あび卯月☆ぶろぐ

あび卯月のブログです。政治ネタ多し。
お気軽にコメントなさってください☆

第46回衆議院議員選挙雑感

2012-12-19 21:50:31 | 政治・経済
平成24年12月14日。
この日、衆院第一委員室で党首討論が行われていた。

「一日も早く国民に信を問い、新しい政権が経済、外交を立て直していくべきだ」と解散を迫る安倍自民党総裁。
論戦が続く中、自民党議員の野次に対し、「聞いてください」と制止し、野田首相は云った。

「・・・定数削減は来年の通常国会でやり遂げる。この御判断をいただけるならば、私は今週末の16日に解散をしてもいいと思っています」

場内は一瞬静まり返り、すぐに「うおー」と声が響いた。
樽床総務大臣は驚いた顔で野田首相を見据えた。

メディアは、このとき安倍総裁は「狼狽した」と伝えるところもあったが、実際の映像や写真をみるととてもそういう風には見えない。
終了後も明らかにニヤケけた顔をしている。

狼狽えていたのは明らかに民主党議員の方だった。
田中文科相が云ったようにこのタイミングでの解散は民主党にとって「自爆テロ」以外のなにものでもなかったからだ。

この時の両党の議員の表情がそのまま選挙後の彼らの表情になる。

×××××××

果たして、選挙の結果は自民党の圧勝だった。
いや、各メディアが云うように自民党の圧勝というより、民主党の惨敗だった。
選挙翌日の新聞紙上には「潰滅的惨敗」の文字が躍った。

民主党は公示前の230議席から57議席へ四分の一程度に議席を減らし、
自民党は118議席から294議席へと二倍以上議席を増やした。

しかし、この結果は喜劇のようにもみえる。
前回の衆院選の結果をそのまま裏返しただけ。
違うのは党名と聞き慣れない政党がやたら票を伸ばしていることか。

前回の衆院選後にも云ったが、小選挙区制ではどうしてもこのような結果をまねきがちになる。
風が吹けばボロ勝ちする党とボロ負けする党が出る。
死に票が多く、民意が正確に反映されず、風が吹けば、特定の政党が圧勝する。
これを毎回繰り返す気か。
衆院選のたびに政権を交代させる気か。

もういいかげんにこの馬鹿げた選挙制度を廃止にするべきだ。
中選挙区制の復活をここに改めて明言したい。

×××××××

なんと、朝日新聞も小選挙区の弊について難じていた。
天声人語子曰く「小選挙区の破壊力、いまさらながら恐ろしい」、「小選挙区制がうっぷん晴らしの装置になっているようでもあり悩ましい」(24年12月17日付)と。

だがちょっと待って欲しい。(天声人語口調)
朝日は前回の衆院選挙でも同じことを云ったか?
自民が圧勝した途端、小選挙区の弊を難じるのはやめてほしい。

多くの新聞は前回の選挙ではまるで我がことのように民主党の圧勝に酔いしれ、小躍りしているかのような記事を書き殴っていたが、今回はどうだ。
自民党への恨み節と呪詛の言葉を投げつけている。(註)
ならば今後、新聞は支持政党を明言したうえで記事を書け。

×××××××

民主党の細野豪志が「民主党がどういう政党なのか、何をやりたかったのか、きちんと国民にお示しできなかった(ことが敗因)」というような話をしていた。
いや、それは逆で、国民が民主党がどういう政党で何をやりたいか理解したから今回の結果があるのではないか。

各局に出演しているコメンテーターやタレントは口をそろえて「今回の結果は予想外。ここまで民主が負けるとは・・・」とかなんとか云っている。
私としては全く予想どおりの結果。(私だけでなく多くの国民も予想していたことだろう)
タレントは別として、今回の結果が予測できなかった政治評論家はとっとと廃業するべきだろう。

×××××××

実はいまから四年後のことを考えて戦々兢々としている。
気持ちがうつろいやすい日本国民のこと。
いまの自公体制が四年後以降も続くとは思えない。
つまり、次の衆院選後は維新(第1党)、自民(第2党)、民主(第3党)、みんな(第4党)くらいになって、維新、民主、みんなの連立政権が誕生しないかという危惧だ。

そうなれば強力な新自由主義政権の誕生であり、それこそ、この前の民主党政権が可愛く思えるくらい最悪の政権になる。
私の危惧が杞憂となりますように!

×××××××

ところで、今回の選挙でもそうだが、私自身が政治的マイノリティであることを改めて実感した。
私の政治思想に一致する政党が存在しないからだ。
だから、比例をどの党に一票を投じるかいつも悩んでしまう。
もっとも、個人の政治思想と政党のそれがすべて一致するなんてあり得ないことだろうが、私の場合は一般人より深刻なように思われる。
白状しておくと私の政治・政策思想は、

反新自由主義、反グローバリゼーション、反TPP、反道州制、反行革、反消費増税、反米、反中共、尊皇・・・。

前半は共産党みたいだが、最後の尊皇で共産党とは決定的に違う。
『あび卯月日記』の方に書いたが、共産党が一言「天皇陛下萬歳」と云ってくれれば手をつなぐのに。
・・・と思ったが、共産党とは歴史問題や外国人参政権問題等でも考え方が異なる。
やはり、私にぴったりの政党なんぞ我が国には存在しないのである。

※なお、「共産党が一言~」の元ネタは三島由紀夫が東大全共闘に云った「君らが一言『天皇陛下万歳』と叫んでくれれば俺は喜んで君らと手をつなぐ」という言葉から。


*******

註:新聞各社の選挙後の反応については下記を参照のこと。

【朝日新聞】
小選挙区制がうっぷん晴らしの装置になっているようでもあり悩ましい。
ますますその場しのぎの国民受けに流れないか心配になる
http://www.asahi.com/paper/column.html

 戦前の反省をふまえた、戦後日本の歩みを転換する。そうした見方が近隣国に広がれば、国益は損なわれよう。
http://www.asahi.com/paper/editorial.html


【毎日新聞】
 とりわけ、安倍氏ら自民党が自衛隊を「国防軍」に改称する9条改憲や、尖閣諸島への公務員常駐の検討など保守色の強い路線に傾斜していることは気がかりだ。海外にも日本に偏狭なナショナリズムが広がることを警戒する声がある。冷静に外交を立て直さねば孤立化の道すら歩みかねない。
http://mainichi.jp/opinion/news/20121217k0000m070282000c2.html


【東京新聞】
有権者は白紙委任したわけではない。慢心にはしっぺ返しが待っている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2012121702000176.html


【中日新聞】
 安倍自民党は勝利におごらず、野党の主張に耳を傾けて丁寧な国会運営に努め、地に足のついた政権運営を心掛ける必要がある。
 集団的自衛権の行使容認など、党の主張は一時棚上げすべきではないか。政治を機能させるための忍耐は、恥ずべきことではない。

http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2012121702000155.html


【信濃毎日新聞】
今回、迷って1票を投じた有権者は自民に全権を委ねたわけではない。巨大与党の勇ましい決断は危うい。
http://www.shinmai.co.jp/news/20121217/KT121216ETI090002000.php

安倍総裁は自民党の公約が全面的に支持されたと受け止めるべきではない。
http://www.shinmai.co.jp/news/20121217/KT121216ETI090006000.php


【北海道新聞】
大勝した自民党の安倍晋三総裁は、そこをかみしめる必要があるだろう。改憲や外交・防衛政策での強硬姿勢は特に気になる。首相として失敗した過去もある。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/


【沖縄タイムス】
国全体に堪(こら)える力が乏しくなり、選挙がうっぷん晴らしの場になっているのではないかと危惧する
http://article.okinawatimes.co.jp/article/2012-12-17_42854


【高知新聞】
自民党が掲げた看板は「日本を、取り戻す」。経済や教育、外交、安心を取り戻すというが、それがなぜ「日本を」となるのだろう。
http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=296765&nwIW=1&nwVt=knd


【中央日報】(おまけ)
右翼の躍進は日本社会の右傾化の産物でもある。民主党政権発足に対する反作用でインターネットは「ネット右翼」と呼ばれる極右勢力に掌握された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121217-00000016-cnippou-kr

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。