http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010033000061
2010年3月30日配信
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核先制不使用は「時期尚早」=防衛研が10年版戦略概観
防衛省のシンクタンクの防衛研究所は29日、日本周辺の安全保障環境を分析した2010年版「東アジア戦略概観」を公表した。それによると、核兵器保有国が先に核攻撃をしないと宣言する「核先制不使用」構想について、「今日の安保環境を顧みると時期尚早の感がある」と疑問を呈した。同構想は、岡田克也外相が民主党幹事長時代に提唱。外相就任後も、核軍縮・不拡散に積極的に取り組む考えを表明しているが、それに慎重な対応を促した形だ。
概観は、オバマ米大統領をはじめ、核軍縮への世界的な機運の高まりを評価しつつも、「核兵器をめぐる東アジア情勢は決して楽観的なものではない」と指摘。「生物・化学兵器使用の危険が残る今日、『先制不使用』政策を取ることができる安保環境の構築に焦点を当てるべきだ」として、核不拡散の徹底や生物・化学兵器の廃絶などへの優先的な取り組みを求めた。
北朝鮮の核・ミサイル開発に関しては、「もし6カ国協議などが再開されたとしても、北朝鮮の非核化への前途は多難だ」と強調。その上で「今後もミサイル発射や核実験を実施する可能性は高いと判断される」と分析した。
一方、中国については、「軍事力を着実に増強しており、東アジアの軍事バランスに無視できない影響を与えている」との懸念を表明した。
鳩山由紀夫首相がかつて主張していた「常時駐留なき安保」構想に関しては、「適切なタイミングで米軍の再展開を決定することは困難だ」などと否定的な見解を示した。(2010/03/30-06:00)
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