

昨日の東京〜京都は立ち寝でがんばれたのですが、年甲斐もなくカラオケオールからの2日間の講習会とさすがに体力的に攻め込まれてきたので熊本までは指定席券買っちゃいました。
これから本物の里帰りです。


*****


研修修了式の翌朝、新幹線に飛び乗って(セーフッ!)行ってきました、第2回心身医学合同セミナー!我が師匠ふくむ日本心身医学会の若手ワーキンググループの先生方がボランティアで(!)ファシリテーターとして秀逸なレクチャーからグループワークのサポートそして…飲み会笑 と、手厚くもてなしながら心療内科の良さをシェアしてくださるという贅沢な会です。確かにシェアされました、心療内科がさらに好きになりました!

それだけでなく、進路相談で多大なめ…お世話になった先生たちとの再会に加え、はじめましてのこれまた素敵な先生たちとの新たな出会い。
もちろん立ち上げに関わった運営の先生方の、日本の心療内科の未来についての熱いお考え(昨日の二次会で聴かせていただきました…)もありがたく意識しなければならない時はそのうち来ると思いますが、今はひたすらこのあったかさが嬉しくて。
帰りにご挨拶する頃には「楽しかったか、そうか。またいらっしゃい。」なんて声をかけていただいて、なんだか全国の心療内科のある県に親戚のおじさん(しかもカッコよくて憧れの)が増えたみたい!
おかげでポッとしてたらSuicaが大阪ではオートチャージされないことをすっかり忘れて改札機に激突したのでした。

総合病院のマイノリティとして存在する心療内科医の孤高な感じは大好きだけど、「心療内科志望です」って言っても珍しがられないこういう場に居られる時間は歓びです。
二日間で教わったことをだいじにして、また自信持ってやっていこう。次にみなさんにお会いできるのは、6月の学会…ポスター作り、これ以上後回しにせずにがんばらねばだ笑

メンタルシニア†、放射線科で学ぶ

2017年01月19日 | 心療内科医

(↑放射線科シニアの先生もおススメ:https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/4780908493/ref=mp_s_a_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&qid=1484826613&sr=8-1&pi=AC_SX236_SY340_QL65&keywords=よくわかる脳mri&dpPl=1&dpID=517obXCtmvL&ref=plSrch

チーフレジデントから1ヶ月で読破を命じられた良本:https://www.amazon.co.jp/ここまでわかる頭部救急のCT・MRI-井田正博/dp/4895927296

2冊、がんばります!)

選択でとった放射線科のローテ、1ヶ月なので何かに絞ってじっくり画像に向き合うのがよいとのこと。
心療内科の師匠に聞いたら「圧倒的に頭部ですね」と即答。そしてこれをいただいちゃいました…私のようなチャッカリ者は、そのぶん貴科に貢献することで恩返しします、はい!

というわけで、苦手な頭部CTそしてMRIと対峙する日々が始まっています。
エキスパートから直にフィードバックを受け何度も質問できることが、自分の志望科に役立てると考えた途端に、こんな喜びに変わるとは。
4月から私がなる専攻医(シニアレジデント)の“専攻”って、こういうことなんだわ。

Doch muss ich heute und morgen und am Tag danach wandern
(私は今日も明日も、その次の日も自分の道を進まねばならない。)
ルカ13:33
…使命と覚悟、これです。

あとはちょっと、演題締め切りの季節で心身医学系の2つの研究を同時に根詰めて進めた疲労もあってか、放射線診断学みたいな揺るぎのない世界(あるのかもしれませんが素人にはなく見える)で頭がスッキリするという、暗くて静かな部屋で黙って考えたいっていう、反動に似たモチベーションもあるかもしれません。

†ちなみにまだシニアじゃないし、ひとまずなるのは“内科”専攻医だけれど、前に精神科の先生に「すでにメンタルシニアのようだ」と言っていただいたのがとても嬉しかったので!
内科としてのプライドを育てつつ、ゆくゆくは心↔︎身を立場上もしなやかに行き来できるのが、いま思い描いている理想。

二番手のぼやき

2017年01月06日 | 心療内科医

目玉焼き&カリカリベーコンonおかかめし
を、久しぶりに作りたり。
うま。

ピンチヒッターとして入った当直が大荒れ。
ピンチヒッターと思って引き受けた発表がまさかの大人たちの喧嘩の火種。
…聞いてないよっ!
責任持って最後までやるけどさ、
なんとか一件、いや二件、三件落着させた明けの夕飯くらい
出前じゃ絶対手に入らないものを
ひとりで黙々と食べさせて。
そして
誰にも気を遣わず
誰にも同調する恐れなく
久々にとびっきりの不機嫌な顔してみていいですか。


*****


思春期の視覚障害者の自律神経失調症を診た。
あ、あ、これ、これこれ、こういうの診れるようになりたかったのだ、私は!
ただ友人を助けたかったのだ…
一気に自分の夢の根源に引き戻された感覚だった。
そういう括りで専門的にやっているのはあまり聞かないのだそうだ。
ならばわたしが。

入会金もなんのその

2016年12月31日 | 心療内科医

届いた。
心身医学会に入会!(しないと来年の学会の演題出せない仕組みだった笑)
会誌の背表紙みてうずうずしてる。
来年も楽しいことがいっぱいありそうだ。


*****


知性、感性、霊性なんだって。人間は。
アリストテレスにもなれる、モーツァルトにもなれる、ルターにもなれる。

それらが合う人と、ずっと一緒に過ごしたいな!

さあ、新しい年が明ける。
Ich liege und schlafe und erwache;
denn der HERR haelt mich.
Psalm 3:6
今年最後の夜も、満たされた気持ちで眠れることに感謝して。

リエゾンのお仕事

2016年12月20日 | 心療内科医
前に担当していた血液腫瘍の患者さんに会いに行った時のこと。

抗がん剤に伴う粘膜障害について「だーれもわかってなかったと思うの!!こんなんなら死んだ方がマシッて思ったもの!!!そんなこと訴える元気もなかったんだけどね!」
…一ヶ月以上も血液内科回ってたから、すぐに分かった。正直、彼女の症状は周りの患者さんたちに比べて特別辛いものではなかったはずってこと。

でも医療者側が患者さんにそう思われちゃってるのが問題でしょ!
そのギャップを埋めるのが、リエゾンの仕事の一つだと思った。

一つ見つけたぞ。
なーんだ、簡単じゃない。
って咄嗟に思っちゃったけど、きっと何か私にはまだ見えていない壁が立ちはだかっているのだろう。


*****


ちなみに…

この世で今この瞬間、私が一番辛いよきっと!
と思うことはありますよねー
病気以外でも。

それは経験あるから私も知ってる。
だから、「みんなそうですよ」って言うのだけは絶対しない。

みんなそうなんだ…
って思わせて安心させてくれるのは、他人からではではなく自ら行き着いた場合の失恋ソングとかヤフー知恵袋とかだけです。

ススキの原を かきわけて

2016年12月03日 | 心療内科医

(近鉄から見える、これは平城宮跡だそうです。爆睡の私を優しく起こしてくれた粋な車内放送。)

第21回日本心療内科学会に行ってきました!

誘ってくださった先生が朝一のシンポジウムに出られるということで、なんとか始発に飛び乗って(病棟に行く時間は日に日に遅くなってるのに、できるじゃん私!笑)

おかけで、さわやかな青空の奈良を歩くことができました。
(歩きスマホしてたらシカとぶつかるぞ。)

こんなところで学会、すてきです。

休憩時間にぶらぶらした中庭。

メイン会場が能楽ホール、ドイツの偉い先生にも靴脱いで講壇に上がってもらってた笑

(ランチョンセミナーは柿の葉寿司)

会長をされていた先生、私は挨拶しかしたことないけれど、彼の文章や講演などを見るにつけ、この会場も彼ならではなのかもと思いました。

朝のシンポジウムのテーマは、「“治療的自己”をいかに教え伝えるか」。いろんなキーワードが出てきて興味深かったです。
シンポジストは学生のうちに教えるつもりで学年配当を問題にしていたけれど、医師側の生育歴とかも話題に挙がったように、ある程度は人間的な経験の差でスタート地点決まっちゃってる気がするんだよな…感性という点において。だからそんなに早期教育を意識しても手遅れというか……
もちろん私だってまだ教わる立場だけど、私は初期研修中がチャンスだと思う。それまでお勉強頑張れば頑張るほど病気を治せると思ってた人たちが、実際には患者さんがどのくらい指示通りに動いてくれるかを目の当たりにして壁にぶつかる。そうやってまさにいま身に沁みてる人々こそ、治療的自己について伝える格好のターゲットだと思うんです。と、言いたかったけどあんな教科書の著者としてしか知らなかったあのおじさんたちの前で言えるわけなかったよわたしゃ。

一日いろいろな講演を聴きながら(珍しく前向きに)想いを馳せたりもしました。
内科専攻医が終わったらどうしようか。市中病院の少人数体制に身を置き続けてコンサルから何から一手に引き受けて鍛えられながらも、最新の知識はこうやって奪いに来ればいいのだなと思ったり。一方で、今度は別のセッションで研究の話なんか聞いちゃうと、見学のとき話してくれた先生が「心療内科の発展に貢献したいなら大学かなと思ったんだよねー」って言ってたのも思い出したり。
日独交流の企画もあって、Tübingen大学心療内科の教授はドイツのプログラムの内容を紹介してくれてたので、向こうで学びたい夢も広がりました。そういえば文通中の彼女からのメッセージにもあった:Machen Sie weiter so, realisieren Sie Ihre Träume, denn nur die Realisierung der eigenen Träume bringt das Individuum vorwärts. Träumen alleine, ohne zu konkretisieren, bringt zum Nichts.そうだわ、やっぱり病棟長時代が終わったら(無事に終えることができたら)ゲーテに通って臨床レベルのドイツ語を身に付けるぞ〜
…お、いま自分がフリーであることって、こういうのを考えやすくするために誰かが用意してくれた状況なのかも!?(こんなところでも使える便利なリフレーミングであります。)

そのほか、見学でお世話になった方々の先生たちともお会いできて(覚えててくれた!)、臨床アロマのハンドマッサージ体験も受けて、私はすっかり元気になったのでした。
明日からまた病棟がんばる!今日習ったことも少し活かせるかも!