袖擦り合うも

　山響が休みの今日は、山形Qの依頼公演。

　私が昔住んでいた、山形市の長町というところでお世話になった方々のご縁で、近くの千歳コミュニティセンターさんから声をかけていただいたものです。

 

　山形は、地域の繋がりがまだまだ根強い。都会では、公民館とか住区センターとか、そういう施設は一部のお年寄りが集まるだけで、一般の人にはほとんど関係のない建物です。

 

　しかし、山形は違う。本来の目的である地域の拠点としての役割を果たしています。こういう文化イベントにも、大勢の人が楽しみに集まるのです。

 

　日頃からコンサートに足を運ぶような習慣の無い人たちが、たくさん来てくれる。

 

　だから、お互いに意義がある。

 

　向こうは、自分の近所に来て演奏会をしてくれる、こちらは、ホールに来てくれることのない人たちに生演奏の魅力を伝えることができる。クラシックコンサートは、客層が固定されてしまいがちなので、こういう機会は貴重なのです。

 

　「近所で、しかも無料だから来た」という人が多いとは思いますが、少しでも新しくファンになってくれる人がいれば嬉しいし、そうでなくても、「自分はわざわざチケットを買ってコンサートには行かないけど、山形にオーケストラがあるのは良いことだ」と思う人が増えるだけでも良いのです。

 

　80人ほどのお客さんが集まって、熱心に聴いてくれました。今回は山響の新人オーボエ、土屋さんをゲストにオーボエ四重奏を聴いて頂きましたが、反応を見る限り、喜んで頂けたのではないかと思っています。

 

　企画、運営をしてくれた、コミュニティセンターの皆様、それを支える地域の皆様に深く感謝します。