日本の悪夢の日を忘れないぞ!
紘一郎雑記帳
紘一郎雑記帳
※この記事は6月15日発売の
『偏向ざんまい~GHQの魔法が解けない人たち』
(産経新聞論説委員・阿比留瑠比 産経新聞出版)の
「第4章」を参照いたしました。
『偏向ざんまい~GHQの魔法が解けない人たち』
(産経新聞論説委員・阿比留瑠比 産経新聞出版)の
「第4章」を参照いたしました。
ちょっと前の話だが、どうにも気になるので書いておく。
2015年5月24日付朝日新聞朝刊の対談記事で、
杉田敦法政大教授と長谷部恭男早稲田大教授が語っていたセリフについてだ。
2015年5月24日付朝日新聞朝刊の対談記事で、
杉田敦法政大教授と長谷部恭男早稲田大教授が語っていたセリフについてだ。
長谷部氏といえば、憲法学者(参考人)として招かれた衆院憲法審査会で
安全保障関連法案を「違憲」と断じ、一躍時の人になった人物である。
安全保障関連法案を「違憲」と断じ、一躍時の人になった人物である。
杉田氏「民主主義とは、選挙で選ばれた代表による、
いわば期限付きの独裁なのだ-
という安倍・橋下流の政治観が支持を広げているようです」
いわば期限付きの独裁なのだ-
という安倍・橋下流の政治観が支持を広げているようです」
長谷部氏「(前略)戦後は、全権力が国民に移ったのだから、
国民に選ばれた政治家が憲法に縛られるなんておかしいというのが
『期限付き独裁』の発想でしょう」
国民に選ばれた政治家が憲法に縛られるなんておかしいというのが
『期限付き独裁』の発想でしょう」
両氏は安倍晋三首相の政治観を勝手に決め付けて議論を進めていたが、
「期限付き独裁」論は菅直人元首相が盛んに口にしていた持論である。
「期限付き独裁」論は菅直人元首相が盛んに口にしていた持論である。
いくら何でも菅氏と一緒にされたら、安倍首相もさぞ迷惑だろう。
菅氏は副総理時代の10年3月、参院内閣委員会でこう答弁している。
「議会制民主主義というのは期限を切ったあるレベルの独裁を認めることだ。
4年間なら4年間は一応任せると」
4年間なら4年間は一応任せると」
菅氏は09年11月の参院内閣委では憲法の三権分立の原則も否定し、
「これまでの憲法解釈は間違っている」とも述べている。
「これまでの憲法解釈は間違っている」とも述べている。
そもそも「政治主導」を掲げた民主党政権は、
学者の意見に耳を傾けるどころか野田佳彦内閣の途中まで
内閣法制局長官の国会答弁すら認めず、代わりに法令解釈担当相を置いていた。
学者の意見に耳を傾けるどころか野田佳彦内閣の途中まで
内閣法制局長官の国会答弁すら認めず、代わりに法令解釈担当相を置いていた。
「憲法解釈を専門家の指摘も無視して、
一方的に都合よく否定するという姿勢は、法の支配とは対極そのものだ」
一方的に都合よく否定するという姿勢は、法の支配とは対極そのものだ」
民主党の枝野幸男幹事長は6月11日の衆院憲法審査会でこう主張した。
とはいえ、鳩山由紀夫内閣で法令解釈担当相を務めた枝野氏は、
10年6月の朝日新聞のインタビューでは
「行政における憲法の解釈は恣意的に変わってはいけないが、
間違った解釈を是正することはあり得る」とも語っていた。
とはいえ、鳩山由紀夫内閣で法令解釈担当相を務めた枝野氏は、
10年6月の朝日新聞のインタビューでは
「行政における憲法の解釈は恣意的に変わってはいけないが、
間違った解釈を是正することはあり得る」とも語っていた。
また、菅内閣で法令解釈担当相に就いた仙谷由人元官房長官も
就任時の記者会見でこう明言している。
就任時の記者会見でこう明言している。
「憲法解釈は政治性を帯びざるを得ない。
その時点で内閣が責任を持った憲法解釈を国民、
国会に提示するのが最も妥当な道だ」
その時点で内閣が責任を持った憲法解釈を国民、
国会に提示するのが最も妥当な道だ」
だが当時、憲法学者らが民主党政権への危機感に駆られ、
強い批判の声を上げたという事例は、寡聞にして知らない。
メディアもおおむね民主党政権の「政治主導」には優しかった。
強い批判の声を上げたという事例は、寡聞にして知らない。
メディアもおおむね民主党政権の「政治主導」には優しかった。
現在、国会では安倍首相や中谷元防衛相らの答弁が
「長すぎる」「全く質問に答えていない」などと非難を浴び、
国会対策上の駆け引きなどで野党が審議拒否を行うこともたびたびだ。
そうした光景を眺めると、つい数年前の国会を思い出してかえって
「牧歌的だな」とすら感じる。
「長すぎる」「全く質問に答えていない」などと非難を浴び、
国会対策上の駆け引きなどで野党が審議拒否を行うこともたびたびだ。
そうした光景を眺めると、つい数年前の国会を思い出してかえって
「牧歌的だな」とすら感じる。
菅内閣は10年10月、閣僚が国会で虚偽答弁を行った場合の
政治的・道義的責任について質問主意書で問われて、
こんな答弁書を閣議決定したのだった。
政治的・道義的責任について質問主意書で問われて、
こんな答弁書を閣議決定したのだった。
「内容いかんによる」
つまり、閣僚が国権の最高機関たる国会で堂々と嘘をついても、
必ずしも問題ではないということを、当時の菅首相と全閣僚が
署名して決めたのである。これでは政府答弁など何も信用できない。
必ずしも問題ではないということを、当時の菅首相と全閣僚が
署名して決めたのである。これでは政府答弁など何も信用できない。
あのころの絶望的な民主党政権を、決して忘れまい