母乳不足を(不足の度合いにもよりますが)、改善するのは難しいと、先のブログで述べました。
私は、不足のママから、次のことを確かめてから、マッサージの指導を引き受けるようにしています。生年月日と生まれた時の体重、ミルクの量と現在の体重、母乳を継続しているか、母乳をなめてみて甘いかなどです。
母乳マッサージは、早ければ早いほど、成功率が高いのです。そして誕生日での体重は、赤ちゃんの吸引力の目安になります。ミルクの量と体重増加から、ミルク依存度を計ります。また、ミルクを足していても母乳を確実に飲み続けていることです。それから、母乳をなめてみて、母乳が甘い!ということは大切なのです。母乳が甘くなく、また塩味でしたら、成功率はとても低いと思います。
以上のことを考慮して、指導をひきうけるようにしています。
Aママさんは、出生時の体重は3キロの女の児で、生後20日目でした。母乳は時々飲ませているとのこと、ミルクは1回50ccとのことでした。母乳保育を希望しています。
生後20日ですので、指導を引き受けました。
親子にお会いしてみないと分からないことはあります。
お会いして、ママも真剣のようですし、乳頭も普通ですし、赤ちゃんの飲みかたも
自然でした。ところが、母乳を味わってもらいますと、塩味なのです。そして乳房が温かくない
のです。母乳を生産するときには、乳房はほのかな熱を持ちます。そして静脈が浮き出てきますが、Aママの乳房は冷たく、もちろん青筋(静脈)は沈んでいます。ただ赤ちゃんは、その
乳頭を飲み続けているのです。私は「赤ちゃんがママの乳頭を好むなら、必ず、母乳の生産はよくなるから、1週間頑張ってくださ」と指導しました。
1週間目にママから電話ありました。
「何かと忙しくて、B&Bマッサージもできないでいるうちに、赤ちゃんが、乳頭をきらうようになりました。今回は母乳をあきらめます。次の児のときには、もっと早い時期にマッサージをしようと思います。」
私は、Aママの決断を正しいと思いました。母乳を出す努力は必要です。しかし、
努力のみで、母乳が出るようになるのでありません。どうしても出ないママはいるのです。
その時は、ミルクに切り替えればいいのです。努力は無駄ではありません。その努力から色々とママは学ぶことでしょう。