toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「虹の岬の喫茶店」 森沢明夫

2014年10月31日 | 読書日記
「癒し家キリコの約束」を読んだらこの話の舞台らしき喫茶店が登場したので読んでみたいと思っていたけれど、先に読んだ妹が回してくれたのでようやく読むことができた。

内容はいつもの森沢作品と同じで安心してサックと読める。
読後感も良い秀作。


幻冬舎
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「絶叫」 葉真中顕

2014年10月30日 | 読書日記
また生活保護費にまつわる話かと思ったらちょっと違った。

NPO法人の代表理事が殺される事件が発生する(1)。後で明らかになるけれどこれが生活保護費を利用した貧困ビジネスのNPO。
継いで鈴木陽子という女性と思われる死体が発見される(2)。

2の事件の捜査をする綾乃の話と、陽子の生い立ちの話、その合間に関係者の証言の形で1の話が挟まる形式で物語が進む。
3つの話が進むに連れ、陽子が1の事件に関係していることが明らかになっていく。
そしてどんでん返しの完全犯罪・・・・。

物語そのものは非常に面白いけれど、構成が懲りすぎ。
冒頭が1の事件の新聞記事。継いでプロローグとして綾乃が2の事件現場に初めて訪れる場面。その後、本編が始まる構成だけど、こんなふうに分ける意味がない。
また、陽子の生い立ちの部分はなんと二人称で書かれている。この手法が最後に意味を持つような構成になっているけれど、それほど効果的とは思えず、ただ読みにくいだけ。
ストーリがよくできているだけに残念。


光文社
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「パレートの誤算」 柚月裕子

2014年10月26日 | 読書日記
生活保護の不正受給に絡む役所の担当者と暴力団と警察の物語。
事勿れ主義のお役所思考には相変わらず嫌になるけれど、正義感に燃える人たちの姿には心打たれる。
不正受給や役所の実態を明らかにしながら、ストーリーもしっかりしていて読み応え充分。

刑事の若林が一般市民に対して命令口調で話すところにかなりの違和感が有る。


祥伝社
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「幻想探偵社」 堀川アサコ

2014年10月26日 | 読書日記
この世に未練があって成仏できない幽霊のための『たそがれ探偵社』に関わることになった中学生の海彦とユカリの物語。
設定や登場人物にリアリティが無いものの、ライトミステリーとしては楽しめる。



講談社
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「デビル・イン・ヘブン」 河合莞爾

2014年10月24日 | 読書日記
河合莞爾連続3冊目。

東京オリンピックに合わせて東京湾にオープンしたカジノを巡る物語。
序盤、時間は前後するものの次々と事件が起こる。
小説なんだから当然それぞれの事件が伏線になっていると思いつつ、細かいところは忘れてしまう。
中盤から後半にかけて、過去の事件の関係者が次々と登場するので、この人誰だっけ?状態が続く。
大団円を前に主人公が死んでしまうのには驚いた(笑)。
これだけ壮大なスケールなのに、ラストはイマイチ。


祥伝社
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「デッドマン」 河合莞爾

2014年10月20日 | 読書日記
「ダンデライオン」が面白かったので、同じ作者の作品と言うことで読んでみたら、同じシリーズだった。

複数の人間の体の一部ずつをつなぎ合わせて、一人分の体を作ると言うのは島田荘司の「占星術殺人事件 」から着想したと思われる。
ホラーかと思ったら全く違う普通のミステリー。
細かいことは拘らず、サラッと読めば面白く読める。


角川書店
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「ダンデライオン」 河合莞爾

2014年10月19日 | 読書日記
一卵性双生児ネタのミステリー。
刑事の姫乃広海の設定がリアリティに欠けるとか、色々あるけれど全体としては良くできていて楽しめた。
もしかしたらシリーズものの続編なのかも・・・?


KADOKAWA
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「数学記号の誕生」 ジョセフ・メイザー(訳:松浦俊輔)

2014年10月18日 | 読書日記
『数字、「+」、「ー」、「π」、「i」(=√-1)、・・・などの数学記号がこうやって生まれたんですよ。』といった内容の本を期待していたら全く違った。
内容が複雑な上に、原本のせいなのか翻訳のせいなのかわからないけれど文章が非常に理解しにくいので書いてあることがちっとも分からない。


河出書房新社
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「瞳の犬」 新堂冬樹

2014年10月16日 | 読書日記
身障者の介助を行う『介助犬』(盲導犬みたいな犬だけど違います)を育成している訓練士の達郎と介助犬を目指す(目指させられる)テレサの話。
犬との触れ合いの物語ということで、馳星周の「ソウルメイト」を思い出す。

中盤から達郎とテレサに降りかかる不幸と、周辺の人達の暖かさ。それ以上に健気なテレサの姿がハイライト。

途中に過去の文章のコピペが何度も登場するところが減点。要約するとか言い回しを変えるとかして欲しかった。



KADOKAWA
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「猫が足りない」 沢村凜

2014年10月14日 | 読書日記
猫が大好きだけど事情が有って飼えない四元さんは「猫が足りない」と言う。
彼女と偶然関わることになってしまった就職浪人の主人公が、彼女のために様々な事件に巻き込まれてしまうというライトミステリーの連作短篇集。
表紙やタイトルのイメージとは全く異なる内容で、設定やストーリも結構面白い。
清水義範が三浦しをんのパスティーシュしたような感じ・・・かな。


双葉社
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「アガサ・クリスティー賞殺人事件」 三沢陽一

2014年10月13日 | 読書日記
作者は(多分)私の高校の後輩。

本作は5編の連作短篇集。
最後の作品以外は、主人公が夢の中で謎を解いたところで終わっていてまったく中途半端。
最後の一作はそれこそなんだかなぁ・・・の話。


早川書房
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「遥かなる城沼」 安住洋子

2014年10月12日 | 読書日記
学問の才能のある弟と剣術の才能のある妹を持つ惣一郎と、幼馴染の梅次と寿太郎の友情の物語。
母親の期待が大きすぎる寿太郎が仲間から離れていくが、最後にはその仲間に助けられるというありがちな話で、特に感動的でもない。
メインとなるストーリより、兄弟達との話や剣術の師匠朝倉の話のほうが面白い。

ちなみに私の妹は剣術をたしなみませんが、弟は成績優秀で、ちょっと境遇が似てる。。


小学館
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「復活祭」 馳星周

2014年10月11日 | 読書日記
欲望、恨み、愛情、プライドのため、それぞれの人間がその時々の思惑で敵になったり味方になったりしながらのサスペンス。
最後まで変わらなかったのは彰洋の美千隆への忠誠心と探偵の山田くらい。
ストーリ展開の割にはラストがあっさりしすぎ。


文藝春秋
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「こぼれ落ちて季節は」 加藤千恵

2014年10月08日 | 読書日記
愛の話の後、愛が付き合ってる男と仲の良い那美香の話が続き、次には愛や那美香と同じサークルの旬の話・・・という風に何となく関連を持たせた連作短篇集。
最後はまた数年後の那美香から愛に戻って終わる。

本を良く読むようになる前だったらかなり良いと思ったと思うけど、割と普通と感じた。


講談社
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「セロニアス・モンクのいた風景」 村上春樹 編・訳

2014年10月06日 | 読書日記
この本を読んでる間、ずっとモンクを聞いていた。

原文のせいか翻訳のせいかわからないけど、主語がとんでもなく遠いところにあって、なんだかよく分からない文章があちこちに・・・。
(それとも私の読解力不足?)
モンクを知らない人や、興味のない人が読んでも面白くないかもしれないけど、モンクファンには嬉しい一冊。

巻末の年表で58年7月のニューポートの記述。映画の「真夏の夜のジャズ」は良いけれど、「マイルス&モンク・アット・ニューポート」に収められているのは63年7月の方です。


新潮社
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