toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「宇宙を解く唯一の科学 熱力学」 ポール・セン 訳:水谷淳

2021年07月31日 | 読書日記
熱力学の発達の歴史をたどりながら分かり易く解説した本。

カルノー、ジュール、マックスウェル、ボルツマン、プランク・・・・といった大学の講義で、法則・方程式・定数などで登場した人物の背景と歴史的な仕事を紹介していて、ただ暗記するだけの式や定数が何となく身近になった。
熱力学の歴史の中にこんなエピソードが有ったのか・・・という話ばかりで面白く読めた。

ただ原文のせいなのか翻訳のせいなのか分からないけれど、意味が分からなかったり理解しにくい箇所がたまにあって読むのに苦労した箇所がいくつかあった。

終盤の情報量を熱力学と結びつける話と、宇宙全体をブラックホールに例える話ははじめてで目から鱗。





河出書房新社
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「ランチ酒 おかわり日和」 原田ひ香

2021年07月29日 | 読書日記
「ランチ酒」の続編

「ランチ酒」は話が広がりすぎてまとまりが無い感じだったけれど、それぞれの話が解決の方向にすすみ物語も徐々に収束して読みやすくなってきた。
投げ出さなくて良かった(笑)。







祥伝社
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「ランチ酒」 原田ひ香

2021年07月28日 | 読書日記
一晩中依頼されたターゲットを見守って、仕事終わりに様々なランチタイムの店で食事しながら一杯飲むという物語。
店のメニューとお酒のグルメ小説家と思って読んでいると、徐々に主人公の犬森祥子のプライベートが明かされていき、これはこれで重たい話だし、同時に依頼人の物語も有りちょっと焦点がはっきりしない。





祥伝社
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「ミラーワールド」 椰月美智子

2021年07月27日 | 読書日記
「緑のなかで」が面白かったから読んでみたけれど、最初に読んだ「伶也と」と同じく全く面白くない小説でした。

男女が逆転した男女格差の世の中を描いていた話。
何十年も前のような極端な男女格差状態を、ただ男と女を逆にして淡々と書かれている。
読んでいて、何が言いたいのか着地点がさっぱり見えない。
プロローグで語られた短い話も宙に浮いたまま。

一体どういう結末になるのだろうと、つまらない話を我慢しながら読み続けたらありきたりな展開と意味不明なエピローグ。

やっぱりこの作者は合わないのかも・・・。







角川書店
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「南の風に誘われて」 椎名誠

2021年07月26日 | 読書日記
「旅の窓からでっかい空をながめる」「この道をどこまでも行くんだ」の系統で、旅先で撮った写真1枚+エッセイの構成を、「あるいて行くとぶつかるんだ」のようにテーマ別に編集した本。
アバンギャルドな形容詞や独特の言い回しはほとんど無くて、シーナも年取って過激さが薄まってきた感じ。





新日本出版社
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「無花果の実のなるころに」 西條奈加

2021年07月25日 | 読書日記
どこにも謳ってないけれど、「お蔦さんの神楽坂日記」シリーズの最初の作品。
これを出したときはシリーズ化の予定はなかったんだろうか?

シリーズ2巻の「いつもが消えた日」、3巻の「みやこさわぎ」と読んで、遡ってこの本にたどり着いた。
やっぱりシリーズ物は順番に読んだ方が良いね(笑)。






東京創元社
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「大癋見警部の事件簿リターンズ」 深水藜一郎

2021年07月24日 | 読書日記
タイトル通り「大癋見警部の事件簿」の続編。
「大癋見警部の事件簿」がイマイチだったので全く期待していなかったが、まさに予想通り。

第二部の「とある音楽評論家の、注釈の多い死」は構成が凝っていて内容もそれなりだったけれど、ちょっとしつこすぎるし、ミステリーとしては最初から犯人の見当がついてしまうし、惜しい作品。






光文社
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「みやこさわぎ」 西條奈加

2021年07月23日 | 読書日記
「お蔦さんの神楽坂日記」シリーズ第3巻。
と言っても読むのは第2巻の「いつもが消えた日」に次いで2冊目で、第1巻の「無花果の実のなるこりに」は未読。

このシリーズはお蔦さんをはじめ登場人物のキャラクターが良くできているところと舞台の神楽坂の描写が魅力的。
もし、国立受かってなかったら滑べり止めの理科大に行ってたから、この街に馴染になったかもしれなかったと思うとちょっと感慨深い。

最後の「ポワリン騒動」はお蔦さんがあまり登場しなくてちょっと物足りない。






東京創元社
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「国会議員基礎テスト」 黒野伸一

2021年07月22日 | 読書日記
原田マハの「総理の夫」とか三萩せんやの「アゲハの公約」などと同じく、現状の政治家に問題意識をもった人が理想を求めて政治家になる話。

国会議員3代目のボンクラ議員の黒部優太朗は、先代からの政策秘書の橋本繁に任せっきりで何もしない。
そこで橋本は優太朗に公開国会議員検定試験を受けさせ議員を引退させ、後釜に座る。
その後苦労して現実を目の当たりにした優太朗は、現状を何とかするため無所属で立候補。
国会議員のレベルを保つために国会議員基礎テスト導入を公約とする橋本と対決することに。
従来の政治を継承しようとする与党候補と3つ巴の戦いの結果はいかに・・・。

政治家がここに登場するような人ばかりだと良いんだけどね。
実際に国会議員基礎テストをするなら是非漢字の読み方も入れて欲しいな。
「未曾有」とか・・・・。







小学館
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「世界でいちばん優しいロボット」 岩貞るみこ

2021年07月20日 | 読書日記
3つの中編ノンフィクション。
ロボットのSFかと思ったら、子供向けの本でした。

「幸せを運ぶチョコレート」
メゾンカカオの創業者の石原紳伍の伝記。

「魚をにがす漁師さん」
アナゴ漁の新しいしけかけについて考案した漁師の斎田芳之、県水産試験場の清水訽道訽、海洋大の東海研究室の人達の物語。

「世界でいちばん優しいロボット」
オリィ研究所の創業者の吉藤健太郎の伝記。





講談社
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「医学のつばさ」 海堂尊

2021年07月19日 | 読書日記
「医学のたまご」「医学のひよこ」の続編。

「ひよこ」を読んでいないので思いもしない展開になっていたことにびっくり。
「たまご」はリアリティはないもののちょっと設定が特殊な物語として読めたけれど、「ひよこ」で大幅に方向転したらしく完全なファンタジックジュブナイルと言った感じになっていた。

「ひよこ」を読んでないと分からないことだらけだから、これから読む人には「たまご」はともかく「ひよこ」を先に読むことをお勧めする。

個人的には海堂尊の作品の中では最低でした。







角川書店
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「夏服を着た恋人たち」 小路幸也

2021年07月18日 | 読書日記
「マイ・ディア・ポリスマン」シリーズ第3弾、

相変わらずの小路幸也ワールドだけど、このシリーズの登場人物の設定とかストーリ展開にリアリティがなくてイマイチ。。
特に今回の話は現実離れしすぎで子供むけのアニメみたいな内容。
今のところ、このシリーズはこれで終わっているみたいだけど、そう言いながら続編が出たら読むんだろうな。。。。





祥伝社
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「ユートロニカのこちら側」 小川哲

2021年07月17日 | 読書日記

先日読んだ本谷有希子の「あなたにオススメの」収録の「推子のデフォルト」を連想させる世界。
6章構成になっているけれど、6つの連作短編集と言った感じで登場人物がかぶったりするものの舞台も主人公も異なる。

現在の中国を極端にしたような自由の無い(本人はそう思っていなかったりするが)監視社会。
最後は哲学的な内容になって行く。





早川書房

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「いつもが消えた日」 西條奈加

2021年07月15日 | 読書日記
「いつもが消えた日」って今のことだと思って選んで本。

小路幸也の「花咲小路」シリーズのような、人情ものミステリー(なんて言い方あるのか?)。

シリーズものの2作目らしいけれど、1作目は未読。
昔ながらの商店街に住む探偵役の祖母と主人公の中学生。

ミステリとしてはイマイチだけど、背景やキャラクタ設定もストーリも申し分ない。
今まで読んだ西條奈加では一番。
前作も是非読みたい。





東京創元社
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「春は始まりのうた」 小路幸也

2021年07月15日 | 読書日記
「マイ・ディア・ポリスマン」の続編。
と言っても調べてみたら私が「マイ・ディア・ポリスマン」を読んだのは、ちょうど4年前だったんで、ほとんど覚えていなくてほぼ「はじめまして」状態。
読んでるうちに何となく思い出す程度。

内容はライトミステリーと言った感じだけど、サイドストーリ的に未解決の警察内部の汚職事件が有ったりして、今後はこちらが中心になって行く予感。





祥伝社
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