Winding Road

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2005年の鹿島アントラーズ回顧録

2005-12-27 | 鹿島アントラーズ
天皇杯準々決勝にて、2005年が終戦。トニーニョ・セレーゾと共に十冠という夢は、とうとう実現する事無く、今年も無冠に終わりました。
今季を振り返ってみると、シーズンの前半と後半では全く別のチームと言える程、チーム全体が変わってしまった。

まずは、首位街道をひた走っていた前半戦。この頃のサッカーは本当に良かった。ここ数年来で最高と思える出来で、結果に内容が伴っていた。まず攻撃陣に関しては、アレックス・ミネイロという点を取れる武器を手にし、更には若手が日替わりヒーローのように活躍を見せました。常に先手を取る事で、守備陣も安定感を増した。先制しカウンターでダメ押し点を取って逃げ切る。そんな横綱相撲で勝ちきれていたのが前半戦でした。
ところが後半戦になると大失速。夏にチームの調子が下降気味になるのは、毎年の事だからそんなに気にならなかったのですが、秋口に入っても一向に調子が上向かない。それが最後まで続きました。後半戦の成績は、5勝4敗8分。負けないのだけれども、勝ちきれない試合が連発。そんな後半戦でした。

結果的に3位フィニッシュ。あと1つ勝っていれば優勝だった事を考えると、実にもったいないシーズンだったと思います。今季の反省点などを以下のように考察してみました。

・フリーランの少なさ⇒ボランチがFWを追い越す・三人目の動きなどが少ないので、攻撃にアクセントがつかない。
・サイド攻撃の弱さ⇒4バックの生命線であるサイドバックから、いいクロスが入らない。思えば、サイドから点で合わせるゴールを、ほとんど見ていない気がする。
・カードの多さ⇒これのおかげでメンバーが揃わない事多数。もっと気をつけないといけない。そんな鹿島とは対象的に、優勝したガンバ大阪は警告が少なかった。(特に前線の三人) これは大きな強みだと思う。

もちろん、収穫もありました。
・若手の台頭⇒野沢はFWとして定着し、増田・深井も先発で多くの試合経験を積み、常時ベンチ入りするようになった。
・アレックスの存在⇒長年待ち望んでいた点を取れるFWが現れた。この人の決定力は本当に大きかった。

今年、個人的に選ぶベストゲームは、第6節の対ジェフ千葉(国立)。4-2で勝利したこの試合。ストヤノフの不可解な退場に助けられた面もありましたが、攻撃に関しては、理想とすることが全て出来た試合だと思いました。アレックス・野沢のツートップと、本山・小笠原が、激しいポジションチェンジを繰り返して、流動的に動き回る事で、相手DFが前線を掴まえ難くなる。中央で相手を引っ張った後、サイドバックが空いたスペースに飛び込んで攻撃参加するという、まさに4-4-2の理想系とも言える攻撃を見せてくれた。この試合は観ていて本当に楽しかったです。


さて来年は監督が代わり、またおそらくは主力の数人が入れ代わるでしょうから、何とも予測がつきにくいですが、勝負どころでしっかり勝ち切れないと、また今シーズンの繰り返しになるでしょう。首を長くして待っている十個目の栄冠を、来期こそは必ず獲得してもらいたいです。