toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「植物忌」 星野智幸

2021年05月31日 | 読書日記
植物をテーマにしたシュールな短編小説集。

人と植物が一体化するという内容の物が多い。
三崎亜紀の世界に近いけれど、描写が貧弱でなり切れない感じ。

「あとがき」の後におまけのように載っている最後の「喋らん」が一番良かったが、これも筒井康隆の二番煎じ感満載。






朝日新聞出版
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「ぐるり」 高橋久美子

2021年05月27日 | 読書日記
短編小説集。

はじめましての作家だけど、どの作品も外れは無くて70点~90点と言った感じ。
SFだったり、人間以外の主人公の話だったり色んなタイプの話がごちゃ混ぜと言った感じで統一感はないが、全く関係ない他の作品の登場人物が出てきたりするのはちょっと面白い。
(だから「ぐるり」??)

これが著者の最初の小説集と言うことだけど、2作目が出たらまた読んでみたい。



筑摩書房
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「貴方のために綴る18の物語」 岡崎琢磨

2021年05月25日 | 読書日記
18の短編が作中小説となって、全体に一つの話になるという凝った構成になっている。
いわゆる額縁小説で、アラビアンナイトと同じような形。

それぞれの短編小説はそれぞれ全く独立していて関連性が無い。
「タレーラン」シリーズが今一歩の感じだったからあまり期待していなかったが、ほぼ思った通り。
比較的良いものも有るけれど、ほとんどがもう一つ何か足りない感じの作品。
その中でも良かったのは「インタビュー」「いじめロボット」「金婚式の夜」の3作。

額縁となる物語は無い方が良かった。





祥伝社
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「風は山から吹いている」 額賀澪

2021年05月24日 | 読書日記
私の読んだ額賀澪はどれもあまり一般的ではない世界の話ばかり。
これは登山だから、そこまでは特殊ではないかもしれないけれど、やっぱりなじみのない人は多いんじゃないかな。。

主人公が筑波岳(つくばがく)、岳を登山に誘い込んだ先輩が梓川穂高。
何とも安直なネーミングかと思っていたが、安直なネーミングが物語のポイントになってくる。
純粋に登山に興味の無かった青年が山に目覚める話で、サスペンス風な展開は余計だと思っていたけれど、これで良かった。
ただ、岳が目上の人と話するときも自分のことを「俺」と言うのがちょっと気になった。

山での描写が割とリアルでなかなか良い感じなんだけど、作者は実際に登ったのかな??






二見書房
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「クロスケ、恋をする」 高橋由太

2021年05月23日 | 読書日記
「大江戸あやかし犯科帳 雷獣びりびり」シリーズ第3弾。

シリーズ第2弾の「クロスケ、吸血鬼になる」に続いて、これもイマイチ感が強い。
登場人物達の過去が明らかになり長く続く感じだけど、これからどんな感じになるんだろうか?
次回、立て直してくれると良いけど・・・。





徳間文庫
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「クロスケ、吸血鬼になる」 高橋由太

2021年05月21日 | 読書日記
「大江戸あやかし犯科帳 雷獣びりびり」シリーズ第2弾。
出版社が違うにもかかわらず「オサキ」と同じようなイラスト付きの登場人物紹介が目次の後
に付いた。

前作は連作短編集と言った感じでそれぞれの話が独立していながら何となく繋がっていると言った構成だったけれど、今回は全体で一つの物語となっている。

前作がかなり面白かったので、期待して読んだけど内容はイマイチ、残念。
タイトルもプロローグに多少関係するものの、内容とは関係ない。

やっぱりこのシリーズは統子とクロスケが活躍しないと・・・・。




徳間文庫
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「びりびり雷獣」 高橋由太

2021年05月21日 | 読書日記
このシリーズは初めて読んだけれど、同じ作者の「オサキ」シリーズよりも面白い。
設定はともかく、登場人物(妖怪)のキャラ設定がみんな良い。
特に、統子とクロスケのコンビと河童の九助がお気に入り。

楽しみなシリーズを一つ見つけました。




徳間文庫
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「21」 小路幸也

2021年05月19日 | 読書日記
今は無くなってしまった中学校で同級生だった21人の物語。

小路幸也らしいホノボノ系の物語なんだろうなと思って読み始めたら、同級生の一人のところに、クラスメイトが母校の教室で首吊り自殺したという連絡が入るところから始まる。
担任の先生を中心に仲の良かった21人の同級生の様子が徐々に明らかになって行く過程で、そのうちの何人かが自殺の原因が自分にあるのではないかと考えだす。
どうも私の思っている小路幸也の世界とは違って、かなりドロドロした内容。
謎解きっぽい展開になったラストも、後日譚の分もイマイチすっきりしない。

晶が居なくなって、サイトの管理は誰がやってるんだろう??






幻冬舎
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「二十面相暁に死す」 辻真先

2021年05月17日 | 読書日記
辻真先の怪人二十面相シリーズ第二弾。
前半4分の1くらいで一つの事件が終わり、残り4分の3とで2つの物語という構成。

最初の事件のトリックが時刻表には載っていない特別列車と言うのはかなりズルい気がするけど・・。
第一弾の「焼跡の二十面」も同じようなものだったから、このシリーズはこういうものなのかも。

後半のメインの物語は途中で犯人が分かってしまった。
やっぱりジュブナイルと言うことなのかな??





光文社
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「野原できみとピクニック」 濱野京子

2021年05月10日 | 読書日記
中高一貫のエリート私立高校に通う世間知らずの優弥(ゆうや)と、底辺の高校に通いアルバイトしながら二人の弟たちの面倒を見ている稀星(きらら)の恋愛物語。
不良に絡まれているところを助けたところから恋愛が始まる。
ただし助けた方は女性の稀星。

二人の対比を強調するように、それぞれの高校通う生徒達やその家族をを極端に描写したり、住んでる場所も反対方向と設定したり、それぞれの高校のあるある場所が線路を挟んで分かれているが、そこにまったく行き来がなかったりとちょっと不自然。
また稀星の言葉遣いも極端すぎる。
少なくとも好きな男の前ではそんな言い方しないだろう・・・と思う。

ストーリ展開も良く有るパターンで、嫌な奴だと思っていた人が実はそうでもなかったというのもお約束。

と言った感じで、突っ込みどこと満載の上、登場人物はステレオタイプ、で予定調和のストーリ展開だけど、文章は読みやすくさらっと読める分かり易い表現で実は割と気に入りました。




偕成社
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「防波堤」 今野敏

2021年05月07日 | 読書日記
「横浜みなとみらい署暴対係」シリーズ。

横浜みなとみらい署暴対係を舞台にした連作短編集。
「はぐれ長屋の用心棒」シリーズのように、新しい話になるたびに登場人物の説明が入る。
「はぐれ長屋の用心棒」は1冊で1話の長編だからまだ許せつけれど、短編集でそのたびに同じ説明が出てくるのはちょっと諄い。
単行本にまとめるときに手直しして欲しかったな。

同じシリーズの「大義」を読んで面白かったのでシリーズを遡ってこれを読んでみたが、これも内容は面白かった。
今のところ今野敏に外れは無い感じ。




徳間書店
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「大義」 今野敏

2021年05月03日 | 読書日記
横浜みなとみらい署暴対係シリーズは気になっていたけれど、何となく手に取らずにいたが今回たまたま新刊コーナで見かけたのを機に読んでみることに。

警察の暴対係というからには新宿鮫のようなハードボイルドかと思ったら全くそうではなかった。
部隊が警察というだけで、人情物語。

文章も簡潔でストーリも分かり易く、1つの話もサクッと読める長さで、ちょっとした時間に少しずつ読むのにちょうど良い。

このシリーズ、他も読んでみようかな。




徳間書店
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「泳ぐ者」 青山文平

2021年05月01日 | 読書日記
「半席」の続編となる作品。
「半席」は連作短編集であったけれど、本作は長編となっているが、前半は過去の事件の回想となっていて実質的には2つの中編と言った感じ。

前半の物語は内藤雅之が不在の間に主人公の片岡直人が一人でかかわった事件という設定。
京極夏彦を連想させるような観念的な内容だったけれど、だらだらとした展開でストーリもイマイチ。

後半はタイトルの「泳ぐ者」の事件の真相に迫る話。
会話で説明している時代背景はイマイチ理解が追い付かないけれど、ストーリには関係しないから問題ない。

主人公の片岡直人の仕事柄仕方ない部分も有るけれど、本人の頭の中でやたらと理屈をこねまわしてばかりの展開はちょっと勘弁して欲しい。
そのごちゃごちゃをもう少し簡潔にまとめれば半分くらいの長さになる。






新潮社
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