toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「のび太の月面探査記」 辻村深月

2021年06月30日 | 読書日記
ドラえもんの設定を使って辻村深月が書いた小説かと思ったけれど、映画のノベライズらしい。
元の映画を見ていないので、どの程度忠実に再現しているのか分からないけれど、辻村深月の小説として十分楽しめた。





小学館
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「恭一郎と七人の叔母」 小路幸也

2021年06月29日 | 読書日記
恭一郎とユニークな母の7人の妹達の物語。

文章も内容も小路幸也と言うより清水義範と言う感じでした。
どっちが書いた小説だとしてもつまらない訳がない!!




徳間書店
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「トッケイは七度鳴く」 宮内見

2021年06月29日 | 読書日記
久しぶりに感動的な作品に出会いました。

フリーランスの放送作家・水車誠太郎が、自分の祖父・勘助の残した手記を仕事の参考にしようと読むという設定で、誠太郎の行動と勘助の手記が交互に記述される形式。
内容がつまらないわけでは無いけれど、特に手記の方は戦場での出来事という重い内容ということもあり、サクサク読めるような本ではないため、読むのに時間がかかってしまった。

少々尻切れトンボ気味に手記が終わり、方向が戦場での兵士と慰安婦の恋愛物語から慰安婦問題へと変わってから物語が大きく動き始め、俄然面白くなってゆく。
明らかに朝日新聞の植村隆がモデルの村椿修一が書いた捏造記事による、在りもしない慰安婦問題やそれに便乗した少女像をはじめとした韓国系の嫌がらせと、慰安婦ビジネスに触れながら、最後の展開は見事。
手記のその後も明らかになり、感動のラスト。
後日譚も見事。

ところでアメリカの夏子の遺族は、どうして番組の夏子が自分達の先祖だと気づいたのだろう。夏子なんて名前使っていなかったはずだけど…。

作中、植村隆に騙されて、慰安婦が強制連行されたと思っていたような書き方になっているけれど、裁判の時に大きく報道された(特に産経に…)から、それが一般的な認識だったとは思えない。

また、元の文章が横書きだったものを縦に編集しなおしたのか、「○○ーー」とか「○○ー」が「○○||」や「○○|」(縦書きだから逆だけど)と思われる個所がいくつかあった。
最初何か意味があるのかと悩んでしまった。ちゃんと校正して欲しい。




日本橋出版
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「響け!ユーフォニアム」 武田綾乃

2021年06月24日 | 読書日記
「君と漕ぐ」が面白かったので、同じ著者のこの本を買ってみた。

武田綾乃はキャラクター作りが本当に上手い。
「君と漕ぐ」もそうだったけれど、これも登場人物はみんな個性が生きていて楽しい。
特に、緑の天然ぶりが大好き。
美知恵のキャラは良いけれど、いくら何でもあんなしゃべり方する先生はいないと思う。

コンクールの経験は無いけれど、最後の場面では定期演奏会などでステージに立った時の緊張感を思い出した。

続編も含めてシリーズで色々出ているようなので探して読んでみることにする。





宝島社文庫
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「スカイツリーのは花嫁花婿」 青柳碧人

2021年06月23日 | 読書日記
ずっと、登場人物が微妙にリンクする連作短編集と言った感じで、パラグラフごとに全く関係の無い話になる。
それぞれの話はどれも面白くて「その後どうなるの?」で終わる物語として楽しめるほど。
その代わり登場人物が多くなりすぎて、物語が収束してくると「この人誰だっけ?」状態。
モブキャラだと思ってノーマークだった人が重要人物だったり、この人とあの人が同一人物だったりややこしいことこの上ない。

最終盤になると「実は今までの出来事がすべて伏線でした」と言った感じで全力で回収。
それはそれで面白いけれど、ちょっとやりすぎです。おなか一杯・・・。
最後の「ダイアローグ二次会」は完全に蛇足。

ダチョウの少女だけ謎が残ったまま。。。





光文社
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「雨の日は、一回休み」 酒井希久子

2021年06月21日 | 読書日記
連作短編集。みんな雨に関するタイトルだけど、特に内容は雨に関係無い。


第一話「スコール」
主人公の進に激しく共感。広重のような男は確かにいるけれど、ここまでひどいのは見たことない。

第二話「時雨時」
進の上司の定年間近の獅子堂が主人公。
定年後の生き方が見つかったようでめでたしめでたしの結末。

第三話「涙雨」
獅子堂が参加した老後の生き方についてのセミナーで一緒になった佐渡島幹夫が主人公。
どうしようもない男が死にかけてちょっとだけ心を入れ替える話。

第四話「天気雨」
佐渡嶋の同僚の派遣社員。石清水が主人公。
木内昇風な話。

第五話「翠雨」
主人公は第四話に登場したモブキャラのおじさん。
短編らしい短編で一番の習作。







PHP
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「サイレント・ブルー」 樋口明雄

2021年06月18日 | 読書日記
「ブロッケンの悪魔」が原発反対を訴えた小説だったように、これは水(水源)問題を提起するための小説。
樋口明雄のこの手の社会派テーマの小説は、著者のこだわりが大きいせいか内容がイマイチになる。

門倉が市長になってめでたしめでたしの展開になるかと思えば、門倉にも思惑が有ってもうハッピーエンドが成立しなくなる予感。。
結局やりすぎて企業側のオウンゴールという強引な大団円。






光文社
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「ピースメーカー」 小路幸也

2021年06月16日 | 読書日記
中学の放送部に所属する二人(+幽霊部長、後に新入部員が追加)が学校の平和のために活躍する物語。
いかにも小路幸也らしい内容だけど、他の作品に比べてご都合主義の設定や展開がちょっと多いかな。

ロックが禁止されたら、クラシックと歌謡曲と映画音楽だけだと言ってるけれどジャズが有るだろう!!
ジャズ喫茶の息子もいるのに・・・。




ポプラ社
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「レスキュードッグ・ストーリーズ」 樋口明雄

2021年06月16日 | 読書日記
「レスキュードッグ・ストーリーズ」と言うタイトルの割には、犬があまり活躍しない話もいくつか。。
最後の2話みたいな話は、この作者が一番得意な内容。
こういうストーリ展開の物語を、安っぽくならないように感動的に書くのが上手いね。




山と渓谷社
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「アンマーとぼくら」 有川ひろ

2021年06月13日 | 読書日記
実母が亡くなってすぐ父親が再婚した義母に会いに沖縄に戻った主人公の3日間の物語。
実母と暮らしていた北海道から沖縄に引っ越してきた頃の思い出と、現実の義母との出来事が交錯しながら徐々に過去のことが明らかになって行くが、過去と現在が微妙にクロスしたりする。
ちょっとSFチックでしっくりこないが、最後の最後でもう一段のどんでん返しが待っている。

久しぶりの有川ひろだったけど、ご無沙汰している間に「有川浩」から「有川ひろ」に改名していたらしい。
そう言えば昔「ありかわひろし」と言う男性かと思っていたわ。。(笑)




講談社文庫
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「最終飛行」 佐藤賢一

2021年06月10日 | 読書日記
「星の王子さま」のサン・テグジュペリの青春記?

どこまでが事実なのか分からないけれど、この本の通りならばサン・テグジュペリはろくでもない奴。
ただ友人や恋人には恵まれたようで・・・。






文藝春秋
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「絶滅魚クニマスの発見」 中坊徹次

2021年06月08日 | 読書日記
学術書なので、「そうか、なるほど・・・」と思うしかないけれど、個人的には「興味深い内容を分かり易く解説した本」と言ったところ。

この本を読んで一番驚いたことは、今まで何度も短い解禁期間に釣りに行った本栖湖のヒメマスが、実はほとんどがヒメマスとクニマスの混血だったという事実。。。。

本は2部構成で、第一部は主に自然科学的な内容で説明や解説が多い。第2部は歴史や社会科学、人文科学的な内容になっている。

95年頃、近所の行きつけの釣具屋さんの店頭にクニマス探しキャンペーンのポスターが貼ってあるのを見てはじめてクニマスの存在を知ったが、話を聞いてまさかその後本当に発見されるとは思ってもみなかった。

調査研究結果をまとめて考察した本では最近、北沢房子の「諏訪の神さまが気になるの」を読んだがまとめかたが稚拙で、言いたいことをそのまま吐露したという内容だった。
この本のように、系統立ててまとめれば良いのに・・と思う次第・・。



新潮社
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「日記堂ファンタジー」 堀川アサコ

2021年06月05日 | 読書日記
堀川アサコ度は少し低い気がするけれど、らしいちょっとだけ不思議な世界の物語。
珍しく、ドタバタの要素も有って新しい境地? ・・とはいっても10年前に発行された書き下ろし。






講談社
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「メロドラマの日」 赤川次郎

2021年06月03日 | 読書日記
コルトレーンのレコードのように、たまに読みたくなる赤川次郎。

映画のスクリプタが主人公のお仕事小説。
「キネマの天使」と言うシリーズものらしく、前作に関係する話がところどころに出てくるけれど、読んでなくても全く問題ない。
スクリプタのお仕事小説と言えば、長岡弘樹の「つながりません」だけど、それを読んでいたおかげでそんな特殊な仕事の内容を知っていて、すんなり読めた。

事件が起こって主人公が探偵役になって解決に導くという赤川次郎のお約束。



講談社
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