元旦に始まる大正月に対して、14日から16日にわたる小正月には小豆粥を(あずきがゆ)を食べて邪気をはらう習慣がある。小正月は年末年始を通して忙しく働き続けた女性の労をねぎらう為に女正月とも呼ばれている。小豆(あずき)ないし赤小豆(せきしょうず)は、体の熱性状態を改善する弱い寒性、すなわち微寒の性質を有し、その効能は利水消腫、清熱解毒の働きで、体内の停滞した病的水分や熱毒を取り去る作用がある。この他に通乳として乳汁分泌を促す働きも持つ。五臓六腑における作用部位を表す帰経では、心、小腸に属している。
松とりて世ごころ楽し小正月 小林一茶