中爺通信

酒と音楽をこよなく愛します。

くどき上手「純米大吟醸・搾りたて」

2019-12-20 23:16:23 | お酒の話し(山形県)
 雪はまだ無いものの、しんしんと冷え込んでいます。世の中が少しづつ「年の瀬」を意識し始めるこの季節が、日本酒における「Happy New Year!」です。

 ということで今週の酒は、庄内の銘酒「くどき上手」の「搾りたて」純米大吟醸です。

…貧乏なくせに、そして二日酔いのくせに、なんでそんな贅沢な酒を!

 と、思われるかもしれませんが、そんなことはない。いや、貧乏で万年二日酔いなのは確かですが、この酒もびっくりするほどリーズナブルなのです。


 蔵が良心的なのはもちろんですが、ここまでのハイスペックが安価なのは、酒米に理由があります。山形が誇る酒米「出羽の雪」。これは、そもそも安価で高品質の酒を造るために開発された米なのです。高級酒を造るために生み出された「雪女神」と対照をなすものです。このように、酒米の開発からしっかりしたコンセプトでやっている山形…すごいと思いませんか?他県の追随を許さないはずです。


 ということで、「くどき上手」。世の中の「淡麗辛口」ブームを完全に無視した、芳醇甘口が個性の蔵です。しかしベタつくことは一切ない。

 中でも、毎年出るこの「搾りたて」は、芳醇すぎずにフレッシュで、私が「季節もの」として楽しみにしている酒のひとつです。

 さて今年の出来は…

…旨い。この甘みが、懐かしいような優しさで、師走の心を包み込むようです。


 年末に飲む新酒の味が、本当に好きです。甘くてほのかに酸味があって、「色々あったけど、それもこれも含めて、良い年だった」という気分にさせてくれる。同時に新酒ならではのフレッシュさが、「さあ、また新しい年が来るんだな」と前向きな気持ちを与えてくれます。

 今年も残りわずか。まだ数回、忘年会がありますが、その合間に、静かにこの一年を振り返るのにぴったりの酒でした。


 「ねぎらい」の甘さを堪能しました。

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