ヤマトタケルの夢 

―三代目市川猿之助丈の創る世界との邂逅―
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九月歌舞伎座:夜の部『勧進帳』

2005-09-26 23:11:04 | 歌舞伎
先月の火樹会の舞台やレクチャー、そして、過日読んだ本から
演目に対する関心も更に高まっていたので
先週、歌舞伎座の勧進帳を幕見してきました。
連休と連休の狭間だし、
そんなに混んでないかな~?と思ったら大きな間違いで
「お立見で~す。」になってしまいました^_^;

でも、客席に人の熱気がある中で舞台を観るのは
ワクワク感が増していいですよね~。

富十郎さんの富樫、吉右衛門さんの弁慶、福助さんの義経。

やはり舞台は生ものということでしょうか。
とっても良いという評判も耳にしていたし、
また、友人の吉キチさん(笑)で、かなり回数観ているコの感想では
都度、大満足!で、あったり、う~ん、今日はちょっと?
という回もあったりと・・・

基本的には、きっぱりと滑舌の良いセリフ廻し、通る高音など
富十郎さんの持ち味は、爽やかな切れ味の良さ!と思うのですが、
私が観た日は、ちょっとお疲れでらしたのか、
葛桶に掛けている間、肩と首が落ちて背中が丸く(姿勢が悪く)、
富樫には、全面的にキリリと素敵でいてもらいたいので、
その点、やや、残念でした・・・^_^;

児太郎くんの、太刀持ちも頑張ってはいたけど、
なかなか、ずっと控えているのは辛い、よね

勧進帳を差し覗く場面や、
「いかにそれなる強力、止まれとこそ!!」の呼び止め
弁慶が義経を打擲するのを見て、疑い晴れた―と申し伝えた後、
上手に入る前に、思い入れするところなどは、さすがキマってました。
(“さすが”なんて人間国宝にメッチャ失礼!?

(あと、富樫は、幕切れの一行を見送るキマリの形も
すごくカッコいいですよね~。)

吉右衛門さんの弁慶は、失礼ながら八分の演技、と感じてしまいました。
(更なる失礼ご容赦
視覚的な大きささと反して、読み上げも問答も、抑え気味というか
意外とサラサラしていたような・・・

福助さんの義経は、儚げで品があり、この場は切り抜けたとしても
不幸な未来が予見できるような、寂寥感漂う雰囲気。

弁慶の引っ込みが見えず残念。
いや、幕見でも立つ位置によっては、多少七三までは見える時も
あるのですが、3階席の方がすでに立ち上がっており
見えなかったのだよ~↑気持ちは理解出来ますが…
だって、ここ観たい!もんねぇ。。。

鳴物チームの中に「鼓の家」三男(笑)発見。
お兄様は、博多座で陰鼓打ってましたね~。

しかし、これほど見方の変わったお芝居もないです。 
以前は、綺麗な女形も出てこないし、問答は分からないし
(これは、観劇だけでは当然理解は出来ず、上演台本や
テキストを読みました。)つまらんと思っていたのに
今や、問答の緊迫感や、富樫と弁慶、それぞれの「想い」を、
役者さんたちの個性や表現方法によって、いろいろ見比べてみたい~
と思うようになりましたから。

あと、政岡なんかもそうかな。
これは猿之助さんが伊達十の中で見せたり、
笑三郎さんや笑也さんといった、身近な役者さんが等身大に
見せてくれたことによって、逆にいろんな幹部さんの芝居も
凄く見たくなったり…と。

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