考えるための道具箱

Thinking tool box

宣言する広告

2004-09-30 13:16:33 | ◎業
「そういえば」と気づく人も多いと思いますが、最近いわゆる「宣言型のテキスト広告」が増えている。内容は、広告というより、意見・ステイトメントに近いものが多いが、これがとてもわかりやすい。
ユニクロ、Yahoo、ヤマト運輸。いずれも、古き良き時代によくあったような、恥ずかしい詩の朗読型ではなく、「私たちはこう考える」「私たちはこう行動する」といった具体的な言葉を、真摯に語りかけてくるものだ。

ユニクロの低価格宣言広告については、かなり高いレスポンスを得ているようだし(※)、WEBでのフォローもしっかりできているため、場合によってはユニクロドットコムでの販売増に結びついたかもしれない。Yahooの戦う姿勢には、日本の未来を期待したかもしれないし、クロネコヤマトにいたっては、民・善×官・悪の構図だけでなく、ローソン・悪のイメージまで植えつけてしまったかもしれない。

すべての新聞広告は、商品広告も含めて、こうしてしまったほうがいいんじゃないですかね。結局、日産の外皮広告だって、新車の顔もスペックもほとんどわからない内容だから、会社については話題になるけど、車については話題のしようがない。

ただし、微妙な言葉の選択まで細部にわたって検討と検証を深めなければならないマーケティング・コミュニケーション戦略が必至である。これはかなり難しい。競合へのけん制、ターゲットの価値観へのインサイトなどをアバウトに先送りすることができなくなる。マーケティングライターも、ボキャブラリーのかなり高いハードルを要求されることになる。本来的には、これこそがマーケティング・コミュニケーションの醍醐味であるはずなんだけれど。

この宣言型広告の考え方は、面白そうなので、またあらためて考えてみます。

(※)「低価格やめます」宣言に反響、ユニクロ流サプライズ - asahi.com : 経済

ABCが再開しました。

2004-09-29 20:30:29 | ◎読
土砂降りのなか、水はけが相当悪い246を超えて、ABC本店に行ってまいりました。満員ってことはなく拍子抜けしたけれど、今日はアラーキのトークショーなどもあり、物々しい雰囲気。基本的な棚構成は、倒産前とほとんど変わっていなかったが、もちろんそれぞれのボリウムは格段に増していた。

早速、昨日かかげたリストをチェックしてみよう。
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 (1)バルトの『文学のユートピア』が平積み。
  →○。まあ、出たばかりだからね。
 (2)ちくま文芸文庫、平凡社ライブラリーがすべてそろっている。
  →△。すべては無理でしょう。倒産直前と変わらない感じだが
 平積みは充実。
 (3)ドン・デリーロは『マオⅡ』も並んでいる。
  →×。そもそも無理ですね。
 (4)ほぼ日手帳
  →×。そもそも無理ですね。発見できなかっただけかもしれない。
 (5)『ユリイカ』のバックナンバー、増刊含。
  →△。まとまってはいないが散見。
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 1勝2敗2分。
 
しかし。

しかし、それでも、ABCの復活は、すばらしい出来事といわざるをえない。

わたしにとってはまさに喜悦だ。過去の良好な状態に近づいた店内を歩くと、あの「目利き」が品揃えに再び許されはじめたと感じられホッとする棚台がたくさんあった。
もし、今日あの位置にあの高さで置かれていなければ、わたしは『ソラリス』を買わなかっただろう。その行為を最後まで迷わせた『サートリス』のポジションも最良だ。思想書のエンドには元気が戻ったし、コーナーすべてがわたしのような初級者のために開かれた。少し不安だったがNHK出版の『ヘーゲル』もちゃんとあった。

本を買うというのは、じつはかなりギャンブルだ。もちろん、最近はさまざまな形で情報が得られるため確度は高くなっているが、それゆえに情報が多すぎ判断できなくなることも多い。そんなとき、「ここですよ」と、いつもささやいてくれている棚があるのはとても助かる。「こんなのもいいんですけどねえ…」と控えめに、じつはものすごいことを教えてくれる棚なんてそうあるもんじゃない。これからも、わたしの行く道を照射しつづけてほしいと願うばかりだ。そのうえで、大阪の北のほうにも、もう1店お願いします。あ、もちろん、こんど夜中に、六本木にも行きます。

で、しょぼい祝儀ですいませんが…
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(1)『ソラリス』(スタニスワフ・レム/沼野充義訳 国書刊行会)
(2)『ヘーゲル 生きてゆく力としての弁証法』(栗原隆 NHK出版)
(★)『ABCで会いましょう』(青山ブックセンター)
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(★)青山真治、池澤夏樹、柴田元幸、蓮見重彦、アラーキの再開の祝辞を集めた記念品。しょぼい祝儀なのに、いいものもらってしまいました。

人は、変わることができる。

2004-09-29 15:36:24 | ◎業
強い意志をもって、3年くらいかければ、たとえ年嵩が高くても、自分自身の領域を脱構築できる。と思う。復活(リバイバルプラン)といってもいいかもしれない。いまの時代、変わらないことは罪ですから。少しづつでも変えていく努力をしたいもんです。

で、タイトルのテーマを深耕しなくて申し訳ないですが、極私的に、変わったも、変われなかったものなどを列挙してみました。全体像ではないので、今後もちょくちょくやってみます。
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変わったもの(復活したもの)
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①日経デザイン ②ユニクロ ③週刊ダイヤモンド
④東洋経済新報社 ⑤さまぁ~ず ⑥くりぃむしちゅー
⑦松下電器 ⑧宣伝会議新社 …
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①は創刊号から何年間は買っていたが、ネタも枯渇してたので、すぐに購読をやめて、しばらくはまったく関心をもたなかった。しかし、ここにきて(15年目くらい?)、ビジネス(マーケティング)とデザインの関係にフォーカスしたことが功を奏して、読み応えのある編集になっている。ポイントは、デザインを感性でとらえず、構造(論理)でとらえているところだと思う。企業の発信するデザインは、こうでなくっちゃ。
③④は、質のいいライバル争いで研鑽しあっているイメージが強くなってきた。書籍については東洋経済に軍配、両者の顔である週刊誌についてはリニューアル以降、特集の濃さでダイヤモンドか(最近少しマンネリ?)。
⑤は私にタレント本買わせるくらいだから相当なもの(だじゃれ&俳句)。
⑧も、ずいぶん変わりましたね。いまそこにある危機に対し、リセットボタンがうまく押せた、というイメージ。とくに『編集会議』なんて秀逸。

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変わることが待たれるもの(復活が待たれるもの)
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①TITLE ②東急ハンズ江坂店 
③全日本女子/男子バレー ④聞茶…
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①『マルコポーロ』といいこの『TITLE』といい、文芸春秋の男性誌はリニューアルのたびにターゲット層を変え、そのためにセグメントが広がり、他の男性誌と差別化できなくなってしまうケースが多い。両誌とも2回目のリニューアルではディープになるが、3回目で万人受けする雑誌に変わり、つまらなくなっている。ディープ好きの私の偏見だと思うけれど。
②たとえば、渋谷のハンズと比べると、1階の一部以外は、ワクワク感のまったくない、ただのホームセンターになってしまっている。この違いはなんだろう。
③たまたま、TBSの番組--「アテネにかけた夢~ニッポンバレーの夏~Road to 2006 VOLLEY BALL WORLD CHAMPIONSHIP」を見たからですね。佐野や宝来を代表メンバーからはずした瞬間、大山に猫田の逸話でプレッシャーをかけた場面、杉山(マルコス)の気持ちいいアタックシーン連発など、とても面白かった。中国戦のマッチポイントで、アタックをとめられたときに相手のブロッカーの目が見えたことがトラウマになってしまった山本の話は情けなくて、いただけなかったですが。
男女とも次はどのような布陣でくるのか、楽しみです。
④愛飲・愛用していたものが、いきなりなくなってヘコむというのは、よくあるケース。たとえば、キリンの「ゴールデンビター」に「シャウト」に「アイスビール」、アサヒの「ワイルドビート」。シャンピア青山もそうですね。いまなくなったら困るのは、「ヘルシア緑茶」とサンクスの「豆パン」。

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変われなかったもの(復活できなかったもの)
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①キングコング ②ダイエー …
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①面白くなさずぎ。②店が荒れているのはいつになったら直るんだろうか。


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微妙なもの
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①日産自動車…
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①デザインに、驚きがなくなってきた


で、今日、ABCに立ち寄る予定ですが、はたしてどこにプロットされるのでしょうか。

トヨタのアイシス

2004-09-28 22:12:09 | ◎業
トヨタのミニバン「アイシス」です。

トヨタが新型ミニバン「アイシス」を発表 - asahi.com : 経済

いい感じ。

でも、ガイアの生まれ変わりらしい。(※)

でも、なんか、ホンダっぽい。

そういえばガイアも顔がよく思い出せないんだけれど、トヨタのデザイン・アイデンティティにはうなずけるところがあまりないのです。逆にホンダは最近グリルのエンブレムを大きくするなど、かなり自身ありげだし、マツダもエンブレムのよさがよく似合うデザインになってきた。トヨタはこんどの「アイシス」もエンブレムは「ist」のような「i」だし…(ひょっとして兄弟車?)。日産?デザインについてはあまりシフトしきっていない印象(というか完成度が高くない感じ。あ、アイシスは完成度高そうですよ)。もちろん、感覚的なことなので好みは人それぞれだけど、アイデンティティという成約のなかで、バリエーションつくるほうが賢そうな感じがするなあ。


(※)といったことを名言したり、マニュアル全公開したりしているサイトありますけどリンクしません。ググッてください。

プランニングの構え(2)指差して議論のできる企画書

2004-09-28 18:30:07 | ◎業
きわめてあたりまえのことだが、企画書は私見アイデアを披露し決済を迫るものではなく、①問題に対し中庸で客観的な判断材料の全体を与えることで、②課題を抽出し、③その課題を解決するためのコンセプトを策定したドキュメントである。さらに、要求に応じて、その④コンセプトと課題のギャップを埋めるためのストーリーを⑤具体的に検討するものである。もし、①②において、発注当事者が抱える課題以上のものが発見できなければ、この部分は不要になる。しかし、その場合でも、「あなたの考えている課題に相違ない」という追認証明は必要になる。いずれにしても、物事を高い蓋然性を感じさせながら説得していくには、①②は不可欠だ。逆に言うと、この材料がしっかり用意されていさえすれば、③は発注者とともに議論し考えていく、という構えでもよいかもしれない。

そういった意味では、初期段階での良い企画(書)の判断軸は、発注者と指差して議論できるような材料の全体像がそろっていること、という考えも成立する。

たとえば、マーケティングコミュニケーションのプランニングにあたって、①関連する市場(顧客)状況、他社状況、自社状況を洗い出し、SWOTなどで読み込み、②「市場・他社との差分」からおぼろげにみえる「訴求便益」をテキスト化しておく。そしてこれを起点とした④重要なコミュニケーション要素を構造化(=仮に優先順位化・テストーリー化、テキスト化)する。
しかしこれら前後をつなげ束ねる③コンセプト、つまり、「一言でいえばなんなのか」についてはあえてブランクにしておいて、議論のなかでメンバーが共有できる正答を策定していく。ポイントは、コンセプトを頂に振り分けられる前半の①②と後半の③の部分で、もうこれ以上情報はないといえるだけのファクトの航海地図を描けるかどうか。
もちろん、あらかじめ用意している正答へ導いていくファシリテーション能力が重要になるが、うまく行けば、総員の考える課題を棚おろしでき議論が進み、かつ総員が「私が考えた」と納得できる答えが導き出せる。
逆にいきなり③がでてくれば、受け取る側の感想は「正しいような気もするし、間違っている。よくわからない判断できない」ということになってしまうだろう。そういった納得できない状態で、具体的なマーケティングコミュニケーションの表現案の検討に入れば、きっと判断軸もブレブレになる。

いま、物事は複雑化してきており、コンセプトやコンセプト実現のためのアイデアをひとりの頭の中から生み出すのはそもそも困難になってきている。ひとりのアイデアで決済を迫れば、良い悪い以上の結論が出ず思考停止ししてしまう。またA案を通すためオプションのC案を考える、といった策士もそもそも本末転倒。その思考力はファクトの分析とベスト案をシャープにするために使ったほうがいい。

発注者と受注者が知識と知恵を惑いなく1点にフォーカスし、補完しあい、おたがいの知見のせめぎあい合いを止揚することで生まれる新しいアイデア。そのために、「指差して議論のできる企画書」は大切ではないでしょうか。

青山ブックセンター

2004-09-28 14:51:36 | ◎読
明日、青山ブックセンターが再開する(本店&六本木店)。どのような棚を発信するのかとても楽しみだ。まあでも、きっとかなり混雑しているんだろうなあ。

倒産を知ったときは、相当ヘコんでしまい、東京にいる意味は半減するなあ、とも感じたりした。とはいえ、じつはそれまでのABCを見ていると、棚の動きが悪かったり、妙にスカスカだったりしたし、なにより文芸誌や思想書において発売当日の欠本が目立ち、ABCの役目は終わったのか、とも感じていた(ビジネス関連書籍もかなりひどかった)。むかしは、上京したらなにがなんでも夜中でもABCに立ち寄るほどの希少性があったたのだが、この数年、ただ大きいだけではない書店がたくさん登場していたこともあり(ブックファースト渋谷・梅田)、まあ、八重洲で充分事足りていたことも事実だ。つまりは資金力が目利きを凌駕した、ということか。
とすれば、新しくなったとしても、ポジショニングが難しい。かなりマニアなフラグ、ダイナミックな動きのある特設棚が必要になるのだろう(こんなこと考えるんだったら『文学界10月号』買っときゃよかった)。

さて、新生ABCになにを期待しよう。以下はクリアしてほしい最低基準。
 (1)バルトの『文学のユートピア』が平積み。
 (2)ちくま文芸文庫、平凡社ライブラリーがすべてそろっている。
 (3)ドン・デリーロは『マオⅡ』も並んでいる。
 (4)ほぼ日手帳
 (5)『ユリイカ』のバックナンバー、増刊含。
少しハードル高いですかね。ブロックバスターになっていないことを祈ります。
行ったらまた報告します。

経営再建中の「青山ブックセンター」、営業再開へ - asahi.com : 文化芸能

『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』

2004-09-26 17:32:08 | ◎観
なにを今頃、と思われるかもしれないが、見逃してしまい、希求かなって、ようやく見る機会をえることができた。『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は1960年代に実在したティーン・エイジャーの詐欺師フランク・W・アバグネイルを主人公に、彼のFBI捜査官からの逃亡劇をストーリーに核に、その背景にある父母からの孤児的孤独を描く。といっても全体像は、きわめてシンプルかつ軽快な、ハリウッド映画である。
しかも、ディカプリオとトム・ハンクスとくる、この映画を希求していた理由は、言うまでもなく阿部和重のスピルバーグ解釈によるところが大きい。

「四つ子の物語」(※)と題されたその解釈によると、90年代以降のスピルバーグの作品は、発表された年次ごとに相互補完的関係性があるという。くわしくは(納得性・説得性の高い)原文にまかせるが、その関係性は、以下のような形の2×2=4作品の関係になる。
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93年:『ジュラシックパーク』-『シンドラーのリスト』
(父の資格、優生思想、隔離政策)
97年:『ロストワールド』-『アミスタッド』
(拉致問題)
★各年の前者同志は「正・続」の関係
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01年:『A.I』-『ジュラシックパークⅢ』
(親子〔母子〕の距離を視点を変えて)
02年:『マイノリティ・リポート』-『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』
(親子〔父子〕の距離を視点を変えて)
★親子の距離の伸縮
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つまり、スピルバーグの作品は、1作品ではなく、合わせ鏡的関係性のあるいくつかの作品を統合的に見ることで、重層的な解釈が成立し、彼自身の私的な物語を垣間見ることができる、ということだ。

私は、この手の構造化とか補完的構造、といった考え方についての関心が高く、かつ『マイノリティ・リポート』が面白かったこともあり、その対関係にある『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』を楽しみにしていた。結果論的な評価をもとに映画を見るのはきっとよくないのだろうが、同じ映画を何度も見ている時間的余裕がない私にとっては、ときにはこういった鑑賞法も必要になる。

といったことを念頭に置き見始めた『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』は、もちろんこの解釈(父子との距離の伸縮)のおかげで屈託なくストーリーを楽しめたが、それ以上に重要なのはディカプリオを見直せたことかもしれない。


※『文学界』2003年10月→『映画覚書vol.1』(阿部和重、文芸春秋)所収

後藤繁雄さんの書評。

2004-09-25 02:21:25 | ◎読
(1)『くろい読書の手帖』(後藤繁雄、アートビートパブリシャーズ)
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なんというか…まいった。びっくりしてしまった。
すばらしい視座の読解と、丹精で愛情のこもった文章。最近いろいろあって、読書のペースが落ちていた私を、再び思索の海へ奮い立たせ、同時にブログで駄文を垂れ流している日々を大いに戒めた。

後藤繁雄さんという人については、『僕たちは編集しながら生きている』(マーブルトロン)を斜め読みして、プロフィールなどまったく読まず、「生活をクリエイティブするための編集」といったような箴言だけに惑わされ、よくあるスーパーエディターといった程度の理解しかもてなかった。もっとフラットな立ち位置で接するべきだった。この価値観の凝縮性には困ったものだ。『Intercommunication』などでも執筆しているとのことなので、確実に、彼の文章に接しているはずなのに。

いや、バックグランドなんてどうでもいい。これらテキストにだけ真摯に向き合うべきだ。なぜ私は『彼自身によるロラン・バルト』を、彼のように慈愛できなかったのだろう。『アンダーワールド』をここまでていねいに読めなかったのだろう。『ガラテイア2.2』にある愛を表現するための言葉がもてなかったのだろう。そして村上春樹の構えを分解できなかったのだろう。
限られた枚数であるがゆえに、その本のすべてを語っているとは言いがたい。そればかりか、ときには知識と経験の深みへ脱線する。しかし、ここにあるのまぎれもなく、愛すべき本への書評である。

書物に対して、こういったレスポンスができるのはとても幸せなことだ。ゆっくり時間をかけ、都度立ち止まり思考をめぐらせる読み方ができれば、創造の手に神は降りるのだろうか。

あ、そうか。(おわび)

2004-09-24 21:01:16 | ◎業
「R25」。かいかぶってました。品川駅で入手した今週号はぶだんどおりの紙面でした。表4と中面一見開き。それも、サンタマルタのCF裏話。やっぱりモデルとしては、採算含めて、無理なんですかね。面白いと思うんだけど。ただ、効果的な企業カスタムマガジンを編集しようとすれば、その企業に相当深く入り込まなければならないので、狩猟型の会社では、きっとできないんでしょうね。
効果があることは事実なので、いつか、こういった情報誌のメリットについて、書いてみます。

あ、そうか。(2)R25

2004-09-24 17:14:35 | ◎業
これはやられた。リクルートが「ポータルマガジン」と称して無料発行してる雑誌「R25」(首都圏だけですかね)の、ビジネスモデル。よくわからなくてずっと考えていた。基本的には広告収入を糧にするフリーペーパーなのだが、現段階では「大幅な赤字で、広告面を多くするか、広告料金を高くするしかない」といったようなことを、担当者が語る記事もあったりして(月刊『BOSS』(経済界)のリクルート特集)、そりゃそうだ、と思っていたんだけど、今週号で、その答えが見えた。

答え=いち企業のカスタムマガジン。これは、『サイゾー』のインフォバーン社が業容のひとつとして発信しているものだが、「企業、組織、またはブランド・マネジメントの一環として、ワンテーマで制作されたメディア」で、つまりはひとつの企業からの発信情報だけに絞った雑誌(風)メディアをつくるものだ。たとえば、事業案内・会社案内・ハウスオーガンや、商品カタログの内容を補足する情報誌がイメージしやすい。生活者は、これをあたかも、ふつうの雑誌のように手に取り、親しみやすい記事のなかで、企業や商品を理解していく。カタログでは言及しえない情報なども掲載でき、非常に効果的である。

ただし、これを一般の雑誌流通に乗せるのは3種の問題などもあり難しい。一方、市販の雑誌の広告ジャックなんて、相当コストパフォーマンスが悪い(せいぜい、表紙連動広告とか、一部広告特集とか)。したがって、いわば「雑誌風カタログ」「雑誌風会社案内」を販売店の店頭で配布する、といった域にとどまるしかなかった。
「R25」はこのやっかいな部分を、すっ飛ばしてしまったのだ。

今週号の「R25」は、(すいません、中刷り広告しか見ていないのですが)ネスカフェ・サンタマルタのPR誌になっている。もし、ゼロから同様のPR誌をつくろうとすれば、相当なイニシャルコストがかかるし、配布プロモーションもたいへんだ。あらかじめ、これらのお膳立てがそろっていれば、けっして安くはないが、高くもないプロモーション&ブランディングが可能になるだろう。今号の「R25」が(これから渋谷あたりで入手してくるつもりだが)、たんなる広告紙面売りではなく、全編記事との連動がはかられているとすれば、企業側の、スタンドアローンの商品情報誌(雑誌風カタログ)をつくろう、という発想はけしとんでしまいそうだ。
もちろん毎号どこかの企業が、まるごと「R25」を買ってくれるというわけでもないし、25歳というセグメントの課題もあるが、媒体としてある程度認知されれば、別に週刊で発行しなくたっていいわけだし、たまには、「R30」だってよいわけだ。そして、なによりの脅威は、リクルートのことだから答えを出すまでやり続ける、という点かもしれない。

できるだけ多くの企業からたくさんの広告を集める(ポータルメディア)、という発想から、広告ジャック型(カスタマイズメディア)へ。ペイラインなどわからずに言っていますが、モデルとしてはありえますよね。

くるくるブライアン。

2004-09-23 23:55:08 | ◎聴
(1)くるくる節 Qururi Live Tour 2004 Documentary Film/くるり
(2)ROOM SERVICE/BryanAdams
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FairLife(水谷公生、浜田省吾、春嵐 +岡野昭仁-ポルノグラフィティ)のシングル『永遠のともだち/砂の祈り』を買って、ついでに浜田省吾の昔のアルバムのリマスター・リミックス("MY OLD 50'S GUITAR "が急に聞きたくなって)を買おうと思ってHMV渋谷に行ったんだけれども、いろいろ発見して、上記に予定変更。

(1)は、結構悩みましたが、デモ映像をみていて『グッドモーニング』の弦がなったときに、鳥肌がたったので買い物カゴに。くるり については、『アンテナ』を相当聞いているけど、本質的にはわかっていない。一般的なファンの評価とかもあまり気にしていない。でも去年入った、ドラムのクリストファー・マグワイアさんって人のドラムが、ジャクソン・ブラウンのバンドのラス・カンケルのような力強さがあって、まぎれもなくロックンロールしているところが良いと思っています。
(2)ブライアンは、前作『On a day like today』を、けっこう気に入ってたんだけど、最近は『18 til i die』なども、あまり売れなかったらしく、彼がショックを受けているという話を聞いていたので、売れたのかなあ、つぎはどうなるのかなあ、と思い続けて6年ぶり、だそうです。あいだにサントラも出していたけど結局聞かなかった。少し聞いてみると、愚直なロックンローラーにもどったかな、という感じですね。いいんじゃあないでしょうか、基本的に屈託のないシンプルなロック、好きだし。

あ、そうか。

2004-09-22 21:15:45 | ◎業
Good-bye MDって、Good-bye SONY のことだったんですね。それならわかる。MDなんか敵にする必要ないのに、なぜ、このようなメッセージを、さも重要そうに挿入するんだろう、と思っていたんだけれど。

Good-bye されてしまいましたね。SONYは、一般的には、「その大企業体質からわくわくするような製品を出せなくなってしまった」とか「自社規格へのこだわり」などからヘコんでしまった、といわれている。もちろん、このあたりのことは重要な要素であるが、もしこれにもうひとつ加えるとしたら、「わかりにくさ」「めんどうくささ」ということになるかもしれない。
わが家のAIWAのコンポには、netMDなる機能がついているが、ネットにつながっていないのに、なぜネットなの?○千曲保存できるCDプレイヤーって、CDに焼くの?MAGIQLIPでDLした曲をほかのPCに保存しなおすのってできるの?著作権対応メモリースティックのための、著作権対応メモリースティック用のドライバーって…なぜ、そんなの買わないといけないの?どうもわからない。稚拙な話ばかりで心苦しいが、これってSONY初心者の嘆きではないだろうか。情緒的便益(かっこうよさ)が機能的便益(使いやすさ)に負けてしまう珍しい瞬間だ。

さすがに、新しいPSは魅力的だけどね。壊れなければ。

プランニングの構え(1)

2004-09-22 11:52:35 | ◎業
ビジネス・プランニング(※)のスキルのひとつは、フレーミング--フレームワークをどれだけ知悉しているか--だと考えるが、このスキルは実際の問題に直面したときに、フレームをいろいろあてはめてみて、オリジナルにアレンジすることを繰り返すことで初めて身につくものだ。たとえば、ポーターの5つの競争要因分析(5つの力)は、一般的には新製品導入などのビジネス環境の分析に使えるものだが、これを「コミュニケーション戦略」の検討に置き換えることだってできる(「売り手の交渉力」を何に変えるか?がポイント)。
そういった意味では、以下の書籍を読んでも、すぐにフレームワークが使いこなせるわけではないのだが、一方で、フレームワークを短期間で、習得するためには、これらの書籍を精読しておかなければ難しい、ともいえる。
もうひとこと添えるなら、以下の7冊だけを理解すれば、それだけでケイパビリティは相当広がる。これは、すべてのビジネスプランニングの原点は、極論すれば、「3C」、「SWOT」、「バリューチェーン」「(+ロジックツリー)」であり、ここを確実に、しかもMECEで行えるようになることが肝要ということである。
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(1)『問題解決プロフェッショナル 思考と技術』(齋藤嘉則、ダイヤモンド社)
(2)『問題発見プロフェッショナル 構想力と分析力』(齋藤嘉則、ダイヤモンド社)
(3)『戦略シナリオ 思考と技術』(齋藤嘉則、東洋経済新報社)
(4)『MBA マーケティング』(グロービス、ダイヤモンド社)
(5)『MBA マネジメントブック』(グロービス、ダイヤモンド社)
(6)『マーケティング戦略ハンドブック』(松下芳生・TeamMaRIVE、PHP研究所)
(7)『ストラテジーハンドブック』(松下芳生、PHP研究所)
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もちろん、このほかにも読むべき(本質的な)書籍はたくさんあるが、それらを読むためにも、上記において基礎体力(読解力、フレーム発想、ロジカルシンキング)をつけることは大切だ。ちなみに(1)~(3)はある意味、同じことを繰り返しているだけなのだが、角度を変えて、読みつくすことで理解効率は良くなる。(6)は、つねに携帯して、パラパラと眺め、ほぼ1テーマ1ページで掲載されているフレームに、恒常的に考えている課題を当てはめてみる、というトレーニング方法が面白い。いずれも、すぐに役立つ実務レベルでの書籍である。超有名なものを除いた(6)(7)のみリンクしておきます。


※ビジネスプランニングは、いまやほぼマーケティング戦略プランニングと同義ですね。
もちろん、ここでは、経営・組織・財務から営業戦略、マーケティングコミュニケーション戦略のプランニングまで含みます。

ニート(Neet)

2004-09-21 19:15:38 | ◎業
が、なんの略か、覚書。
Neet= Not in Education,Employment or Training
2003年で52万人、前年より4万人増。テンプスタッフやパソナなどの人材派遣会社では、地方自治体との連携で、彼に対するカウンセリングなどを新たらな商機と考えているようだ。(日経流通 040921)

心斎橋に「ユニクロプラス」

2004-09-21 19:14:47 | ◎業
ユニクロプラス。10月9日にオープン。長堀と戎橋のちょうど中間くらいのところ。「ユニクロ」より質の高い商品をそろえる2100㎡の大型店(通常の2~3倍)。多様な客層のため商売の難しい心斎橋は、多店舗に向けての試金石になるらしい。心斎橋~なんばは、「なんばパークス」より、北の住民でも訪れる意味がでてきた。「sho-chuAUTHORITY(※)」や「ニューズDELI」(+「天地書房」)とかね。道頓堀に「ドンキ」もできるらしい。

※東京駅や、汐留の焼酎オーソリティにも行きたいところ。焼酎とえば、六本木ヒルズ、グランドハイアットの「旬房」というお店で、激烈においしい一杯を飲んだのだけど、銘柄が思い出せない。残念。

新型店「ユニクロプラス」展開へ 売り場面積2~3倍に (朝日新聞) - goo ニュース