考えるための道具箱

Thinking tool box

◎自分がやりたいこと。まず、それが仮説だ。

2008-08-02 15:47:53 | ◎業
もちろん、最終的にそれが実現できるか、どうかはわからない。むしろ、実現しないことのほうが多いと思う。しかし、それをとりあえずの端緒としないとなにも始まらない。

得意先から与えられた、プロモーションなりコミュニケーション・プランの課題解決に対して、まずはつきつめて考えなくていい。とにかく、自分が(ふだんから)やりたいと思っていることを、今回の企画で実現するとすれば、そのやりたいことをどんなふうにアレンジすれば成立するのかを考えてみる。

雑誌風のカタログが実現したいのならどんなタイトル・編集方針にすればよいのか。あのホテルから送られてきたような豪華DMを実現するにはどんな体裁・デザインにすればよいのか。ネットで発見した面白いブログパーツを与えられた商品で実現するにはクリックでどんなアクションを起こせばいいのか。

そのうえで、発想を巻き戻してみる。ひとつは、ほんとうにそれらのアイデアを実行することに必然性はあるのか?という検証。

もし、すでにある程度、顧客と企業と競合についてのファクト・ファインディングがなされているのなら、自分のアイデアとそのファクトの間が結びつくのかつかないか?つまり2つの事柄に「関係性」の筋が立つのかを考えてみる。AだからBが必要。BをコミュニケーションするにはCのような要素が必要。Cを具体的な形にすれば「やりたい」アイデアになるはず?……いやいやAだから必要なのはDなんだ。Dは、こっちのEと結びつけるとFとしてまとまるよな、そうするとFをコミュニケーションするためには……などなど。考えつくしたところで、巧くつながる場合もある。

しかし、たいていはつながらない。そこで、最初に思った「やりたいこと」にアレンジを加えてみる。ブランドネームは刷新してしまうべきだ、と思っていたけれど、残してサブネームでカバーしたほうがいいなあ、とか、雑誌風というよりは参考書風のカタログだなあとか。そして「変更やりたいアイデア」でもう一度、必然性を検証してみる。この繰り返しでなんとか捻出でたきたものこそが、真のアイデアだ。

巻き戻しのもうひとつは、そのアイデアを認めてもらうためには、どんなファクトが必要なのか?どうすれば説得力が増すのか?といったことを顧みて、そこでほしい情報・データを集めてみるということだ。

たとえばDMを実行したいと思ったら、集めるべき情報はたくさんある。まず、DMのサンプル。あのホテルのようなDMをやりたいとは思ったけれど、その他の高級商材のDMはどんな事情になっているのだろう?といった視点。DM、DMって言うけれど、最近の返信率はどんなもんだろう?競合他社はDMを使っているのだろうか?最近、得意先企業のブランチではDMは使われなくなったと聞いたけれど、明確な理由はあるのだろうか。WEBとかメールマガジンに移行しているからなのだろうか。でも、おれ自身メールマガジンなんてたくさん受信しているけれどほとんど読んでないしなあ。あ、でも、ソニーからのメルマガは読んでるな、なぜだろう。でも、ターゲットを考えたらやっぱりDMだなあ、ほら通販生活とかもあるし……ターゲットの消費行動のベースとなるデータなんてなかったかなあ……などなど、ちょっとした疑問と不明を連鎖させていろいろと必要なものを考えてみる。

その結果、もし、確固としたファクトが見つからないとすれば、残念ながら、今回のアイデアは間違っていたということになる。そこで、発想転換。この過程で集めようとしたファクトから、あらためて必要と思われるアイデアを考えてみる。ファクトが集まっているので、少しは考えやすくなっているかもしれない。

この思考プロセスのポイントは、「関係あるのか、ないのか」を始終考え続けるということだ。前提としてもつべき「やりたいアイデア」だって漫然と過ごしていたら蓄積されない。どこかでみたものが、自分の担当商品サービスで使えないか、という関係性のアンテナをつねに全開にしておく必要がある。アイデアを収斂させていくにいたっては、とりあえず入口と出口をフィックスさせておいて、いまはまだブラックボックスになっている2つの間の関係の糸をつなぎほぐすことが大切になる。出口しか決まっていないなら、なんか関係ありそうなものを、与件資料やグーグルから連想させる、ということになる。

まず、2つのテーマを頭の中にたてる。そして、その2つがなんとか関係づけられないか、と考えてみる。最初は多少、無理目でもかまわない。何度、関係推定を繰り返していると、無理目かどうかは、人に指摘されるまでもなくだんだんわかってくる。飛躍しているといわれたら、距離をもう少し細分化してみて、まずは近接する2つの事柄の関係だけを盤石にし、それをくりかえし積み重ねていけばいい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿