toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「みとりねこ」 有川ひろ

2021年08月30日 | 読書日記
偶然にもタイトルに「ねこ」が入る本が3冊続いたけれど、「やさしい猫」はネコの話じゃなかった。
でもこれは猫の短編集。
いかにも有川ひろらしいハートウォーミングな話ばかり。

「猫の傀儡」と同じく主人公の猫の1人称の作品は、冒頭の「猫旅リポート外伝」の1・2作目と7作目の表題作。

3作目の「猫の島」は「アンマーとぼくら」の前日譚。
「アンマーとぼくら」と同じくファンタジーな仕上がり。

4作目の「トムめ」は猫好きな人じゃないと何だかなぁの作品。
有川ひろにもこんなのが有るんです・・・、といった感じ。






講談社
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「やさしい猫」 中島京子

2021年08月29日 | 読書日記
この本に書かれていることが本当なら(物語はフィクションだけど、背景についてです。それに作者はちゃんと取材しているだろうからほとんど本当だと思うけど・・・)日本の入管制度は相当ひどい。
3月に名古屋入管でスリランカ女性の死亡事件が有ったばかりだけど、嫌でも連想してしまう。
確かに悪用しようとする人も多いだろうけど、最初から問答無用で犯罪者扱いして、施設に収容してからの扱いも相当ひどいとしか言いようがない。

本署は日本の入管制度に一石を投じる作品。
中島京子らしく、淡々と物語を語って行くスタイルだけど、この作品にはそれが特に合っていると思う。
クマさんが入管に収容されるまでは、何の話なのか良く分からなかったけれど、そこからは突然重い話になる。
マヤのちょっとしたいくつかのサイドストーリが無かったら重すぎて読むのが辛かったかも。。
最後は心から本当に良かったと思ってしまう。





中央公論新社
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「猫の傀儡」 西條奈加

2021年08月28日 | 読書日記
人間を操って問題を解決させる猫の「傀儡師」ミスジが主人公の連作短編集。
最後の3篇が一つの話で、それによって一冊がミスジによる先輩傀儡師の復讐物語になっている。

ミスジの傀儡にされたのは人の良い猫好きな事象狂言作家の阿次郎。
阿次郎はあくまでも自分の意志手行動しているつもりでいるが、実はミスジは阿次郎を上手いこと動かしている。

細かいところで色々突っ込みどころは有るけれど、設定もストーリも申し分ない。







光文社
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「スターダストパレード」 小路幸也

2021年08月26日 | 読書日記
小路幸也にはちょっと珍しいタイプの小説。
ハードボイルドと言うほどじゃないけど、結構タフな物語。

事件は一応解決したけれど、復讐は果たされていないから、続編が有るのかも・・・。







講談社
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「継続捜査ゼミ」 今野敏

2021年08月26日 | 読書日記
定年退職した元刑事が女子大の教授になって、未解決事件を題材にゼミを行って事件を解決する物語。
ストーリ上、学生たちが色々な意見を出して教授が驚く場面が多いが、誰でも思いつくような内容で気づかない教授の方がおかしいと思う箇所ばかり。

素人探偵ものとして面白いことは面白いけれど、これだと警察が間抜けすぎてリアリティが無い。





講談社
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「羊と鋼の森」 宮下奈都

2021年08月25日 | 読書日記
読み始めてすぐ、何故か「舟を編む」を連想した。
世界観が似てるのかな?

ピアノの調律師なんて言うマイナーな職業に就いた青年が主人公の物語がどう展開するのか興味を持って読んだけれど、ほぼ思っていたような結末。
意外性はあまりなかったけれど、十分に楽しめた。
バンド仲間のピアニストがチューニングハンマー買って自分で調律してたけど、調律師ってキーのチューニングするだけじゃないんですね。

最後にレストランのピアノのチューニングする場面が有ったけど、ゆずのドームツアーにスタッフで同行したとき、タイコの音のバランスが思いっきり悪いのに客が入って本番が始まったら綺麗にまとまったので驚いたことを思い出した。





文藝春秋
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「スタンダップダブル! 甲子園ステージ」 小路幸也

2021年08月24日 | 読書日記
「スタンダップダブル!」続編。

北北海道大会を勝ち抜いて甲子園に進んだ神別高校野球部が優勝するまでの物語。

「スタンダップダブル!」と同じくシンジと絵里が交互に語る形式になっている。
前作とは違い、シンジの方の話はもう優勝するのは見えていて、絵里の話の方がメインストーリになっている。
シンジの試合の場面を途中で切って、絵里の話に変わって、次にシンジの話になって時試合が終わってるという書き方は、野球が主題の小説ではないので良い方法かと思うが、絵里の話になったとき前作と同じく時間が前後するところが分かりにくい。
絵里の話の区切るポイントをもうちょっと考えて欲しかった。

話の流れから優勝するのは分かっていたけれど、流石に感動のクライマックスを用意してありました。
後日譚も良い感じで、続編の予感も。
ただ、監督の家にシンジが呼ばれたとき絵里がいた理由が不明。

シンジの話も絵里の話も思いっきりご都合主義のストーリ展開だけど、いつもの小路幸也らしくて気にならない。





角川春樹事務所
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「スタンダップダブル!」 小路幸也

2021年08月23日 | 読書日記
良く有る高校野球を題材にした小説だけど、小路幸也が料理すると一味違った物語になる。
同じ施設で育った子供達と、その施設で彼らと共に練習した近所の子供達、その幼馴染達で結成された無名のチームが北北海道地区予選で勝ち進んでゆく物語。
最後はかなり感動的。

チームの主軸でキャッチャーのシンジと、彼らに興味を持って取材する新聞記者の絵里が交互に語ることで物語が進んでいく。
試合の場面など、それが良い形で効果を生んでいるけれど、たまに時間が前後に飛ぶのはただ分かりにくいだけ。

予選を突破したチームが甲子園で活躍する続編に続いてゆくようです。






角川春樹事務所
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「存在しない時間の中で」 山田宗樹

2021年08月23日 | 読書日記
とにかくスケールが大きい。なんせ全宇宙が消滅する話だから。

僕(アキラ)の一人称のカピッツァ・クラブのメンバーの話と、三人称で莉央が主人公の話が交互に語られる。
最初のうち、莉央の話はサイドストーリなのに僕の話を中断して割り込んできて、そのうえ無意味に時間が前後して語られるので読みにくいことこのうえない。
折角良い内容なのに残念。


====  以下ネタバレ  ====

この宇宙は上位宇宙に存在する(何者)かによって創造されたもので、その(何者)の住む宇宙にも上位宇宙が存在するなんて発想どっから出たんだ。。






角川春樹事務所
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「ごきげんな散歩」 森沢明夫

2021年08月21日 | 読書日記
散歩がテーマのエッセイ集。
森沢明夫のエッセイは初体験。

目の付け所が森沢明夫だけど、エッセイではちょっと物足りない。
森沢明夫の小説の世界が生まれる秘密の一端が見えるような感じ。
つまらない訳じゃないけれど、森沢明夫は小説の方がずっと良いな。






春陽堂書店
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「刑罰0号」 西條奈加

2021年08月21日 | 読書日記
先日読んだ荻原浩の「海馬の尻尾」と同じく脳の改ざんがテーマ。
全く西條奈加らしくない作品。
核の廃絶を言いたかかったのか、ただのエンタテインメントを目指したのか良く分からない。

どうも研究開発の現実を御存知ないようで、エンジニアの私からすると違和感だらけ。
極めつけは電磁波の説明のでたらめさ。
水の波と混同してます。





徳間書店
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「つむじダブル」 宮下奈都、小路幸也

2021年08月20日 | 読書日記
妹兄が交互に語り手になって物語を進て行くという良く有るパターンの構成だけど、妹のパートは宮下奈都が、兄のパートは小路幸也が担当するという斬新な小説。
違う作家が交互に書いているのに違和感が無い。ただ、変わり目で時間が戻ったりするところがちょっと残念。

ストーリは二人の作風から想像される展開で、結末も申し分ない。

予め結末まで決めておいて書いたのか、相手の書いたのを読んでストーリを作って行ったのか気になる。





ポプラ社
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「秋葉原先留交番ゆうれい付き」 西條奈加

2021年08月19日 | 読書日記
西條奈加の中ではちょっと毛色の違う感じがする。
赤川次郎だって言われた方がしっくりくる内容。

足だけのゆうれいになった季穂も含めて登場人物はみんなユニークでそれぞれ魅力的。
ストーリも面白くて申し分ない。

事件が解決しても成仏せずに、季穂がそのままいるってことは続編も有るのかも。




角川書店
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「千里眼 ノン=クオリアの終焉」 松岡圭祐

2021年08月18日 | 読書日記
「千里眼の復活」を読んでみたら面白かったので続編を買ってみた。

相変わらず設定もストーリも荒唐無稽でリアリティが無いけれど、「007」とか「ルパン三世」とかその世界を認めてしまえば楽しめる。

前回にも増してスケールが大きくなって、武器もグレードアップ。
世界を征服して、世界中の核兵器を手に入れたノン=クオリアにたった一人で立ち向かう美由紀だけど、今回は得意の千里眼があまり役に立ちませんでした。




角川文庫
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「小説家の姉と」 小路幸也

2021年08月16日 | 読書日記
小路幸也らしいと言えばらしいけど・・・。
面白くないわけでは無いけれど、期待したほどじゃなかったと言ったところ。
まあ、小路幸也の場合期待値が大きいから。。




宝島社
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