あび卯月☆ぶろぐ

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「昭和天皇の大喪の礼」の裏話

2006-09-21 17:27:55 | 歴史・人物
私が受講している「政治学特講」の講師の先生が元外務官僚の方であることは今までに何度も述べましたが、
今日、久々にその講義を受けてまた興味深い話をうかがいました。

今回は昭和天皇の大喪の礼について。

当時、先生は外務省の役人として大喪の礼を担当、補佐したのだそうです。
外務省ですから、世界各国から弔問に訪れた各国の要人を迎え入れる仕事を担当されたのですが、
その時、一番大変だったことは何だったでしょう。
勿論、各国から元首級の来賓を迎えるわけですから、それだけでも色々と大変そうですが、

一番大変だったこと・・・それは「トイレ」でした。

「なぁんだそんなことか、仮設トイレを沢山用意しなければならないから大変だったんだろうな」と思った方。
それは間違い。仮設のトイレを沢山用意することが大変だったのではありません。
では、何が大変だったのか。

実は元首級の方々には当然、王様も沢山いらっしゃいます。
で、その王様というのは体の大きな方が多い。
特にトンガの王様などは本当に体が大きい。
尾篭な話でありますが、そういう方は普通のトイレだと用を足せないのです。

そういう次第で、体の大きい方用のトイレを用意しなければならなかったのだそうです。
そこで、体の大きい人のサンプルが必要だったので当時現役力士だった小錦関を呼びトイレを設計したということでした。
外務省の役人はこんな仕事もするんですね。


さて、もう一つ裏話を。

大喪の礼の際に各国の要人がみぞれの降りしきる中参列している映像や写真を御覧になった方は多いと思います。
テントの中で皆、寒そうでありました。
さて、あの要人方の並び方にはきちんとした基準があります。
一番前の列は国家元首。二列目は首相。三列目には外相やそれに準じる地位の方。
元首というのは一般に王様や大統領がそれにあたります。
さらに列ごとの並び方は在位(在任)期間が長い順に右から並ぶというしくみ。
つまり、最前列の右端が「上座」というわけですね。

ところが、当時、アメリカのブッシュ大統領は在任して一ヶ月たらずだったので、
最前列の最も左に位置することになりました。
同盟国であるアメリカの元首を下座に迎えるというのは如何なものかということになり、
最も右とは言わないまでも右の方に坐らせることになりました。
そして、そのあたりに位置する元首に頼みにゆくと、
「ここは私の席だ!」となかなか譲ってくれない。
それでもなんとか頼み込んでブッシュ大統領を右方に坐らせることに成功したそうです。

いやはや、あの大喪の礼の際にも国際間のさまざまな駆け引きがあったのですね。

「外務省の裏話が聴けるのはこの講義だけ!」ということで、来週も楽しみです。
また、面白い話が聴けたら御報告いたします。

安倍新総裁誕生

2006-09-21 00:40:40 | 政治・経済
今日、安倍晋三さんが自民党の総裁に選任されました。
同時に次期総理も安倍さんに決まったわけです。

いろいろ言われていますが、私は岸信介のDNAに期待したいと思います。
岸信介の素晴らしかった点は大衆迎合せず、本質を見極め、
日本の将来のことを考えた政策を行ったということです。
細かな実績については以前、述べたとおりです。

小泉政治はポピュリズム政治と云われました。
じじつ、そうだったと思います。
国民の多くが政治に感心を持ったのは小泉以後です。
それ以前は「日本の首相は?」と問われても答えられない国民が多くいたほどです。
それが、小泉以後はそうではなくなった。
日本の首相が小泉純一郎であると知らない国民は居なかったでしょう。
そして、小泉政権は常に四十パーセント以上の支持率を維持し、政策を進めてきました。
左派マスコミはそんな小泉政治を常に批判してきましたが、
この批判は考えてみれば民主主義の否定ではなかったのでしょうか。
民主主義政治における政策の決定が多数決によって決まるのであるとすれば、
年金問題など一部の政策を除いては国民の多くの支持の元になされたものでした。
だとすればそれが国民の意思なのですから、小泉政治の批判は即ち、
国民に対する批判でひいては民主主義に対する批判となるわけですが、
本来、民主主義を擁護する立場の左派マスコミが小泉政治をしきりに批判して、
民主主義に批判的な保守系マスコミは小泉政治に好意的でした。
イラク戦争の時もそうでしたがここに革新派と保守派のねじれ現象が起きていました。

私は無論、民主主義が万能だとは思っていませんし、輿論が常に正しいとも思っていません。
むしろ、輿論のとおりに政治を進めたならば国は簡単に滅びます。

小泉首相はよく「ヒトラーだ」などと批判されていました。
この批判は半分は当たっていると思います。
何故なら、ヒトラーは当時もっとも民主的だと言われたワイマール憲法下において、民主的な手続きを経て首相に選任されたのでした。
つまり、ヒトラーを作り出したのは民主主義であり、言い換えれば国民の圧倒的な支持という輿論でありました。
独裁者を作り出すのは、なにも共産主義国家だけでなく民主主義国家に於いても十分ありえるわけです。
(日本では皇室があるかぎり本当の意味の独裁者は誕生しないでしょうが)

私が何を述べたいかというと、
安倍新総理には輿論に迎合することだけはやめていただきたいということです。
安倍さんと岸信介の決定的な違いは、安倍さんには圧倒的な国民の支持があるということです。
この高い人気こそが実は安倍さんの最大の弱点だと思っています。
輿論の後押しなくして政策を実行することは困難であると同時に、
輿論の動向ばかりに気を取られていては真に日本の将来を見据えた政策は実行出来ません。
安倍新総理には支持率がどうなろうとも百年後を見据えた政治を行って欲しいと思います。

とりあえずは、お手並み拝見とまいりましょう。