あび卯月☆ぶろぐ

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アメリカはフェアーな国か

2009-05-23 22:46:04 | 政治・経済
最近になってお人好し日本人もやっと中国や韓国のいかがわしさに気づいてきた。
長い間、韓国はまだしも中国には多くの幻想を抱いてきた日本人が多かった。
それもほんの十年前までそうだった。
私が高校の時、中国ってやばい国ですよなんて云ったら周囲から右翼呼ばわりされたものだ。
いまや、マスコミが率先して中国のやばさを伝えている。

好むと好まないに関らず、他国の実情を知ることはいいことだ。
それが苦い事実でも受け入れなければ自国の外交政策(いや、内政までも)を論じることは出来ない。

ところが、アメリカに対してはまだまだ多くの日本人が幻想を抱いている。
別に映画とか音楽とか文化的な面でアメリカはいい国だと云う分はいい。
問題はその他のこと。

戦後の日本はあらゆる分野においてアメリカを見本にしてきた。
戦後の出発点ともいえる日本国憲法をアメリカが作り、文化、教育、経済といった分野もそのアメリカ製憲法に見合うようにアメリカンナイズしようとしてひた走ってきた六十年だったともいえる。
日本人は馬鹿正直にせっせとアメリカ式を取り入れた。

経済分野では80年代、中曽根内閣のあたりから日本式経営は古い、これからは市場原理主義だ、新自由主義だと云ってアメリカに追いつけ追い越せでやってきた。
それを急速に推し進めたのが例の小泉構造改革だ。

当然、抵抗もあった。
日本の財界人も馬鹿じゃないからアメリカ式がすべていいとは思っていない。
が、そんな日本の財界をアメリカの財界と政府は「もっと市場を開放しろ!」「護送船団方式をやめろ!」「市場原理主義を取り入れろ!」「日本の市場は閉鎖的だこれからの時代はグローバル化」と暗に陽に圧力を掛けていた。
そして、アメリカの犬のような経済評論家はアメリカと一緒になって日本人の尻を引っ叩いた。
実名を挙げると中谷巌、竹中平蔵、野口悠紀雄あたりだろうか。

中谷巌は構造改革の旗振り役をやっていたような人物で、改革の為には日本の社会風土からなにまですべて変えてしまえと文化大革命の紅衛兵のようなことを云っていた。
それで、世界恐慌が起こってアメリカ式の経済が駄目になったとわかるや否やさっさと転向して『資本主義はなぜ自壊したのか~「日本」再生への提言』という「懺悔の書」を著したが、こういう人は景気が快復してきたらまた構造改革派に戻るに決まっている。

竹中平蔵はかつて慶応大学教授として『経済ってそういうことだったのか会議』という佐藤雅彦との対談本をだしていて、高校の時分に読んだことがあるが、アメリカの代弁者のようなことばかり言う人だなと怪しんだものだ。
彼が小泉内閣に入閣したとき、一抹の不安をもったものだが、残念ながらその予想は的中してしまった。
彼が小泉内閣でやったことはほとんど国賊並のことだが、今だに反省の色が無いのはさすがといったところか。
バナナというあだ名は言いえて妙である。
(見た目は黄色(黄色人種)だが中味は白(白人)という意味)

野口悠紀雄は元・通産官僚の経済学者。
「バブル経済」という言葉はこの人が広めたものだ。
そんな日本を代表する経済学者の口ぶりといえば、会社は株主のものだ、日本のモノ作りはもう駄目だ、日本は技術立国としては無く金融立国としてしてやっていくべきだ等々・・・いま考えても(ら?)開いた口が塞がらないようなものばかり。
今度の恐慌に接しても「悪いのは日本」なんだというから呆れる。
こんな人物が日本を代表する経済学者なのだから、いかに日本の経済学者が出鱈目かが知れる。

こういう経済学者とよく似た口ぶりをする人物がいた。
ライブドアの元社長・堀江貴文だ。
彼も「会社は株主のもの」とか「日本は閉鎖的だ」とか好き勝手云って、それを否定する私のような者は考えが古いとか経済を理解していないとかさんざん悪口を云われた。
あの時、メディアも国民も堀江を褒めちぎっていた。
ホリエモンに賛同した手合はいまこの時代に同じことを云ってみろ。
私はしつこい人間だから当時堀江を称えていた人たちをずっと忘れない。

そんな恨みがあったから、サブプライム問題が起こった時、これで堀江を賞賛したり市場原理主義を称えていた奴らが痛い目をみるならいいことだと思った。
それから世界恐慌へと発展してゆく過程も不安よりも「いい気味だねえ」という思いが強かった。
リーマンブラザーズが潰れた時も妙に嬉しかった。(性格悪いね)

それで、今度の世界恐慌に接してアメリカがとっている対応といえば、かつて自分たちがあれだけ批判していた日本のやり方そのものだった。
空売りは規制するわ、時価会計は固定する、政策金利を引き下げ、窓口融資を拡大し、護送船団方式を導入し、挙げ句の果てに破綻寸前の証券会社(ベアー・スターンズ)を救済するために中央銀行(FRB)が大手銀行(JPモルガン)に資金を提供して買収させた。

日本に譬えるなら、日銀が三菱UFJに資金を提供し、野村證券を買収させるといったところか。
こんなこと日本でもやったことない。

アメリカはもはや日本の上をゆく社会主義国になった印象だが、結局のところ、自分たちが景気のいいときは他国に金融の自由化を押しつけ、自分たちの経済が破綻しそうになるとそれまでの原理原則を捨て、保護主義に走る。
日本人はよくアメリカを評して「ルールを守るフェアーな国だ」なんていうことがあるが、私なんかはそんな話を聞くと笑ってしまいそうになる。
アメリカにルールも原則もあったもんじゃない。
あるのは唯一、自国の利益だけでその為にはルールも原則もひっくり返るのだ。

だいたい、戦前にも排日移民法にはじまり東京裁判まで日本人はそういうアメリカの御都合主義を嫌という程見せ付けられてきたはずなのだが、日本人は今だにそういうアメリカの本質を見抜けないでいる。

ついでに、中川元財務大臣の件に触れておくが、中川大臣が泥酔会見をやったとき、各国のメディアが取り上げたがいちばん騒いだのがCNNをはじめとしたアメリカのメディアだった。
アメリカにも約十年前のダボス会議で泥酔して二階から落ち、会議を欠席したミッキー・カンターUSTR(米国通商代表部)代表がいた。
サミットではフランスのサルコジ大統領も泥酔したことがあるし、ロシヤのエリツィン大統領はいつも泥酔していた。
そういう白人仲間の不祥事は取り上げず、黄色人種の日本人だと嬉々として叩く。
こういう白人の人種意識を日本人はもっと知ったほうがいい。
だいたい、IMF(国際通貨基金)に一千億ドルの外資を提供を決定したのはどこの国のなんという財務大臣だったか。(いうまでもなく中川財務大臣だ)

日本のメディアはもっと悪い。
アメリカと同じ口ぶりで中川大臣を笑いものにし、貶し、辞任へと追いやり、日本はまともな経済政策理念を持った大臣を失った。
後任は財政再建派の與謝野馨。
日本のこれで景気対策は大丈夫なのだろうか。

今がアメリカとマスコミから離れるいい潮時だ。

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3 コメント

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ご無沙汰してます (amakara)
2009-05-24 23:55:49
 ごぶさたしておりますが、記事は読んでます。たいていは異論は特になく、好感をもって読んでいるのですが、この記事には強い違和感と悲しみをおぼえます。

 失礼ながらあび卯月さんは経済学をまったく知らないのでは? あびさんのような議論は保守系メディアによく見られますが、要するにこれは経済学を知らない人が経済学に対して示す嫌悪感で非常によくある反応なのですよ。財政出動して公共事業を増やせというお立場かとお見受けしますが、公共事業の乗数効果はいくつくらいだと思います?

 あびさんは近代史にはお詳しいようですが、経済学も食わず嫌いをせずに勉強してみるといいと思います。
返信する
ご参考 (amakara)
2009-05-25 00:00:40
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/84b43aeb17d4b74b195adde2cbf4fdf5

「ニューディールが大恐慌を長期化した」というあるブログのエントリーをご参考までに掲げておきます
返信する
こちらこそ御無沙汰しております。 (あび卯月)
2009-05-25 14:26:48
コメントありがとうございます。

経済に精通されておられるamakaraさんから「経済学をまったく知らないのでは?」と云われたら、ぐうの音も出ないのですが、一応、「経済学も食わず嫌いをせずに勉強して」いるところではあります。

御指摘のように私はこの恐慌に当たっては、財政出動をすべしという立場ですが、公共事業の乗数効果については懐疑的です。
特に日本のようにインフラが充実している国では効果が低いでしょうし、無駄な公共事業には反対です。
要は金の使い道だと思います。

白状しますが、私はケインジアン(もどき)なので中川氏を「はまともな経済政策理念を持った大臣」と書きましたが、異論があるのは承知しております。
また、私は歴史脳なので、経済学的にというより、過去の日本の歴史を振り返って考えています。
1929年の世界恐慌の時の高橋是清の政策についてはちょっと昔すぎるので置くとして、
80年代にアメリカでブラックマンデーが起きたとき、アメリカから貿易不均衡の是正と内需拡大を迫られ、日本は景気がいいのに積極財政をやった。
景気がいい時に金利を下げたものだからバブルが起きた。
90年代に入って、バブルがはじけてデフレになったのに今度は緊縮財政をやったから上向きつつあった景気が下降した。
いま「ケインズは死んだ」とも言われますが、日本はケインズ理論の逆のことを二回もやって失敗してきたのではないかと思うのです。
ならば、今度は積極財政をやるべきだろう・・・と、かなりマクロな見方ですが、このように考えています。
実際に、この恐慌に接し諸外国でも財政出動に動いていますし、日本も財政出動という方向性は間違いではないかと思っているのですが。

経済素人の考えですからお叱りは甘んじて受けます。
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