考えるための道具箱

Thinking tool box

◎赤塚不二夫、というより『GQ Japan』。

2008-08-03 00:53:07 | ◎書
訃報を聞いたので、家になんかあったっけかと思って探したけれど、おそ松くんが1冊と『天才バカボンのおやじ』しかなかった。アニメの『もーれつア太郎』で、親父さんが地獄に行く話は恐ろしかったなあとか、『まんが№1』は一度は読んでみたかったなあ、なんて考えていて、ふと思い出した。『GQ Japan』2000年9月号、特集:赤塚不二夫の脳みそ。養老のおやじ、金井美恵子、福田和也などの書き手をそろえたうえ、英語版『osomatsu-kun』に、呉智英による本人インタビュー。なんともCOOL!





この頃の『GQ Japan』は、偏りはあったもののかなり面白かった。「フェリーニの誘惑」「マイルスしか愛せない」「JAZZトランペッター不良論」「ボブ・マーリー」「007ジェームズ・ボンド」「ロックの殿堂」「音楽はドラムだ!」……特集はざっとこんな感じ。才知全開の白承坤と野口さんのアーディレクションもそうとうイケている。念のために言っておくと、いまの"意欲的に生きる男性のためのクオリティ・ライフスタイル誌"『GQ Japan』とは、出版社もパースペクティブもADもまったく別もの。なんで、こんなことになってしまうんだろうな。だいたい、クオリティ・ライフスタイルってなんなんだ。

日本版『月刊PLAYBOY』は、往年の『GQ Japan』の方向に近かったので、この路線でまい進すれば存続できたかも、と思うけれど、そんなおれですら1回も買っていないので、やっぱりダメだったんだろうな。偏っているのが雑誌というメディアの大きな強みだったのに、いまや偏っているということが重大な瑕疵になっている。ビジネスモデルの視点でいえば、「TVの終焉」とか「雑誌は終わった」なんてなんの自覚もなしに、鬼の首でもとったかのように言えるんだろうけれど、なんか悲しい。広告モデルという思想を抜いたあとに残るコンテンツはまだまだバリューのあるものも多いし、ネットではハンドリングの悪いものだってたくさんある、と思うんだけれどなあ。そうだ!なにも、衆知を活かすことができるのはネットだけじゃないんだよな。佐々木敦なんか始めている『エクス・ポ』なんかの同人誌なんかがちょっとしたヒントになるかもしれない。コンテンツの互酬。意外と面白いことになるかも。というか、なってるか。

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