toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

紳士同盟;小林信彦

2012年11月16日 | 読書日記
イマイチ好きになれなかった小林信彦。
この本の前に読んだ「神野推理氏の華麗な冒険」はちょっと良かったけど、もう一つだった。
でも、この紳士同盟は面白い。
はじめて本当に面白いと思った彼の小説。

詐欺師の話しで、どんでん返しの連続。
舞台は彼の小説ではお馴染みのテレビ局や映画の撮影現場って言うのが、またか・・と思わせるけど。。
同じような詐欺師の話を誰かの小説で読んだ覚えが有るけれど(思い出せない・・)それよりは面白かった。




新潮文庫 400円

神野推理氏の華麗な冒険 新潮文庫 360円
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ねじまき鳥クロニクル;村上春樹

2012年11月14日 | 読書日記
妹が「全巻揃った」からって貸してくれた。

他の村上作品と同じように登場人物が全員変わり者。
唯一まともそうなのは、ムード音楽好きな駅前のクリーニング屋。

ねじまき鳥とは、主人公の家の庭でねじを巻くような鳴き方をする鳥のこと。
冒頭、猫を探しに行く場面は前に読んだ記憶が有ったので、もしかしてこの本はすでに読んでいるのか・・と思ったけど、そんなことは無かった。
彼の作品はたまに同じシーンを使いまわしするから、混乱する。
(国旗を掲揚する場面とか・・)
ファンタジーと言って良いのか、とりあえずありえない世界を描いた作品であることは間違いない。
途中、ストーリーとは全く関係ない(と思える)話がところどころで出てくる。
私としては、余計な話は無しにして早くストーリを進めてもらいたい・・と思うのだけれど、そのメインのストーリも、現実味が無くて良く分らない。。

「1Q84」と同じようなパラレルワールドみたいな世界なのだけれど、こっちの方が古い作品だから、1Q84はこの作品から着想したのかも・・
最後のほうでは同じ名前の人物が登場するし。


新潮社
第1部 泥棒かささぎ編 1600円
第2部 予言する鳥編  1700円
第3部 鳥刺し男編   2200円
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ツナグ;辻村深月

2012年11月10日 | 読書日記
今年の直木賞作家の作品。
妹が「これ、面白いよ」と貸してくれた。

連作の短編集。
4篇の物語と、その裏話的な1作で構成されている。
以前読んだ、「冷たい校舎の時は止まる」と同様に状況設定が非常に独特。

4つの話は、それぞれ考えさせられる話だったりホロッとさせられる話だったり。
この設定でいくらでも話が出来そうだから、もしかしたら続編が出るかもしれない。

最後の話の中で、父と胡桃を割ったとか、母のおにぎりの思い出とかあるのに、「物心つく前に、死んでしまった両親。」と言うくだりがあるところにちょっと違和感が・・
(自分自身の環境から、そういう点には敏感に反応してしまいます・・)


新潮文庫 630円
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ほのかなひかり

2012年11月09日 | 読書日記
森浩美の短編集。
解説に寄れば森浩美という人は歌謡曲の作詞家らしい。
そしてずっと女性かと思っていたけど、後書きで一人称で「僕」を使っているところをみると男性らしい。

この作品は、角川文庫のツイッターで「涙が止まらなかった」とか「感激した」と感想が書かれていたのでどんなものかと読んでみた。
分りやすい文章で、余計な描写が無く、さっと読めてどの作品も、ぐっと来たりしたりするけど、ツイッターで言われているほどの感動は有りませんでした。
原因は一つひとつの作品が短くて感情移入しにくいし、なんとなく結末が読めてしまったりっていうところかもしれない。
でも、読めばとりあえず優しい気持ちになれます。


角川書店 1500円(単行本で読みました)
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唐獅子株式会社

2012年11月07日 | 読書日記
小林信彦の初期の作品。

彼の本を妹からまとめてもらったんで何冊も読んだ。
どれもそれなりには面白かったりするけど、私にはイマイチ。
(ちょっと違うけど、村上春樹もそんな感じ・・)
で、はじめてしっくり来たのがこの本。

ヤクザの組がその上部の組の親分の命令でいろんなことをやらされるドタバタ話の連作。
結構面白がって読んでいたけれど、最後の方はまたちょっと違和感が・・
どうも小林信彦と私とは興味の対象が大きく違うようだ。
同じようなテーマだったら私は断然荻原浩。


新潮文庫 400円
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1Q84

2012年11月04日 | 読書日記
言わずと知れた村上春樹の最新作。
内容は、ひと言で言えばラブファンタジー。

妹がまとめて買って、「私より読むのが早いから」と先に貸してくれた。
本当に兄思いの良い妹だとこと・・。

最初は「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」のように、全く違う2つの物語が交互に語られていく。
1の中ほどで、タイトルである「1Q84」の意味が示される。
そして1の終わり近くで共通の事件が登場し、2の冒頭で2つの物語の主人公である青豆と天吾の関係がほのめかされた後、だんだんそれが明らかになっていく。
物語が盛り上がって来たところで、別の物語になるので、読んでいてちょっとテンションが下がってしまう。
3の最後で、片方の主人公の青豆が別の物語の主人公の天吾の存在を知り、それ以降別々に進んでいた2つの物語が(時間的に)同時に進行していく。
4で両方の主人公がニアミスして、同時進行している2つの物語が一つになるのかと思いきや、5になると途中で登場した人物を主人公にした第3の物語が始まってしまう。
第3の物語は青豆と天吾を結びつける役目を果たしながらも独自に展開するため、しばらくは3つの異なる物語を代わりばんこに読むことになるけれど、徐々にそれぞれの物語が関連して行き、6くらいから同じ出来事をそれぞれの主人公の視点から語られる形式になる。
ちょうど宮部みゆきの「模倣犯」の手法のように。
そのへんから落ち着いてストーリーが追えるようになる。

主人公の一人、天吾が「数学と小説が好き」と言う点が私との共通点であります。




新潮文庫
1(BOOK1前編) 590円
2(BOOK1後編) 590円
3(BOOK2前編) 590円
4(BOOK2後編) 550円
5(BOOK3前編) 630円
6(BOOK3後編) 630円
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