賎民から選民へ

　ついに昇格いたしました！

　今までよりも「ワンランク上」。身分が高いというのは、気持ちの良いものですね。思えば初回は30年近く前、「賎民」とも言える最下層からのスタートでした。それがついに、こうして最上ランクまで登りつめてみてみると、感慨もひとしおです。

　「犯罪者」から「一般人」を経て「特別待遇」へ。


　何の話かおわかりでしょうか？

　…運転免許の更新です。


　思えば、免許を取得してすぐにスピード違反で免許停止を食らってからこれまで、数えきれないほどの「違反者講習」を受けてきました。

　まる二日間かかるものもありました。しかし、つらいのは、長さだけではない。その間、完全に「犯罪者扱い」を受けることです。

　「立場が人をつくる」と言われることがありますが、あれは本当です。「お前は悪い奴だ悪い奴だ」と言われ続けると、心が荒んで目つきが悪くなってくるのがわかる。すると、教官に指されても素直に返事できなくなり、「んあぁ？」と言ってしまったりする。…花だって「きれいだよ」と言いながら水を与えるときれいになるのです。「お前は犯罪者だよ」と言われ続けると「悪い人」になってもおかしくはない。

「おい、そこのアンタは何？」
…え？
「何やってここ来たのかってきいてんだよ！」
…スピード違反ですけど。
「何キロ？」
…50。
「ケッ。運転には自信があるとか思ってんだろ」
…いや、べつに。
「いいか？違反は犯罪なんだよ！」
……。（このへんになると、すっかり暗い目になっている）


　それが！

　今回は、憧れの「優良運転者講習」。たったの、お時間たったの、30分‼︎

　しかも教官の親切で丁寧なこと！「飲み物飲みながらでも構いませんよ」だと。なんだか騙されているようで居心地が悪い。結局、想像していたほどには、気持ちよくなかった。


　とにかく、今後も安全運転に努めます。