「ヒッグス粒子を追え」 フランク・クローズ

ホーキングの本などとは違って、物理の本では有りません。
量子力学以降の論理物理学で誰がどういう仕事をして、そのためにどう発展して行ったかというドキュメンタリー。
運や駆け引きでノーベル賞が取れたり、固有名詞に名前が付いたり・・。
科学者と言う人達は純粋な人ばかりだと思っていたけど、結構打算で政治的な活動する人も居るんだなぁ・・と言うのが感想。
当然物理の話も出てくるけれどそれが理解できなくてもストーリーは追えます。
大学の授業で聞いた内容は、量子力学までだったので私も良く知らない世界でした。
私的には、それよりもカタカナの名前が頭に入ってこないので、誰が誰だかさっぱり分らす、この人はd誰だっけ？状態でなかなかストーリが理解できなかった。。

ダイヤモンド社

「オトナも子供も大嫌い」 群ようこ

主人公のアケミが小学校に入る前から中学生になった時までのことを描いた話。
家族構成などは群ようこ自信と同じ（彼女のエッセイなどから推測）になっているので彼女の実話体験に基づいていると思われる。
アケミはちょっと大人びた考えをする子供で（つまりひねくれている）、なんだか自分の子供時代に似ているところも有って、共感する部分が多かった（笑）
そんなアケミが冷静に同級生や周りの大人を観察しながら、しかし子供らしい行動をするのがかなりリアルで楽しめる。

筑摩書房

「ロード＆ゴー」 日明恩

「埋み火」「鎮火報」と同じく消防署の話だけど、こちらの登場人物は救急隊員。
救急車ジャック事件が、救急システムに対する問題点をさり気無く提示しながら思わぬ展開になっていく。
最後はマンガチックな展開になるけれど、ちょっとだけ感動的という日明恩の世界。


双葉社

「ギョットちゃんの冒険」 阿川佐和子

童話と言えば確かにそうなんだけど、決して子供向けの安っぽいものではない。
童話の体裁の小説・・
著者による各ページの欄外のイラストも良い味出してる。


大和書房

「埋み火」 日明恩

いかにも日明恩らしい作品。
キャッチコピー風だと、ミステリーあり、ユーモアありの青春小説と言ったところ。
鎮火報と同じ登場人物だけど、シリーズ展開してるなら他のも是非読みたい。

講談社

「科学の扉をノックする」 小川洋子

科学施設や科学者を訪ねるという良くあるタイプのエッセイ集。
この本で面白いのは、本題に入る前にその分野について著者が自分の思いを書いているとこと。
文系の人って、こんな風に思ってるの？？って発想の違いが面白い。
私も知らない世界のことも出てきて興味深かった。

集英社文庫

「煙が目にしみる」 石川渓月

セントジェームス病院と同じく、スタンダードの曲名に釣られて選んだ一冊。
内容は一人でヤクザの組織に立ち向かうと言う典型的なハードボイルド。
タイトルから想像つくように、主人公は何かというと煙草を吸う。
ストーリ的には必要の無い場面での喫煙は、小説の中と言えどもちょっといい加減にして・・って感じ。。


光文社

「晩夏のプレイボール」 あさのあつこ

高校野球がキーワードの短編集。最初の話と最後の話だけが繋がっているけど、後は全て独立した話。
高校野球がキーワードといっても、高校球児の話だけでなく、主人公は元球児だったり、高校野球にあこがれる少年だったり、その親だったりと様々。
ジーンとする話が多いです。


毎日新聞社