toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「オカシナ記念病院」 久坂部羊

2020年01月21日 | 読書日記
個人的に久坂部羊は可もなく不可もなくという作家だったけど、この作品でちょっと印象が良くなった。

離島の総合病院を研修先に選んだエリート医師の物語。
東京の最先端の大学附属病院から、後期研修にこんな病院を選ぶというところにちょっと無理があるような気がするけど、それはそれ。
研修先は、ポリシーを持って無理な治療を行わない「オカシナ」岡品記念病院だった。
都会の病院で最新医療を経験してきたエリート医師が「オカシナ」病院にやってきて、騒動になるドタバタ小説なのかと思って読み進めると、全く違った。

患者にとって本当に必要な医療とはなんなのか?
検査して病気を発見して治療することが正解なのか?
延命治療については拒否したりとかいろいろ聞くけれど(私の母もずっと言ってました)それ以外の医療行為についてもどうなんだろう?と考えさせられる。

病気を治す=患者の苦しみを取り除くでは無く、治療することがかえって患者を苦しめることもある。
ほんの少しの延命のために苦しい思いをしたり、QOLが低下したりすることが本当に正しいことなのか…。
いろいろ考えさせられたけれど、小説としても面白かったです。





角川書店
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「音楽ってなんだろう?」 池辺晋一朗

2020年01月18日 | 読書日記
音楽の雑学を紹介するみたいな内容で気楽に読めて、ちょっとでも音楽に興味がある人にとってはとても面白い本だと思います。
第1章は音楽をかじったことがある人なら当然知っているであろうことがほとんど。
第2章は歴史的、地理的な蘊蓄で最も興味深い内容だった。
第3章、第4章は著者の経験や考えが中心。

全体を通して会話というかインタビューのような構成になっている。
分かり易いと言えばその通りだけど、個人的には掘り下げ方が浅くて物足りない印象。
よく見たら「中学生の質問箱」って書いてあるから中学生向けにあえてそう書いてあ
るのかも・・・。




平凡社
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「おなかがすいたハラペコだ。」 椎名誠

2020年01月15日 | 読書日記
食に関するエッセイ集。寄せ集めでは無く、このテーマで雑誌に連載されたもの。

いつものシーナらしい豪快でこだわりの食生活を楽しく描いていて読みやすい。
ただ、別に発表されたものならともかく、同じ本の中で同じことが何度も書かれている。
連載中なら仕方ないけど、本にするときはそのあたりを修正して欲しかった。



新日本出版社
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「5分後に後味の悪いラスト」 エブリスタ編

2020年01月13日 | 読書日記
タイトル通り全作品後味が悪いことこの上ない。
ただし物語のラストでなくて、小説の出来が悪すぎて・・・。

先日読んだ同じシリーズの「5分間で心にしみるスト-リー」と同じくレベル低すぎ。
流石に厳選したということで30点のものは無かったけど、40~55点で及第点の作品は無し。
「次こそは」と思いながら読み進めたものの、残念ながら最後までダメでした。

このシリーズはもう良いね。。。






河出書房
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「ハビタブルな宇宙」 井田茂

2020年01月12日 | 読書日記
前半は様々な科学的なトピックを解説。
後半はタイトルに関連した話題と考察。

非常にわかりやすく書かれており、著者の宗教観など私と似ていてうれしくなってしまう。ただ「自分のような科学者の考え方は一般人には理解できないだろう」と繰り返しているが、普通に理系の人なら科学者じゃなくても理解できると思うんだけど。
最後のまとめも自分は特別なんだけど・・みたいな感じでちょっと。。。。

それにしても、プレートテクトニクスって授業で習った気がするけど、日本の学界は認めていなかったんですね。




春秋社
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「居酒屋ぼったくり」 秋川滝美

2020年01月08日 | 読書日記
良く有る、酒や料理の蘊蓄をちりばめた居酒屋を舞台にした物語。
この手の小説にしては、物語そのものが良くできているので、楽しめました。
続編も読みます!!



アルファポリス
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「朝比奈うさぎは報・恋・想で推理する」 柾木政宗

2020年01月07日 | 読書日記
先日読んだ東川篤哉の「魔法使いと最後の事件」と似かよったドタバタ探偵物。

帯にも、裏表紙の案内にも「新感覚ラブコメ本格ミステリ」と書いてあるけど、これを書いた人は「本格ミステリ」の意味が全く分かっていない。
強いてコピーを付けるなら「ライトミステリ」だろう。

ストーカーの大学生・朝比奈うさぎ、高校時代の同級生でキャバ嬢・揚羽沢編菜、そして主人公の探偵・望月迅人の姉で警視庁捜査一課の弥生、と魅力的な女性ばかり登場する。
しかも揚羽沢の客にはすごいメンバーがいて、彼らが揚羽沢編菜を通して迅人の仕事に関わってくるかと言えばほとんどそんなこともなく。折角の設定が活かし切れていない印象を受けた。
難事件を彼らの力を借りながら解決していくっていう流れも面白いと思うが、今後に期待したい。

朝比奈うさぎが迅人に対して勘違いしながら、事件の謎を解いてしまうというのがこのシリーズのポイントらしいが、ちょっとまわりくどくてイライラするところもあったりする。
最後は伏線もきっちり回収してすっきり。
ただ、迅人とうさぎが同時に似た言葉をしゃべるという場面が多く、しかもそれほど似てなかったりしていて、これは余計です。




新潮文庫
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「とるとだす」 畠中恵

2020年01月07日 | 読書日記
今回のしゃばけは、「ドタバタ度」がかなり高い。

冒頭でいきなり広徳寺で藤兵衛が倒れてしまう。
やがて、それは広徳寺に呼ばれて集まった江戸中の薬種屋達が、一太郎に効くと差し出した薬のいくつかを試しに飲んでしまったためと判明する。
今回の一冊は、藤兵衛が飲んだ薬の効き目を無くす方法を求めて一太郎と仲間の妖達が活躍する物語。

後半になると一太郎本人もあちこち動き回っては、そのあと何日も寝込んでしまう・・・という始末。
一太郎が動き回る分、妖達、とくに仁吉や佐助の活躍が少なかった。

そもそも設定からして、何でも有りの物語だけど、最終話の「ふろうふし」では足柄山の金太郎や浦島太郎まで、豪華メンバーが登場する。
この二人以外にも登場人物が多くて、途中で整理しないと私の処理能力を超えて収集つかなくなってしまう。



新潮文庫
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「5分間で心にしみるスト-リー」 エブリスタ編

2020年01月05日 | 読書日記
エブリスタ主催の短編小説賞の入賞作品から選りすぐりのものを集めたということだけど、はっきり言ってレベル低すぎ。
ほとんどが、本にしてお金取れるような内容ではありません。

その中では「うばすて課」と最後の「紙ひこうきの見た世界」が比較的習作。
他にストーリ的には「秋の学校で。」がまあまあの出来だけど、構成がイマイチで読む前に結末が読めてしまい残念。




河出書房新社
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「テレビ探偵」 小路幸也

2020年01月02日 | 読書日記
「8時だよ!全員集合」をモチーフにした連作短編集。ドリフターズをモチーフにしたバンド「トレインズ」のボーヤの「チャコ」が主人公。
本のタイトルから謎解きミステリーなのかと思ったら、その手の話は最初の一篇だけで全体を通してチャコの成長物語といった内容。
いかにも小路幸也という感じではないけれど、やっぱり小路幸也。




角川書店
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