『成長戦略が欠けている』
『自民に言われたくない』
衆議院代表質問の中での、自由民主党総裁の谷垣氏と鳩山総理との遣り取りです。思わず嗤っちゃいました。自民党の歴代の経済戦略は構造改革でその欺瞞性と、弊害が解明されたにもかかわらず、反省は進んでいませんね。遡れば「税制改革」において累進税率の低減が行われた1980年代にまでその間違った政策の源流を辿ることが出来ます。
『株式日記と経済展望』の<財政赤字の累積問題は、高額所得者への累進課税と切っても切れない関係にあるのです。累進税で高額所得者の遊休資金を吸い上げろ!>
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/b85efab4604d95e7cd3280951a9ecfd9
で「累進課税の復活の必要性」を取り上げていました。
会社などの事業主への課税が緩くなり、設備投資意欲が減速し経済力は下降に向かいました 。勤労者などの一般国民には「消費税」導入で可処分所得が減り、消費経済は頭打ちとなったのです。以前のように、累進課税を復活させれば、設備投資と個人消費は伸びて経済力が回復します。増税になれば日本から出て行くという、反日・売国企業には出ていってもらいたいものです。このようなたいそうなクチがきけるのも、日本国の経済政策で保護されてきたお陰なのです。過保護な日本から離れて、世界の冷たい風に当たればよいのです。日本の本当の経済主体は中小企業であり、貿易主体の組み立て大企業ではありません。SONYを見れば判るように、国内に根はあってもアメリカ等の悪い空気を吸っただけで、企業は病気になります。物作りの原点を忘れて近視眼的な会計諸表ばかりを見ていては、会社は疲弊します。企業を育てて育むのは地域社会であり、そして近代からは国家の力がサポートしてきたのです。今回のアメリカ発の経済危機でも、その苦境を救ったのは国家政策「環境対策商品への補助金」でした。これはトヨタなどの貿易依存度を高めてきた買弁企業への謂わば「貸し」です。いずれはこのツケは返してもらいます。
近代経済では商品は分業で生産されます。単一規格の商品が大量に生産されるお陰で設計や精度管理の単一商品当たりコストが低減します。この浮いたコストを再投資に廻せば更に良い商品が生まれます。このような商品が数千種類にもなれば、それを生み出す企業の数は万をも超えるでしょう。そして是等の経済システムを管理するのが国家なのです。日本は2,000年を超える営みの中で国家の機能をたぶん世界一にまで高めた国なのでしょう。であるが故に欧米列強の侵略を維新ではね除けました。日清・日露では欧米に互する
軍事力を誇示しました。万をはるかに超える企業群を統制するにはそれなりの国家目標があります。大東亜までは軍事力の増大がその一つでした。
戦後は核兵器の威力の前に世界の軍事対立の空元気は凍り付きました。東西冷戦です。これがアメリカの謀り事により溶融してしまいました。一方の雄、ソ連の崩壊です。核兵器配備の競争が止めばアメリカの支配層の軍産利権も溶融を始めました。そこで計画された企(たくら)みが二つあります。
ひとつは、戦争経済の復活
もう一つが、金融植民地主義
前者の象徴的な出来事が9.11であり、後者のそれは「直接金融」です。後者戦略の日本への適用が「郵政民営化」です。
謀略テロを自演しての、他国への不当な侵略は「武力行使による膨大な予算の獲得」という戦局では成功しましたが、「国家の威信」を大きく傷付けました。NATOは実質的には欧州側から見れば機能を停止したかの様にも見えます。「直接金融」は言い換えれば「株式至上主義金融」です。一定の大企業はこれで成功しているかに見えますが、真実はFRBへの隷属です。新型インフル・ワクチン商売は派生商品でしょう。
博打経済が盛んになったのは、今まで累進課税で所得税や過大な事業所経費に廻していた剰余資金が、遊休金融資産などに変化したためです。湯田屋金融資本の獲物はこのたっぷり脂身を蓄えた個人事業主や無能な世襲経営者達だったのです。おもに日本の目も眩むような金融資産欲しさの陰謀が「構造改革」とりわけ「世界金融の構造改革」だったのです。かつては世界金融に於いて日本の銀行は上位数社以上を独占していました。今ではアメリカの銀行が『狐の木の葉・信用しなさいな』妖術で上位に割り込んでいます。しかし彼等は前年に引き起こされた100年に一度の金融危機でその化けの皮が剥がれてしまいました。
しかし日本の経済状況はリアルに見れば、【途方に暮れたまま】なのです。それに一条の光りを当てたのが、亀井郵政金融担当相でした。NHKをはじめとしたマスコミはアメリカの日本統治の広報工作機関ですから、亀井氏の真の改革には反対です。
そんなマスコミですが、
『成長戦略が欠けている』
『自民に言われたくない』
と、書かざるを得ません。
欧州などの経済が停滞しているのは、消費への過大な課税が原因です。公権力周辺の役人の予算は確保出来ているので、人頭税を基礎にした官僚国家とも呼べるものです。人頭税の上に胡座をかいている官僚群は経済の活力とは無関係にあるので、欧州の経済は活気がありません。
支那の経済が拡大を続けられていたのは、アメリカや日本の一般消費の品物を格段に安く生産できたが為で、やがて其の活力も日米の産業構造の破壊が進んで行き場を失いました。両国では消費の主役の勤労者の購買力をリストラで疲弊させました。リーマンの破綻はアメリカ消費経済の行き詰まりを基盤にして引き起こされました。
すべての不幸の始まりは、「構造改革」の不幸の手紙が舞い込んだお陰です。
絶望的な状況から「第一幸福丸」の乗組員の三名の方が生還されました。
転覆した漁船の船室の中で、船体に浮力をもたらしていた空気は、この方々の命も支えていたのです。
行き渡った金融資金は、近代経済にあっては、諸企業が生存するための「空気」の様なものです。湯田屋金融の荒海に漂う欧米やその影響下の企業群は、いつ犠牲になるかも分からない、羊の群れです。FRBの絶大なる影響下の金融市場に投げ出された企業群は、そんな海に放り込まれた、羊の群れです。生きるのもままならない。地に足は着いていません。そして何時かは喰われる。
『自民に言われたくない』と言った鳩山連合はこの状況を変えられるのでしょうか。
とりあえず、日本郵政は新しい陣容で出直しします。
☆m(._.)m☆ 以下は参照記事です。
過去の『記事』や『記事紹介』 を参照するのに便利です。
アクセスの記録 2009.10.28(水) 978 PV 252 IP 3872 位 / 1315917ブログ