Winding Road

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第90回天皇杯決勝 鹿島×清水

2011-01-03 | 鹿島アントラーズ

優勝という結果を残すと「勝負強さを発揮」とか「やっぱり鹿島」などと言われ、あたかも予定調和のようにまとめられるけれど、決して楽な試合などなくて試合中は本当に苦しかったしタイトル一つ取ることの難しさを改めて実感しながらの決勝戦だった。この決勝もそうだし121分のサヨナラゴールで東京を振り切った準決勝も本当に苦しかった。

そもそも決勝だって戦前は清水優勢だと思っていた。攻撃陣は好調だし一体感があった。対する鹿島は不安の残る守備と2TOPが躍動しているとはいえ清水に比べれば見劣りする攻撃陣。これでは勝機は薄いだろうと。それでも勝ったのはメンタル面が大きな要素だろう。無冠で終われない意地・アジアの戦いに出るために勝たなければいけない義務感・大岩を優勝で送り出したい皆の気持ち。それらの気持ちが勝利につながった。

前半だけなら安心して見ていられた。3連戦の最後にも関わらず積極的に前からプレスをかけて相手の自由を奪った。消し合いの展開からセットプレーで先制するのも理想的な流れ。そのままゲームコントロールしたかったがそうはいかなかった。

後半から岡崎・ヨンセンの2TOPにして左に小野・右に藤本を配置する中盤のシステムでリズムをつかんだ清水に押し込まれ、嫌な時間帯に追い付かれてしまう。その後も相手のペースが続くがなんとか我慢してジョーカー本山をピッチに送り込むとやはり準決勝同様に流れを引き寄せる事が出来た。

最後もまたセットプレー。流れを呼び込んで手堅く勝ち越す。第三者が素人目に見れば面白くないかもしれないが勝者のメンタリティが成せる術とはこういう事を言うのだろう。偉そうかもしれないがそこには自信を持っている。

試合後はそこまで大きな喜びを表現する事もなく安心した気持が見受けられた。ゴール裏が大岩と一緒に喜び合っている間に皆引き上げていたくらいだったし。しかし大岩があそこまで上がってきてトラメガまで持ってくれたのは嬉しかった。それを下からずっと見つめていた岩政。その隣に誰かいるなと思っていたがあれが福西だったとは。最後は伊野波を含めたCBトリオで記念撮影。

2011年を最高の形でスタートできた。優勝は嬉しい、でも満足はできない。ギリギリでACL出場権を掴む事も出来た。苦い思いをした初海外遠征の水原にもまた行ける。とにかく全部のタイトルが欲しい。天皇杯優勝は新たな道の始まり。