母乳コンサルタントの日記

ママさんたちへ、母乳とマッサージ

母乳をあきらめる

2011-06-18 18:55:25 | インポート

母乳不足を(不足の度合いにもよりますが)、改善するのは難しいと、先のブログで述べました。

私は、不足のママから、次のことを確かめてから、マッサージの指導を引き受けるようにしています。生年月日と生まれた時の体重、ミルクの量と現在の体重、母乳を継続しているか、母乳をなめてみて甘いかなどです。

母乳マッサージは、早ければ早いほど、成功率が高いのです。そして誕生日での体重は、赤ちゃんの吸引力の目安になります。ミルクの量と体重増加から、ミルク依存度を計ります。また、ミルクを足していても母乳を確実に飲み続けていることです。それから、母乳をなめてみて、母乳が甘い!ということは大切なのです。母乳が甘くなく、また塩味でしたら、成功率はとても低いと思います。

以上のことを考慮して、指導をひきうけるようにしています。

Aママさんは、出生時の体重は3キロの女の児で、生後20日目でした。母乳は時々飲ませているとのこと、ミルクは1回50ccとのことでした。母乳保育を希望しています。

生後20日ですので、指導を引き受けました。

親子にお会いしてみないと分からないことはあります。

お会いして、ママも真剣のようですし、乳頭も普通ですし、赤ちゃんの飲みかたも

自然でした。ところが、母乳を味わってもらいますと、塩味なのです。そして乳房が温かくない

のです。母乳を生産するときには、乳房はほのかな熱を持ちます。そして静脈が浮き出てきますが、Aママの乳房は冷たく、もちろん青筋(静脈)は沈んでいます。ただ赤ちゃんは、その

乳頭を飲み続けているのです。私は「赤ちゃんがママの乳頭を好むなら、必ず、母乳の生産はよくなるから、1週間頑張ってくださ」と指導しました。

1週間目にママから電話ありました。

「何かと忙しくて、B&Bマッサージもできないでいるうちに、赤ちゃんが、乳頭をきらうようになりました。今回は母乳をあきらめます。次の児のときには、もっと早い時期にマッサージをしようと思います。」

私は、Aママの決断を正しいと思いました。母乳を出す努力は必要です。しかし、

努力のみで、母乳が出るようになるのでありません。どうしても出ないママはいるのです。

その時は、ミルクに切り替えればいいのです。努力は無駄ではありません。その努力から色々とママは学ぶことでしょう。


おはぎ

2011-06-12 11:41:51 | インポート

日本では、母乳を出す食品として、おはぎがあります。

日本は、従来米文化ですから。その代表の「おはぎ」なのです。

母乳を出す食品として腹持ちの良い餅米と、米に不足の植物性たんぱく質とミネラル、ビタミン類などが豊富にふくまれる小豆と、直ぐに乳糖になり、母乳になって赤ちゃんの空腹を満たしてくれる砂糖で作られています。

優れ物のおはぎが、代々受け継がれてきたここは、とても意義のあることと思います。

この{おはぎ」を最近の科学で分析してみますと、

グリセミック指数(CI)という数字で表します。炭水化物(餅米、小豆、砂糖など)は体内で分解され、ブドウ糖になりますが、食品によって代謝速度に大きな差があります。その速さは「グリセミック指数}(CI) という数字なのです。ブドウ糖を食べた場合(最大値)を100とした場合の割合です。CI が高いほど血糖値が上がりやすいのです。すなわち 直ぐにエネルギーになってくれます。(母乳になってくれます)

おはぎ でいいますと、CI が高いのは甘さの砂糖であり、次はあんこ であり、餅米は最後で、CI は低いのです。腹持ちする理由がわかりますね。おはぎの利点は食べてすぐに母乳になり、続くのです。

この頃のスポーツ選手の食事指導に盛んに利用されているようです。

私が、「おはぎ」を取り上げましたのは、一部の指導者が「おはぎ」はダメと指導していることです。

述べましたように、おはぎの成分からマイナスになるエビデンス(科学的な証拠)はないのです。それなのに排除しようという理論まで生まれていることを、どう理解したらいいのでしょう?

冒頭で、おはぎは、米文化から生まれた食品と述べました。現在はやはり、米を主食にしていることに変わりませんが、多彩な食品から選択できる食文化に変わりましたので、母乳をだすために、第一におはぎを挙げなくてもいいとは思います。

しかし、おはぎに代わる母乳の出の良くなる食品に何をすすめるのでしょう。

千葉県の習慣では、「三っ目のぼたもち」と称して、産後3日目に大きなおはぎをくばります。

私は、もう少し遅くに、乳管開通のできた1週間ころが良いと思っています。

脂肪の多い洋菓子よりも、ママにはおはぎに代表される和菓子をすすめます。

ママたちは、授乳疲れに甘いものが必要です。また授乳中では、3度の食事量ではふそくです。甘い缶ジュースとバター系の脂肪の多い菓子よりも、温かい飲み物と、和菓子が、母乳のためなのです。


世界のママ

2011-06-07 14:20:30 | インポート

海外にお住まいのママたちは、ネットで日本の情報を得ているようです。

その意味で、インターネットの情報網はスゴイ!と思うのです。先日は、ベルギー に

在住のママからメールありました。母乳マッサージについての問い合わせです。

ベルギーでも、イギリスやアメリカと同様に母乳のためのマッサージという発想は無く、ですから、母乳マッサージ師は存在しないわけです。

これは、その国の文化であり、母乳に対する基本的な考えの表れと思うのです。

赤ちゃんが生まれると母乳は出る。(過分と不足は経験的に理解しているのです。)

不足の時は、食事とストレスを考慮にいれていたようです。それは、私がオーストラリア、アメリカ、ドイツ、英国、シンガポールのママたちに母乳のためにインタビュウをしたときに知りました。

マッサージの概念は、東洋医学の歴史観から生まれたように思えました。按摩や脈鍼などで、体をさわった時に変化を来たした患部の観察から、生まれたように思うのです。

西洋医学の発想と歴史と違うようです。乳房を触って、手技で改善するという発想はなかったのであろうと考えています。

現在、ミルクが普及しています。ミルクの存在は母乳を出す乳房の自然のサイクルに、不都合をあたえます。そのことは西洋医学的な発想では解決しないように思うのです。