toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「一分間だけ」 原田マハ

2015年07月31日 | 読書日記
犬との生活を描いた小説。

ペットにはあまり興味がなかったが馳星周の「ソウルメイト」を読んで以来なんとなくペットもイイなぁ・・・と思うようになったいたけれど、この話も良かった。

飼い主の藍が段々自分勝手でとても嫌な女性になっていくのは、後半飼い犬のリラの闘病が始めってからの変わりようを強調したかったんだなぁと手口がミエミエだったのはいかにも初期の作品らしい。

樋口明雄の「天空の犬」、新堂冬樹の「瞳の犬」と共に3大愛犬小説と勝手に決めさせてもらった。





宝島社
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「トップスチュワーデス物語」 深田祐介

2015年07月31日 | 読書日記
スチュワーデス達が主人公のユーモア小説。

表題作と「なまいきスチュワーデス」の2編からなり、どちらもドタバタ系の軽い話。

基本的に文章は「ですます調」で書かれているのに、所々に「・・した。」という文章が入っていてチェックの甘さを感じる。




集英社
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「オーダメイド殺人クラブ」 辻村深月

2015年07月30日 | 読書日記
中学2年の女学生の物語。

主人公の考えが全く理解できない。
彼女の行動は名古屋大学生の事件を連想してしまう。

それにしても女子中学生って面倒くさいんですね・・・。

取ってつけたようなラストだったけど、これが有るから救われる。





集英社
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「星球」 中澤日菜子

2015年07月29日 | 読書日記
6編の短篇集。
初めの方の作品はなんだか空回りしているような印象だけど、段々完成度が高くなっていき、最後の2篇は秀作。




講談社
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「奇縁七景」 乾ルカ

2015年07月28日 | 読書日記
タイトル通り、奇妙な味わいの7つの短篇集。

「虫が好かない」「報いの一矢」は特殊な女性に傾倒する異常な世界の話。
「目に入れても」は自分だけが正しいと思っている女性の話。
それ以降はちょっと毛色が違って、「夜の鶴」父と息子の人情噺。
「只より高いもの」は犬の種付けを誤魔化す話、「黒い瞳の内」は恋愛ものだけれどどちらもこの本には相応しくない。
最後の「岡目八目」は「黒い瞳の内」のヒロインの通夜で、亡くなった本人の視点から謎を解くというシュールな話で、他の話で登場した人物が大勢登場する。



光文社
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「ベトナムの桜」 平岩弓枝

2015年07月27日 | 読書日記
島の名士の家の兄弟の波乱万丈の物語。

読みやすいし、面白いんだけど、そんな事どこかに書いてあったっけ?という感じで知らないうちに物語が進んでいてかなり戸惑う。(私が読み飛ばしている?)
奈美は大介が好きだったはずなのにとか、船に乗っていて一時的にホイアンに降りただけの次介がそのまま住みついていたり、・・・・。

他にも大介と一緒に長崎沖の島に降りた人はどこに行ったのか、大介は長崎で次介の到着を待っているのではなかったのか、そもそも大介と次介はそんなに仲が良かったのか、疑問は尽きない。

それに大介があちこちでばったり知り合いに遭遇しすぎるし、大介の師が淳姫の知り合いというのも出来過ぎ。

名手平岩弓枝にしたら新人作家みたいな印象を抱いてしまうけれど、新聞小説らしいから仕方ないのか。。。




毎日新聞出版
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「十号室」 加藤元

2015年07月26日 | 読書日記
八部屋の分譲アパートに住む一人暮らしの女性が亡くなり、その後に彼女の姪が引っ越してきたところから物語が始まる。

それぞれの部屋の住人が順番に主人公になりながら、亡くなった女性について徐々に明らかになっていく話かと思っていると、だんだん幼児疾走事件から死体遺棄事件へと展開していく。

ストーリも構成も面白いし、文章も上手くて読みやすいのだけれど、何か物足りない感じが・・・



光文社
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「冥土あり」 長野まゆみ

2015年07月26日 | 読書日記
場所の描写と背景の説明ばかりでいつ物語が始まるのだろうと思っているうちに終わってしまった。
背景の説明かと思っていた父親の話がこの小説の主題だったのね。。

後半の「まるせい湯」はその続編。

どうも長野まゆみは私には合わないみたい。。



講談社
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「水底フェスタ」 辻村深月

2015年07月25日 | 読書日記
こういう閉鎖的なムラの物語は色んな小説で描かれているけれど、これは比較的毒が少ない方。

主人公の広海の行動が、住んでいる村の異常さ以上に理解できない。
その後の展開上仕方ないとしても、達哉と付き合い続ける広海が信じられない。

辻村深月の作品にしては珍しく、後半はどんどん絶望的になっていく。
含みを持たせたラストは、これで推し量れと読者を突き放しているのか、それとも続編が有るのか・・・




文藝春秋
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「らいほうさんの場所」 東直子

2015年07月24日 | 読書日記
姉弟3人で暮らしている家族の話。
すべての登場人物の中で、まともなのは次女の真奈美だけで、読んでいるとどんどん嫌な気分になっていく。

以前読んだ「いとの森の家」がほのぼのした話でなかなか良かったので期待していたのにかなり残念。

結局何が言いたいのか良くわからないまま終わってしまったが、もしかしたら一番まともそうに見えた長女の志津が実は一番変な人だったってことなのかな。
「らいほうさん」とは何かもわからないままだし、うららの家族や山下さんのその後も謎のまま。。





文藝春秋
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「お父さんと伊藤さん」 中澤日菜子

2015年07月23日 | 読書日記
中澤日菜子はホノボノ癒し系の作家かと思っていたけれど、これは群ようこ系(笑)。

伊藤さんと同棲しているアパートに突然父親がやってきて一緒に住み始める。設定からドタバタ系の展開かと思いきやそれほどでもなく、物語は淡々と進んでいく。
最後に運命を変える出来事があって大団円というストーリ。
文章もうまいし楽しめた。




講談社
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「本日は大安なり」 辻村深月

2015年07月22日 | 読書日記
大安の日曜に同じ会場で結婚式を挙げる4組のカップルの関係者と式場スタッフが主人公となり代わる代わる登場するのでストーリがブツ切れになってちょっと分かりにくい。

主人公は、ひと組目の新婦の双子の妹(一時的に新婦本人)、ふた組目の式場の担当者、三組目の新婦の同居してる甥、四組目の新郎で、それぞれの4つの話が当日の進行に合わせて語られてゆく。
最後の後日譚のせいで式場の担当者の物語で、他の3つはサイドストーリとも捉えられる構成。

それぞれの話がしっかりしていて、このネタで4つの小説になるのにまとめたらもったいないと思わせる出来栄え。
最後に鈴木陸雄までハッピーエンドになるのはちょっと納得できないけど、貴和子が良いなら仕方ないか・・・(笑)





角川書店
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「つまをめとらば」 青山文平

2015年07月20日 | 読書日記
地道にやっていれば、いつか良い事も有るよ!と言う内容の短編集。
可もなく不可もなくと言ったところ。。



文藝春秋
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「ちょうかい」 仁木英之

2015年07月19日 | 読書日記
設定もストーリも面白いんだけど、とにかく分かりにくい。
かなり特殊な設定なのに説明不足の上、とくに前半は構成が良くない。
おまけに否定してるのか肯定してるのか分からないような文章で最後まで細かい状況は理解できないまま。
折角の良いアイデアなのにもったいない。




小学館
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「親不孝長屋」 アンソロジー

2015年07月18日 | 読書日記
池波 正太郎,平岩 弓枝,松本 清張,山本 周五郎,宮部 みゆきの人情話のアンソロジー。

一流のストーリーテラーの作品の中からの選りすぐりだけに、どの作品も甲乙つけがたいほど素晴らしい。
数年に一度、忘れた頃に読み返したくなる本。



新潮文庫
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