うたのすけの日常 後期高齢者の日めくり その５２８

　　　　　　　　　　　　　　地面から湧き出たような人の群れ

　５０万人の人で東京銀座の中央通が埋め尽くされました。史上最多の３８個のメダルを獲得した、ロンドン五輪日本代表のメダリストによるパレードがおこなわれたのです。テレビの画面や新聞の写真で見たわけですが、５０万人の人波の迫力たるや半端ではありません。道路の両側、車道も利用しての観覧場所は立錐の余地もなく、メインの道路はおろか、横道まで人、人です。
　選手たちはオープンカー１２台、オープンバス５台に分乗して観衆の歓呼に満面の笑みで手を振り応えておりました。小生も過日の五輪競技で幾多の感動を頂いたわけで、歓迎にやぶさかではありませんが、この騒ぎ、いささか鼻白む気分になったこともじじつであります。生来のひねくれ根性がなせるものとはおもいますが、途中から歓迎騒ぎをよそにつまらぬことに考えたりしていました。
　あの人ごみの中でトイレに行きたくなったらどうするのだろうとか、一人一人があの地域への行き帰りに例えば１０００円使ったら５億円、１万円使ったら５０億円、計算に間違いないとは思いますが、経済効果ですね。しかし小生の真意はそんなことではありません。
　今になっては何人の選手がロンドンへ行ったか正確な数字は記憶していませんが、オープンカーに分乗して歓迎を受けた７１人の選手の蔭で、多くの選手が悔し涙を流したことでしょう。それが勝負の世界と言われればそれまでですが、互いに切磋琢磨して獲得したメダルとおもうのですが、いかがなものでしょうか。年寄りの冷や水と一蹴されてもけっこうですが、一言言いたいわけであります。