「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「漁り火遠く」

2009年08月20日 | つれづれ噺
長雨や風などの影響で陰を潜めていた、真夏の漁り火。
ようやく持ち直した星空に迎えられ、真っ暗い遠くの海に点々と光って見える。

闇の中に浮かぶ漁り火は、いかにも遠くぼやけて見える。しかし実際の距離はさほど遠くでもないことが、昼間の海で予測はつく。

二階の窓から見えるほどの至近距離の陸に沿って、一体何が取れるのだろう。知り合いの漁師さんに聞いてみた。
「この時期は、6~7㎝の中型エビ・アナゴ・たまにタコ・イカ、どっちみちお金になるものはなかなか取れない…」と。

そう言えば独身華やかりしころ、専業漁師のお父さんを持つ友達に誘われて、徹夜の底引き網漁に付き合ったことを思い出した。遠浅の砂地を2~3時間底引きして網を上げる。

いるわいるわ。クルマエビを始めアナゴ・タコ・イカ・数種類の雑魚などがウヨウヨ。手作業で、エビを大中小に振り分けするのが仕事だった。それでも我々の若い頃には近海物が結構獲れた。専業漁業で飯が食えた。

今では、昼も夜もがんばっても大したお金にはならないという。どこも世知辛い世の中ではある。
所詮漁り火などは、遠くから眺めて演歌の一つもひねってみるのがいいのかなー。漁師さんも大変だよなー。

     海の魚はかわいそう
   
        お米は人につくられる  牛は牧場で飼われてる  鯉もお池で麩(ふ)をもらう
     
      けれども海のお魚は  なんにも世話にならないし  いたずら一つしないのに
       
         こうして私に食べられる  ほんとに魚はかわいそう        (金子みすず)

             ( 写真: 瀬戸の海に浮かぶ 真夏の夜の漁り火 )
コメント (12)
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