花紅柳緑~院長のブログ

京都府京田辺市、谷村医院の院長です。 日常診療を通じて感じたこと、四季折々の健康情報、趣味の活動を御報告いたします。

黒点草(コクテンソウ)│杜鵑草(ホトトギス)

2022-09-07 | 漢方の世界

油点艸 コスモスヒブリダース│「草花百種 三」, 山田芸艸堂, 明治34年

「黒点草」(コクテンソウ)はヒマラヤホトトギス(中国名は黄花油点草、柔毛油点草)、学名Tricyrtis maculata (D. Don) Machride/T.pilosa Wall.の根あるいは全草から得られる生薬である。性は甘・淡・平、効能は清熱除煩、活血消腫である。

ホトトギス属(杜鵑属)はユリ科の多年草で、学名Tricyrtis、世界に約20種が分布する。ホトトギスの和名は、花弁の紫色の斑点模様が野鳥ホトトギスの胸模様に似ることから名付けられた。現在ホトトギスとして流通している多くは、日本固有種のホトトギス(杜鵑草)、学名Tricyrtis hirtaと、タイワンホトトギス(台湾杜鵑草)、学名Tricyrtis formosanaの交雑種である。ホトトギスは花芽が互生する葉腋(葉の脇)各々に付くのに対し、タイワンホトトギスは分岐した茎先に花芽が付く。

生薬名「杜鵑花」(トケンカ)は、ツツジ科、ツツジ属の学名Rhododendron simsii Planch.、タイワンヤマツツジ(台湾山躑躅)の花から得られる別物である。ちなみに薬性は甘、酸、平、効能は和血、調経、止咳、袪風湿、解瘡毒である。





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