toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

最近読んだ「なんじゃこりゃ」

2009年10月25日 | 読書日記
まずは大石英司の「神はサイコロを振らない」。
設定はSFっぽいけど、それ以外は普通の小節。
話としては非常によく出来ていて、最後は感動の連続なんだけど、舞台設定が非現実すぎでなかなか入っていけない。
完全なSFにしちゃったら良かったかも。
確かに量子力学では、何も無いところに物質が生成するけれど、それは素粒子の話で飛行機が丸ごと一機というのは有り得ません。
真実味を与えるために量子力学を持ち出したんだろうけど、理系の大学の卒業レベルの知識がある人には逆効果。
いっそ現代科学には無い理論を持ち出したほうがよかったと思います。
(もしかして私が習った時から、量子力学がそこまで進んだ?)

次は京極夏彦の「姑獲鳥の夏」。
密室殺人の謎解きミステリーだけど、謎解きが「そこに死体が有ったのに見る人の意識に無いため見えなかった」って・・・
厚さが26mmもある本の最後の落ちがこれじゃあちょっと。。
これを読んだため全く期待せずに読んだ同じシリーズの「魍魎の箱」(なんと厚さ43mm)は納得できましたが。
それにしても著者の趣味なのかこの2冊以外も京極作品は表紙がねぇ。
絵がリアルだけに不気味さは夢野久作以上。

最後は乃南アサの「殺意・鬼哭」。
2つの中篇がそれぞれ同じ事件の加害者の裁判と死ぬときの被害者の意識からなっている作品。
なんじゃこりゃと言うのとはちょっと違うけどひとこと言いたい。
裁判と被害者の回想から徐々に背景が明らかになっていく手法は斬新だけど、ストーリーの展開がもたもたしていて、他の乃南作品と比べて数段落ちると思います。

逆に最近読んだ中で良かったのは、椎名誠の「アド・バード」。
宮部みゆきの「ブレイブ・ストーリー」の原型みたいな話です。
コメント
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