toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「地面師たち」 新庄耕

2023年06月29日 | 読書日記
新庄耕は以前読んだ「夏が破れる」が最悪だったので、これが詰まらなかったらもう手を出さないでおこうと思いつつ読んだけど、これは良かった。

地面師集団とその協力者たちと土地の所有者、そして騙される大手ディベロッパー会社と地面師を追う定年を迎えた元刑事の物語。
悪人が主人公の物語は、その悪事が上手く行くようにという思いと、悪者は捌かれるべきという二つの矛盾する思いで読む楽しさがある。
詐欺のクライマックスで青柳が突然仏像の盗難の話を始めたときは、これは青柳の全くの作り話で否定しないとウソがばれる・・・って思ったけれど、何もなく過ぎてしまって期待外れ。

ちょっと納得いかない結末だけど、これは続編のための伏線?


腕時計をブランド名で表わしていたから、興味の無い私には何のことかわからず一々調べながら読んでいて、これは大変なことになりそう・・・と思っていたけれど、最初だけだった。



2019.11.10
集英社
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「たったひとつの花だから」 新堂冬樹

2023年06月26日 | 読書日記
どうしてこんなしょうもない男が主人公なんだ!と思いながらも、これがどう着地するのかという興味だけで読み続けた。
まあまあの展開と結末だけど、やっぱり全く納得できない。

新堂冬樹は「瞳の犬」が少し良かったけれど、それ以外はどうも・・・。
それと、同じ文章のコピペが多すぎ。





2013.8.25
中央公論新社
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「夏の体温」 瀬尾まいこ

2023年06月25日 | 読書日記
中編2作と短編1作で構成。

表題作は子供病院が舞台のひと夏(3日間)の小学生の友情物語。

「魅惑の極悪人ファイル」は他人と触れ合ううちに変わって行く小説家の話。

「花曇りの向こう」は中学1年の国語の教科書に載せた作品らしい。






2022.3.20
双葉社
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「海の怪」 鈴木光司

2023年06月24日 | 読書日記
海にまつわるエッセイ風(?)短編集。

ホラーテイストの話が多い。

第1話「海に落ちる」
高所作業の資格取るとき、ダブルフックになっていて移動するときに一つフックを外しても必ず1つはハーネスに繋がった状態にしないといけないって教わったねど、海上では違うのか?

第6話「黒い石の願い」
不吉なことが起こる前には、なぜか大漁になることが多い・・・。
阪神大震災の前日、須磨の海岸でアイナメ爆釣しました。




2020.9.10
集英社
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「こちら横浜市港湾局みなと振興課です」 真保裕一

2023年06月24日 | 読書日記
良く有る素人探偵もの。
事件に取り組むのは市の職員と、彼女の下に配属された新人のコンビ。
強力な協力者が何人も現れて、様々な妨害にあいながら真相に迫って行くというお馴染みのパターン。
ただ、事件が複雑なうえ、いくつも重なるので良く分からなくなってくる、
最後に解決した時にようやく理解でき、読んでる最終は「何の話?」って感じ。

個人的には真保裕一にはこういうジャンルではなく、本格的な冒険小説を期待する。




2018.11.10
文藝春秋
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「ノクツドウライオウ」 佐藤まどか

2023年06月22日 | 読書日記
家族経営のオーダーメイドの靴店の娘夏希と、その同級生宗太の物語。
ほぼ思った通りの展開だったけれど、ラストは想像以上でちょっと感激。

続編が有るのかな?
もしこれで終わるなら、夏希の兄の話は要らないんじゃないの?
(宗太の兄の話のきっかだけのため?)





2023.4.30
あすなろ書房
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「剣持麗子のワンナイト推理」 新川帆立

2023年06月22日 | 読書日記
先に読んだ「元彼の遺言状」の主人公の名前がタイトルになっていたから続編だろうと思って読んでみたらその通り(後で調べたら、その前にもう一冊「倒産続きの彼女」という作品が有るらしいけれど・・・)。

弁護士の剣持麗子が事件に巻き込まれてそれを一夜で解決するというコージーミステリ短編集。
「元彼の遺言状」の時のキャラ設定からかなり丸くなってきてはいるけれど、まだまだ尖がっている弁護士と言うキャラが生かし切れていない感じ。
それぞれ良くできているのに、普通の話になってしまっていて勿体ない。

最後の話でそれまでの話が繋がって来るけれど、それ以上に新しい展開が始まったところで終わってしまう。
これは間違いなく続編が出るんだろうな。。




2022.4.22
宝島社
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「元彼の遺言状」 新川帆立

2023年06月20日 | 読書日記
第19回『このミステリーがすごい! 』大賞受賞作。

先に巻末の選評を読んだら、3人の選考委員が3人とも絶賛しているのでかなり期待して読み始めたけど、期待が大きすぎたのか主人公の剣持麗子のキャラが飛びすぎてるのと、ふざけた状況設定で引いてしまった。
この設定のせいでドタバタになるかと思いきや、その後のストーリ展開は割とまともで安心して読んでいける。

最後はお約束のどんでん返しも有るし、途中で疑問に思ったこともちゃんと解決し、伏線も回収して、多少のご都合主義も有ってコージーミステリーの王道の要素を兼ね備えている。






2021.1.22
宝島社
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「夜姫」 新堂冬樹

2023年06月18日 | 読書日記
単純に女の闘いのドラマだと思って読めば面白いんだけど、田舎に住んでる私には全く現実味が感じられない。
仕事で歌舞伎町のホストクラブの内装工事に携わったことが何度か有るから店の中は想像できるけれど、営業時間にどんなことが行われているのか・・・・。

乃愛がナンバーワンになるまでの物語かと思ったら、その過程はほとんど触れられなくて突然クライマックスになってしまい取り残されたような感じ。




2017.3.25
幻冬舎
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「田嶋春にはなりたくない」 白川三兎

2023年06月17日 | 読書日記
登場人物が全員好きになれないタイプの上、ストーリも詰まらなくて何度読むのを辞めようと思ったことか・・・・。
我慢して最後まで読んだら、取って付けたようなラストだったけれど、ほんの少し(本当に少しだけ)まともになった。





2016.2.25
新潮社
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「まいまいつぶろ」 村木嵐

2023年06月16日 | 読書日記
第九代将軍徳川家重の一代記。
彼と大岡忠光との友情物語。

歴史好きな人だと知っている人ばかりかもしれないけれど、私には歴史で習った徳川吉宗、田沼意次とテレビでお馴染みの大岡越前以外ははじめましての人だったので、登場人物に忠○と、家○という名前が多くて分かりにくかった。

1行空いていたら何年も時間が経っていたり、江戸時代の武士の言葉が難しくかったりで混乱する個所も・・・。
おかげで読み終わるのにかなり時間がかかった。






2023.5.25
幻冬舎
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「陽炎の闇」 渡辺裕之

2023年06月14日 | 読書日記
オッドアイシリーズの第10弾と言うことらしいけれど初めて読んだ。

話のスケールが大きくて、ストーリ展開も良く最後まで楽しめた。
ただフェーズ0と名付けられたプロローグ部で思いっきり犯人が示されていて、そのまま彼が犯人だったというのは・・・。

ベンツSクラスとかグロックとか、車や拳銃の名前が一々書いてあるけれど何か意味が有るのかな?
ただの作者の拘りだと思うけど、ちょっとうざい。

シリーズを遡って読みたいとは思わないけれど、新刊が出たら読んでも良いかな。。








2023.4.25
中央公論新社
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「月蝕楽園」 朱川湊人

2023年06月13日 | 読書日記
違う次元の「箱庭旅団」という感じの短編集。
「箱庭旅団」はちょっと不思議な世界だけど、こちらは全くの現実世界。
個人的には「箱庭旅団」の方が好き。





2014.7.20
双葉社
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「刑事のはらわた」 首藤瓜於

2023年06月12日 | 読書日記
ストーリが面白くて、どうなるんだろう・・・とどんどん先が読みたくなるし、結末の意外性にも驚かされたけれど、最初の主人公の行動原理が分からない。
様々な伏線が有り、それこそ参考になるような類似の事件が直前に起こったりするけれど、動機としては弱すぎる。
徐々に真実が明らかになっていき、金塊に行きついた後は理解できるけれど、そこまで一人で動いていた理由が謎。





2010.10.12
講談社
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「<磯貝探偵事務所>からの御挨拶」 小路幸也

2023年06月11日 | 読書日記
「<銀の鰊亭>の御挨拶」の続編だけど、それを読んだのは2年前で印象が薄かったのか全く覚えていなかった、
読んでいなくても特に問題無いから大丈夫。


タイトル通りミステリだけど、ご都合主義というより、とにかく偶然に頼り過ぎ。
本格派とライトミステリの中間みたいな作品だけど、やっぱり小路幸也には「花咲小路」シリーズのような緩いコージーミステリみたいな作品を期待する。





2022.5.30
光文社
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