母乳マッサージの不思議 5<o:p></o:p>
母乳の原料は赤い血液ですが、乳腺を通過すると白い甘い母乳に化学変化します。乳腺はミクロン単位のブドウ状の形が、丁度ブドウの房のように集まって(塊まり)います。その一粒ずつが母乳を生産して、乳管に移動します。母乳は必ず乳管中を流れて、乳管は太くなり、乳頭直下(乳頭のくびれから約,1,5㎝下)の乳管洞にプールされます。<o:p></o:p>
そこまでが、乳房の役目なのです。そのプールされている乳を吸いだすのは赤ちゃんの役目です。<o:p></o:p>
血液が乳汁になるのは、化学変化ですが、そこには触媒が必要であり、その役目を荷なっているのが代表的なホルモンのプロラクチンで、脳の下垂体前葉から直接に血液中に放出されます。プロラクチンは血液と共に乳腺に至り、血液を白くて甘い乳に変えます。<o:p></o:p>
ですから、プロラクチンが無くては乳汁の生産は無いのです。<o:p></o:p>
(私の30数年の仕事で、立派な乳房のママでしたが、乳房が少しも張らないで、1滴の母乳も出ないのです。何等かの原因でプロラクチン欠如と思われました。1回のみでしたが。)<o:p></o:p>
脳の下垂体後葉からは、オキシトシンホルモンが産生されて、血液中に放出されて、プロラクチンと同様に乳腺に至り、筋上皮細胞に働いて乳汁を送り出す働きをします。<o:p></o:p>
母乳を作り出すのも、ホルモン、送り出すのもホルモンの力を必要とするのです。<o:p></o:p>
<o:p></o:p>
さて、母乳は母体で十分に生産されました。赤ちゃんどうぞ なのですが・・・・。<o:p></o:p>
今少し、乳房の複雑な仕組みを説明しなければなりません。<o:p></o:p>
赤ちゃんとの接点となる乳頭の生理(働き)についてです。<o:p></o:p>
乳頭は特殊な働きがあります。瞬時に硬くなったり、柔らかくなります。<o:p></o:p>
赤ちゃんの好みは、柔らかくて、適当に伸びている乳頭です。<o:p></o:p>
乳頭を観察してわかるのですが、表情があるのですね。痛そうな膨れた乳頭を赤ちゃんは嫌います。歯茎でかじり、傷をつけます。硬く縮こまっている乳頭は赤ちゃんの舌に<o:p></o:p>
納まらないし、乳は流れてきません。乳があふれんばかりに出てくる乳頭は、見るからにおだやかな柔らかい表情をしているのです。<o:p></o:p>
<o:p></o:p>
乳頭には知覚神経もきていますが、主に自律神経の影響を受けています。自律神経には交感神経と副交感神経があり、乳をスムーズに出す働きは、副交感神経にあるのです。<o:p></o:p>
ママさんを心身共にリラックス状態にあるときに、副交感神経は働き、乳を運ぶ乳管や、乳頭をリラックスさせ、広げ、乳が流れやすくなるのです。<o:p></o:p>
(自律神経とは、消化、呼吸、循環などの機能を支配する神経系で、主として平滑筋の運動及び腺の分泌を自律的に支配します。これは交感神経と副交感神経からなっています。)<o:p></o:p>
また、乳頭が硬くなったり、柔らかくなったりするのは、乳頭括約筋が働いて縮めたり、伸ばしたりするのです。私の観察では乳頭括約筋の使命は、赤ちゃんの柔らかい舌や唇がふれたときに、待っていました とばかりに乳頭括約筋がゆるんで、乳汁が出てくるのです。<o:p></o:p>
その赤ちゃんのサインが無い時には、乳頭は硬くなって、必死に乳汁の出るのを抑えているのです。もう一つ、乳頭括約筋が緩むのは、「B&Bマッサージのstep1」を施術したときです。<o:p></o:p>
私が不思議に思うことの一つに、乳頭括約筋は、乳頭から出てくる乳汁の質にも敏感に反応しているのです。ドロドロした変質した乳汁がでてくるときには、乳頭括約筋が閉じて硬くなるのです。<o:p></o:p>
次回へ<o:p></o:p>