夢発電所

21世紀の新型燃料では、夢や想像力、開発・企画力、抱腹絶倒力、人間関係力などは新たなエネルギー資源として無尽蔵です。

雨の茶臼山公園を歩く

2010-05-27 16:52:30 | 私と福祉とであいの旅

 朝から霧雨が降り肌寒い朝で、我が家のストーブは5月も後半という時期に動いている。娘たちが土日にはケアホームから帰宅し、きょう月曜日の夜にはまた戻っていく。
 宋さんは久しぶりに再会した娘たちに優しく朝の挨拶をし、そして優しい眼差しで話しかける。「私の友達・・・・」
 
 娘たちをあうんに送り届けて、早速三人で大鰐町の茶臼山公園のツツジを見に行くことにした。あうんから大鰐までは車で約30分。弘前に来たばかりのころの大鰐温泉はまだまだ活気にあふれ、古い温泉街の歴史とスキー場にくるお客で活気にあふれていた。しかし今この町にはシャッターがあちこち下り、財政再建団体という深みに落ち込んでいる。
 昔の大鰐温泉に入る道筋を通ってみたが、本当に道も狭く高齢者が行き交う町になっている。
 茶臼山の公園内に入るとつつじが今や盛りと咲き誇っているが、ツツジ祭りの会期が過ぎたのか後始末に追われる業者の姿があった。人間というものは不自由なものだと思う。
 昔あった風流とかはどこかに消え、会期を決めないと花々を楽しめなくなっているのだ。花より団子の構図がそこにはある。つつじは桜にはないきらめきがあった。様々な種類のツツジがその輝きを競うかのように、公園内の全体に咲き誇っていた。俳句の句碑がところどころに建ち、故増田手古奈氏がこの町には居たことを思い出している。
 大鰐温泉スキー場は毎年オープンする都度大きい赤字を生み出す場となっている。
 私は大鰐町再生にはまず、高齢者や障害者対策をしないと再生は難しいと思う。それに加えて地元の人ほど見えなくなっている大鰐ならではの魅力の提示が必要なのではないか。
 大鰐温泉駅という駅名はあっても、温泉がさびれかえっている。駅に降りても高齢者の足の不自由な人たちは、たちまち駅のホームで凍り付いてしまうような階段が待ち受けている。
 大鰐の町には黒石のつゆヤキソバよりも美味い「温泉もやし」を初め、焼き干しラーメンでその名を馳せる「日景食堂」「山崎食堂」があり、大円寺そばには美味いせんべいもある。そしてこの茶臼山のツツジはもっと誇っていい公園のような気がする。ただし、ツツジだけではなく、紫陽花を初め四季を彩る切れ間のない植物を楽しめるように整備が必要でもある。だいいちこの公園内には車椅子の人が楽しめるような空間が少ないのだ。スキー場の赤字のゴンドラをこちらに回したほうが、数倍多くの高齢者や障害者が四季折々来場できるのではないだろうか。 


宋さん滞在日記・5月23日

2010-05-27 06:54:35 | 私と福祉とであいの旅
 韓国ソウル市で、「ボンドン保護作業場」という障がい者福祉施設(通所)院長の宋さんとの3泊4日の短くても内容の濃い、愉快なホームスティを書きます。
 言葉は十分通じなくても、その不自由さを超える思い出ができました。
 宋さんが初めて弘前にやって来たのは、12年前のことでした。それからのお付き合いになりますので、もう友人と呼ぶほかは、遠くの親戚という関係にも感じます。宋さんは私よりも4歳下ですが、年齢差もあまり感じない共通の価値観がとても大切だと思います。
 今回は韓国の福祉関係者のツアーで、35名の方々が東北秋田県の福祉・教育・医療関係機関団体を視察するのが目的だったようです。宋さんはその視察が終えると、特急かもしかに乗って一人弘前までやってきました。
 
 今回の宋さんの訪問では弘前大学の留学生「ゴーンさん」と「サンアさん」の二人の女生が通訳をしてくれました。最初の宋さんの来日では、太田市(テジョン)の留学生、そして次が朴さん、ミンジさん、ヘジンさんと続き5組目のチェーンネットワークが続いています。
 来週の火曜日からまた、この二人の留学生があうんを訪れてメンバーとの交流や施設のお仕事をお手伝いしてくれます。夜には「ハングル教室」も開催です。私たちのハングル教室は、韓国料理を一緒に習いながら言葉を覚えますからとても楽しいのです。

 さて、宋さんは23日(日曜日)に、弘前駅の改札口に現れました。その格好がとても愉快でした。というのもお土産の大きな箱と着替えなどの入ったバッグを両手に、商売でもしにやって来たかのような姿だったからです。思わず笑ってしまいました。でもこの大きな箱をどうやって電車に乗せてきたのか、考えると大変だったことが伺えます。
 ゴーンさんとサンアさんが一緒に居てくれて、気持ちも落ち着いて出迎えることができました。
 早速その足で宋さんを、娘達の入居したケアホームに案内して見てもらいました。それから私たちの畑に案内をしました。宋さんが来るたびに、私たちの活動範囲が広がっていることを、宋さんは実感してくれたようでした。帰宅後、家内や娘たちと喜びの再会をして、少し遅い昼食をいただきました。昼食は冷たいソーメンとざる傍です。初めて食べたようです。
 この日は夕食を食べる前に通訳の学生と一緒に「あたご温泉」というところへ出かけました。町内のこの温泉はゆったりとした空間で、大浴場が二つあります。一つは少し熱めのお風呂で、もう一つは水です。ぼくも宋さんも30分くらいで上がりましたが、なんとこの二人の留学生は1時間30分もこのお風呂に入って出てきませんでした。理由を聞いたら、この二つのお風呂を交互に入って楽しんでいたようです。ぼくと宋さんは、すっかり待ちくたびれて汗が引っ込んでしまいました。
 韓国にはこうした温泉はそんなに多くないということでした。
 帰宅後はみんなで楽しい夕食と、再会のつもり積もったお話をしました。
 留学生を送るためにまた宋さんも一緒に出かけました。夜も遅く学生たちの宿舎に向かう途中のラーメン屋さんに立ち寄り、なんとまた話が盛り上がってラーメンを食べてこの日が終わりました。再会初日は少し食べ過ぎ飲みすぎ状態で、布団の中に入りいびきの合唱になりました。