たまたま、まとめる必要があった、若い人たちのための仕事の技術面、つまり企画仕事の生産性をあげるために役に立つ推薦図書。すでにtwitterつぶやいたものに加筆してまとめた。★はなかでも推奨。生産性、と言いつつも、冒頭からいきなりマインドセットですね。
[1]★『ドラッカー名著集2 現代の経営』
:ドラッカーは、たとえばダイジェスト版でも、図解でもいいから数冊は読む(もしも、は勘定にいれない)。ひとまず、『現代の経営』をあげてみたけれど、『創造する経営者』とか、最近編まれた『マネジメント』のアップデート版といわれている『経営の真髄 知識社会のマネジメント 上/下』( http://amzn.to/SVdKv1 )なんかのほうがキモがわかりやすいかもしれない。「強みに集中」、「企業の目的は外にある」、「業績は営業日に比例する」という核心を自家薬籠中のものに。最後のは言ってないな。
[2]★『マーケティング思考法 ―考えて行動するための実践的手引書』数江良一
:精読できていなけれど、すごい本である。すごい本というのは、地に足のついた本(教え)であるということである。たとえば「提供価値の概念化」とか「創り、伝え、届ける」「4P再考」といった章立て。SWOTや4Pはたんなる整理のために使うのではないということを明解に説きつつ、たとえわかったとしても、1回や2回試しただけでうまくいくものではない、でもちゃんとやろう、という教えが理路に基づき展開されている。
[3]『書き込み式 マーケティング戦略実行チェック99―理論を実行可能にするチェックポイント』 佐藤 義典
:差別化の基軸を「手軽軸」「商品軸」「密着軸」とシンプルに定義してみるフレームなど、いつもと違う、でも正しいフレームワークを提示したいときに使える実用書。2回ほど企画書に使いました。
[4]★『グロービスMBAマーケティング』
[5]★『グロービスMBAビジネスプラン』
:グロービスMBAシリーズは基本として目を通しておきたい。『経営戦略』とか『マネジメントブック』『クリティカル・シンキング』も。
[6]『論点思考』
[7]『仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法』 内田 和成
:スパーク…とかいう本もあったけど、それは読まなくていいか。ともかく「論点」と「仮説」について正しく言及している本は数冊読んだほうがいいかも。
[8]★★『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』 安宅和人
:言うまでもなく。「深い仮説をもつための2つめの定石は「新しい構造」で世の中を説明できないかと考えること」です。まず構造、つぎに構造、最後に構造。この本を教科書にして全編をなぞる輪読に近い(社内)研修をやりたい気分。後述する『問題解決プロフェッショナル』の後継がやっとでてきた。
[9]★『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』 バーバラ ミント
:面白くないけれど重要な本。新板はおもしろくなっているかもしれない。あと、「ワークブック」も刊行されているがこれはどうなんだろう。
[10]★★『新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術』
[11]★★『問題発見プロフェッショナル―「構想力と分析力」』
[12]★★『戦略シナリオ 思考と技術 』
:面白いし重要な本。フレームワークほか思考法の王道。以上の齋藤嘉則の3冊は絶対に5回ぐらい読むこと。同じようなことが書いてあるかもしれないが、同じようなことを何回も繰り返さないと身につかない。そして、実際に企画ないしは企画書につかってみて挫折する必要もある。たとえ慣れてきたとしても、ドキュメントまで巧くはまるのは10回に1回ぐらい。でもその1回の精度をあげるために、9回の失敗が必要です。ってちょうど同じようなことを山中教授も行っています。受注案件の場合は、失敗した9回もなんらかの形で着地させないといけないので、そのあたりの状況適応力とストレス耐性も身につきます。
[13]★★『戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ』三枝 匡
: 戦略というものがよくわかります。戦略というものを実行するにはどうすればよいかがよくわかります。
[14]★『リフレクティブ・マネジャー 一流はつねに内省する』 中原 淳,金井 壽宏
:金井先生、中原先生の本は見つけたら必ず買うぐらいの勢いで。経験学習につながる「内省」の重要性、二重ループ学習など、自分自身のキャリア戦略に使えるツールと考えれば、仕事人生の見通しがすっきりします。
[15]★★『 [改訂版]マーケティング戦略ハンドブック』松下 芳生
:B級っぽい造本になってしまっていますが、フレームワークの網羅性、端的な解説はA級です。手元においておくと相当に役立ちます。私自信、いまでもボロボロになるほど使っています。
[16]★★『知識デザイン企業』紺野 登
:紺野先生、もちろん野中郁次郎先生の本も必ず読む。『ナレッジマネジメント入門(日経文庫)』(紺)、『知識創造経営のプリンシプル?賢慮資本主義の実践論」(野、紺)、『ビジネスのためのデザイン思考』(紺)などなど。
『知識デザイン企業』については、以下の引用にこの本のすべてが集約されている。私にとってクレドのような本。
[17]★『経営戦略の論理 〈第4版〉―ダイナミック適合と不均衡ダイナミズム』 伊丹敬之
:そして伊丹先生の本も必ず買う。「場」関連のやつもね。
[18]『実践知 -- エキスパートの知性』金井壽宏,楠見孝
:これは何の役に立つかというと、営業パーソンとかその他、現場のノウハウと知を構造化していくときの方法論として。もしくは、自分自身の内省?概念化の仕方として。
[19]★★『反戦略的ビジネスのすすめ/ビジネスに「戦略」なんていらない』平川克美
:ここまで並べてきた戦略的思考を推奨する本を否定してしまうようなタイトルだけれど、否定しているのは好戦的な態度・拝金的な態度だけであり、けっして思考としての戦略ではない。戦略的思考と行動は大事であるが、使う方向を間違えないよう正常な精神を保つための本。仕事の基本がここにある。
[20]『マーケターの仕事術〔入門編〕』 末吉 孝生
:フレームワーク虎の巻。これにそって(戦略)企画作業を進めれば間違いない。
[21]『顧客理解の技術 変化を先取りし、価値を創造する』 池上 孝一, 鈴木 敏彰
:デモグラフィック虎の巻。世代別のターゲット分析のベーシック。
[22]『マーケティング・メトリクス』田村正紀
:成果分析を求められたとき、なにか指標をつくってみたいときの虎の巻。田村先生は、あと『機動営業力』ですね。
[23]★★『ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書』アレックス・オスターワルダー,イヴ・ピニュール
:だれでもビジネスモデルが作れそうな気分になってしまう。が、そんなことはおそらくなくて、ここで紹介されている「ビジネスモデル・キャンバス」をいかにアレンジできるか?にかかっているような気がする。といったようなことを「いまの仕事」にあてはめながら読めるかどうか。
[24]★『自分のアタマで考えよう』ちきりん
:じつはフレームワークを解説している本。自分のアタマだけで考えるのはじつは難しいので、弁証的な議論を他者としてのフレームワークに投げかけてみる、という感覚が大切。本書では「フレームワーク」なんて言葉はひとことも出てこないわけだけれど、それゆえにフレームワークは企画書のフォーマットではなくて思考のための補助線であるということがよくわかる。
[25]『経営組織―経営学入門シリーズ (日経文庫)』金井 壽宏
:今も売っているのかな?MBWA(マネジメント・バイ・ワンダリング・アラウンド)など重要な概念はこれで学んだ。だからいまもMBWAやっているよ。
[26]『実践ロジカル・ブランディング―曖昧な情緒論から硬質の経営論へ』菊池 隆
:「ブランドはイメージではなく、何より製品やサービスそのもの」という正しい異論(=本質)を唱えた珍しい論考。支援材料として使える。
[27]『図解でわかる技術マーケティング 』ニューチャーネットワークス
[28]『技術ブランド戦略』宮崎 洋、高井 紳二
:ここで語られているのは、言葉どおりの意味での企業の「技術」をどうブランディングしていくのか?についての実務的な枠組みだけれど、製造業の商品の多くが技術による差別化を目指しているということを考えれば、地道な企業・商品ブランディングの基本でもある。
[27]『マーケティング戦略 (有斐閣アルマ)』和田 充夫,三浦 俊彦,恩蔵直人
:このシリーズは有斐閣なのに面白いから全部読みたいくらい。たとえば、『消費者・コミュニケーション戦略―現代のマーケティング戦略〈4〉』とか。ま、ポストモダン・マーケティングなんてのは、ほとんど知的喜悦のためにしかすぎないけれど。
[28]『アカウントプランニング思考』小林保彦編著
:貸したまま帰ってこなくなっていたが、ようやく古書店で発見できた(たぶん絶版)。APの職務の最も正しい定義がここに書かれている。「インサイト」なんて持ってきたの、これが最初じゃないかな。広告・販促委託先関係者に限定的ではあるけれど、自身の立ち位置を確かめるために、密林の中古なんかを見つけて読んでおきたい。
[29]★『経営学習論』中原淳
:コルブの経験学習サイクル(具体的経験⇒内省的観察⇒抽象的概念化⇒能動的実験)などはこれで学ぶ。学術書以外の『ダイアローグ
対話する組織』、『知がめぐり、人がつながる場のデザイン―働く大人が学び続けるラーニングバーというしくみ 』、『インプロする組織』も。
[30]『「差別化するストーリー」の描き方』高橋宣行
:コンセプトを考えるときに欠かせない要素である「言葉化」を忘れていないところがすばらしい。これ読んで元気だせ。
[31]『顧客・株主・社員の利益を一致させる知的資本のマネジメント』高橋俊介
:この本はもう手に入らないかもしれないけれど、高橋の組織・人材系の本は何冊か抑えたい。たとえば『人が育つ会社をつくる[新版]』とか。
[32]★『学習する組織――システム思考で未来を創造する』 ピーター M センゲ
:なんてスピリチュアル、ってなことはいわない。構造が挙動に影響を与えるんだ。
[33]★『街場の文体論』内田樹
:言葉で伝えるということの本質。彼の本意ではないかもしれないが内田は仕事にかなり役立つ。一冊読むならこれ。か『最終講義-生き延びるための六講』ないしは『他者と死者―ラカンによるレヴィナス』……うん、一冊では無理です。
最後も、というか半分くらいマインドセットでしたね。すみません。今後も足していきます。
[1]★『ドラッカー名著集2 現代の経営』
:ドラッカーは、たとえばダイジェスト版でも、図解でもいいから数冊は読む(もしも、は勘定にいれない)。ひとまず、『現代の経営』をあげてみたけれど、『創造する経営者』とか、最近編まれた『マネジメント』のアップデート版といわれている『経営の真髄 知識社会のマネジメント 上/下』( http://amzn.to/SVdKv1 )なんかのほうがキモがわかりやすいかもしれない。「強みに集中」、「企業の目的は外にある」、「業績は営業日に比例する」という核心を自家薬籠中のものに。最後のは言ってないな。
[2]★『マーケティング思考法 ―考えて行動するための実践的手引書』数江良一
:精読できていなけれど、すごい本である。すごい本というのは、地に足のついた本(教え)であるということである。たとえば「提供価値の概念化」とか「創り、伝え、届ける」「4P再考」といった章立て。SWOTや4Pはたんなる整理のために使うのではないということを明解に説きつつ、たとえわかったとしても、1回や2回試しただけでうまくいくものではない、でもちゃんとやろう、という教えが理路に基づき展開されている。
[3]『書き込み式 マーケティング戦略実行チェック99―理論を実行可能にするチェックポイント』 佐藤 義典
:差別化の基軸を「手軽軸」「商品軸」「密着軸」とシンプルに定義してみるフレームなど、いつもと違う、でも正しいフレームワークを提示したいときに使える実用書。2回ほど企画書に使いました。
[4]★『グロービスMBAマーケティング』
[5]★『グロービスMBAビジネスプラン』
:グロービスMBAシリーズは基本として目を通しておきたい。『経営戦略』とか『マネジメントブック』『クリティカル・シンキング』も。
[6]『論点思考』
[7]『仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法』 内田 和成
:スパーク…とかいう本もあったけど、それは読まなくていいか。ともかく「論点」と「仮説」について正しく言及している本は数冊読んだほうがいいかも。
[8]★★『イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」』 安宅和人
:言うまでもなく。「深い仮説をもつための2つめの定石は「新しい構造」で世の中を説明できないかと考えること」です。まず構造、つぎに構造、最後に構造。この本を教科書にして全編をなぞる輪読に近い(社内)研修をやりたい気分。後述する『問題解決プロフェッショナル』の後継がやっとでてきた。
[9]★『考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則』 バーバラ ミント
:面白くないけれど重要な本。新板はおもしろくなっているかもしれない。あと、「ワークブック」も刊行されているがこれはどうなんだろう。
[10]★★『新版 問題解決プロフェッショナル―思考と技術』
[11]★★『問題発見プロフェッショナル―「構想力と分析力」』
[12]★★『戦略シナリオ 思考と技術 』
:面白いし重要な本。フレームワークほか思考法の王道。以上の齋藤嘉則の3冊は絶対に5回ぐらい読むこと。同じようなことが書いてあるかもしれないが、同じようなことを何回も繰り返さないと身につかない。そして、実際に企画ないしは企画書につかってみて挫折する必要もある。たとえ慣れてきたとしても、ドキュメントまで巧くはまるのは10回に1回ぐらい。でもその1回の精度をあげるために、9回の失敗が必要です。ってちょうど同じようなことを山中教授も行っています。受注案件の場合は、失敗した9回もなんらかの形で着地させないといけないので、そのあたりの状況適応力とストレス耐性も身につきます。
[13]★★『戦略プロフェッショナル―シェア逆転の企業変革ドラマ』三枝 匡
: 戦略というものがよくわかります。戦略というものを実行するにはどうすればよいかがよくわかります。
[14]★『リフレクティブ・マネジャー 一流はつねに内省する』 中原 淳,金井 壽宏
:金井先生、中原先生の本は見つけたら必ず買うぐらいの勢いで。経験学習につながる「内省」の重要性、二重ループ学習など、自分自身のキャリア戦略に使えるツールと考えれば、仕事人生の見通しがすっきりします。
[15]★★『 [改訂版]マーケティング戦略ハンドブック』松下 芳生
:B級っぽい造本になってしまっていますが、フレームワークの網羅性、端的な解説はA級です。手元においておくと相当に役立ちます。私自信、いまでもボロボロになるほど使っています。
[16]★★『知識デザイン企業』紺野 登
:紺野先生、もちろん野中郁次郎先生の本も必ず読む。『ナレッジマネジメント入門(日経文庫)』(紺)、『知識創造経営のプリンシプル?賢慮資本主義の実践論」(野、紺)、『ビジネスのためのデザイン思考』(紺)などなど。
『知識デザイン企業』については、以下の引用にこの本のすべてが集約されている。私にとってクレドのような本。
<……デザインは単なるのモノのカタチを作ることではない。デザインを介在させ、企業や組織が内包する知力を解放することが本質的な課題である。デザインには、その企業なり組織なりの根源的知力を増幅する力があると考える。すなわち、これから問題とするデザインとは、分析的な思考や能力ではなく、
①社会的な見通しを経営や技術に与え、カタチにする「媒介」の役割(meditation)
②ハードとソフト、サービスなどの異質な要素を統合する「結合」の役割(connection)
③長期的な戦略や経営、市場の姿を直観的に視覚化、形態化するの「形成」の役割(formation)
を同時に成立させる能力である。
デザインの目的は、「多様で含蓄のあるコンセプトや複雑な機能・要件を、最もシンプルな構造や体系で提供・表現すること」である。デザインはただアイデアや言葉を言うだけではない。その課程を通してデザインは、モノやサービス、情報などの人工物を媒介にして、
●複雑な問題解決に確かさを与え、
●人間のための本質的な社会的便益を具現化し、
●創造的な感性を満足させる。>
①社会的な見通しを経営や技術に与え、カタチにする「媒介」の役割(meditation)
②ハードとソフト、サービスなどの異質な要素を統合する「結合」の役割(connection)
③長期的な戦略や経営、市場の姿を直観的に視覚化、形態化するの「形成」の役割(formation)
を同時に成立させる能力である。
デザインの目的は、「多様で含蓄のあるコンセプトや複雑な機能・要件を、最もシンプルな構造や体系で提供・表現すること」である。デザインはただアイデアや言葉を言うだけではない。その課程を通してデザインは、モノやサービス、情報などの人工物を媒介にして、
●複雑な問題解決に確かさを与え、
●人間のための本質的な社会的便益を具現化し、
●創造的な感性を満足させる。>
[17]★『経営戦略の論理 〈第4版〉―ダイナミック適合と不均衡ダイナミズム』 伊丹敬之
:そして伊丹先生の本も必ず買う。「場」関連のやつもね。
[18]『実践知 -- エキスパートの知性』金井壽宏,楠見孝
:これは何の役に立つかというと、営業パーソンとかその他、現場のノウハウと知を構造化していくときの方法論として。もしくは、自分自身の内省?概念化の仕方として。
[19]★★『反戦略的ビジネスのすすめ/ビジネスに「戦略」なんていらない』平川克美
:ここまで並べてきた戦略的思考を推奨する本を否定してしまうようなタイトルだけれど、否定しているのは好戦的な態度・拝金的な態度だけであり、けっして思考としての戦略ではない。戦略的思考と行動は大事であるが、使う方向を間違えないよう正常な精神を保つための本。仕事の基本がここにある。
[20]『マーケターの仕事術〔入門編〕』 末吉 孝生
:フレームワーク虎の巻。これにそって(戦略)企画作業を進めれば間違いない。
[21]『顧客理解の技術 変化を先取りし、価値を創造する』 池上 孝一, 鈴木 敏彰
:デモグラフィック虎の巻。世代別のターゲット分析のベーシック。
[22]『マーケティング・メトリクス』田村正紀
:成果分析を求められたとき、なにか指標をつくってみたいときの虎の巻。田村先生は、あと『機動営業力』ですね。
[23]★★『ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書』アレックス・オスターワルダー,イヴ・ピニュール
:だれでもビジネスモデルが作れそうな気分になってしまう。が、そんなことはおそらくなくて、ここで紹介されている「ビジネスモデル・キャンバス」をいかにアレンジできるか?にかかっているような気がする。といったようなことを「いまの仕事」にあてはめながら読めるかどうか。
[24]★『自分のアタマで考えよう』ちきりん
:じつはフレームワークを解説している本。自分のアタマだけで考えるのはじつは難しいので、弁証的な議論を他者としてのフレームワークに投げかけてみる、という感覚が大切。本書では「フレームワーク」なんて言葉はひとことも出てこないわけだけれど、それゆえにフレームワークは企画書のフォーマットではなくて思考のための補助線であるということがよくわかる。
[25]『経営組織―経営学入門シリーズ (日経文庫)』金井 壽宏
:今も売っているのかな?MBWA(マネジメント・バイ・ワンダリング・アラウンド)など重要な概念はこれで学んだ。だからいまもMBWAやっているよ。
[26]『実践ロジカル・ブランディング―曖昧な情緒論から硬質の経営論へ』菊池 隆
:「ブランドはイメージではなく、何より製品やサービスそのもの」という正しい異論(=本質)を唱えた珍しい論考。支援材料として使える。
[27]『図解でわかる技術マーケティング 』ニューチャーネットワークス
[28]『技術ブランド戦略』宮崎 洋、高井 紳二
:ここで語られているのは、言葉どおりの意味での企業の「技術」をどうブランディングしていくのか?についての実務的な枠組みだけれど、製造業の商品の多くが技術による差別化を目指しているということを考えれば、地道な企業・商品ブランディングの基本でもある。
[27]『マーケティング戦略 (有斐閣アルマ)』和田 充夫,三浦 俊彦,恩蔵直人
:このシリーズは有斐閣なのに面白いから全部読みたいくらい。たとえば、『消費者・コミュニケーション戦略―現代のマーケティング戦略〈4〉』とか。ま、ポストモダン・マーケティングなんてのは、ほとんど知的喜悦のためにしかすぎないけれど。
[28]『アカウントプランニング思考』小林保彦編著
:貸したまま帰ってこなくなっていたが、ようやく古書店で発見できた(たぶん絶版)。APの職務の最も正しい定義がここに書かれている。「インサイト」なんて持ってきたの、これが最初じゃないかな。広告・販促委託先関係者に限定的ではあるけれど、自身の立ち位置を確かめるために、密林の中古なんかを見つけて読んでおきたい。
[29]★『経営学習論』中原淳
:コルブの経験学習サイクル(具体的経験⇒内省的観察⇒抽象的概念化⇒能動的実験)などはこれで学ぶ。学術書以外の『ダイアローグ
対話する組織』、『知がめぐり、人がつながる場のデザイン―働く大人が学び続けるラーニングバーというしくみ 』、『インプロする組織』も。
[30]『「差別化するストーリー」の描き方』高橋宣行
:コンセプトを考えるときに欠かせない要素である「言葉化」を忘れていないところがすばらしい。これ読んで元気だせ。
[31]『顧客・株主・社員の利益を一致させる知的資本のマネジメント』高橋俊介
:この本はもう手に入らないかもしれないけれど、高橋の組織・人材系の本は何冊か抑えたい。たとえば『人が育つ会社をつくる[新版]』とか。
[32]★『学習する組織――システム思考で未来を創造する』 ピーター M センゲ
:なんてスピリチュアル、ってなことはいわない。構造が挙動に影響を与えるんだ。
[33]★『街場の文体論』内田樹
:言葉で伝えるということの本質。彼の本意ではないかもしれないが内田は仕事にかなり役立つ。一冊読むならこれ。か『最終講義-生き延びるための六講』ないしは『他者と死者―ラカンによるレヴィナス』……うん、一冊では無理です。
最後も、というか半分くらいマインドセットでしたね。すみません。今後も足していきます。