記録●『歴史と哲学の対話』(西研、竹田青嗣、本郷和人/講談社)。なんと地味な装丁、というのはひとます措いておいて、これはかなり当たりかもしれない。歴史学者の本郷が、「上から・外から」の歴史叙述ではなく「中から、内から」の視点で歴史を見るためにおこなった哲学者との対話。⇒
⇒中世、たとえば鎌倉あたりの話が中心になっていて、平清盛の流れで読めるし、「史実・史像」という視点を現象学とかけわせてみたり、いままでにない視点。数年前から「歴史」に肯定的になっていることもあり興味深く読めそう。な気がする。
記録●『現代思想 2月号 ニーチェはこう言った』。かたや買ったはいいが、死蔵されてしまいそうなのはこちら。郡司ペギオ幸夫の論考に、どうあがいても理解できそうもない、それどころかデザイン的にキモい図解がたくさん書かれている。難しいことは、やはり難しくしか書けないんですよ。
大澤真幸は15歳の夏休み明けに『ツァラトゥストラ』を読んで衝撃を受けたとのこと。そのときの秋の夜長の自分の部屋の様子まで、ありありと思い出すことができるらしい。むろん、おれにだってそんな思い出はある。思い出したくもないけれど。