中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

ドライブ・マイ・カー

2022-02-19 22:32:00 | 映画・ドラマ
 先日の話です。自粛期間が明けた後の休日。さすがに家にこもっているのにも飽きたので、映画を観に行きました。

 「ドライブ・マイ・カー」。やたらと評判になっているようなので、一応観ておこうかなと。

 やや消極的なのは、村上春樹の小説が原作になっているというところ。

 …決して嫌いなわけではないのです。ほとんど読みました。でもそれだけに、あの、ちょっと「鼻につく」感じに食傷気味なのです。若い頃は割と好きだったのですが、食べ物と同じで、この歳になるとちょっともたれます。

 無駄にオシャレで、アンニュイな感じ。ひたすら受け身の主人公が、妙に文学的なセリフを喋る、個性的な登場人物に引きずられてゆく。

 …重ねて言いますが、アンチではありませんので念のため。

 さて映画館へ。やはり評判のせいか、平日の朝とは思えない入りでした。山形では珍しい。

 3時間にわたる長めの作品でしたが、結論から言うと、やはり村上春樹臭が濃いめ。決して悪くはない。悪くはないが、いろいろな所が、そうである必然性がよくわからない。雰囲気を楽しめば良いということなのか。散りばめられたメタファーは、ただ思わせぶりなだけのものも多くて、そこがまた「らしさ」だと感じてしまいます。

 …映画ファンにはいろんな意味でキレられるかもしれませんが、フランス映画っぽい感じが良いのかなと。

 登場人物がタバコをよく吸うのは良かった。やはり名画にタバコの煙は必須です。加熱式ではいけません。…にしても、こんなにあちこちで吸って大丈夫なのかと心配になるほどです。嫌煙活動家の皆さんから火炎瓶でも投げられかねない。

 原作では吸い殻を、車の窓からピンッと弾いて捨てるようですが、さすがに映画ではそこまでできませんでしたね。

 心に残るか、と言われれば悩みますが、「映画を観ることの楽しみ」が味わえる良い3時間だったと思います。邦画が苦手な人にもおすすめできる作品です。

 無音のシーンが多いので、空腹時にはおすすめしません。

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