toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「雨上がりの川」 森沢明夫

2021年02月26日 | 読書日記
適当に選んで読んでる本だけど、ここのところ詰まらなかったり重かったりした作品が続いたので、気分を変えようと森沢明夫をセレクト。
いつもの良い人しか登場しない単純明快なホンワカ作品を期待していたのに、ちょっと違う雰囲気。
そういう意味では期待外れなところが有ったけれど、これはこれでそれなりに面白かった。
(ただし森沢明夫らしくない・・・・)

春香が千太郎さんに逢いに行った場面で結末が想像できてしまった。
その後の展開は想像した結末に一直線と言った感じで、瑠美さんのトリックまで全て思った通り。
意外性が全くなかった。
結果、春香が母の洗脳を解くことによって自分自身も変わることができて良かったのかな・・。






幻冬舎
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「夜叉神川」 安東みきえ

2021年02月21日 | 読書日記
ジュブナイルホラーと言った感じの短編集。
どれも夜叉神川もしくはその周辺での出来事になっているけれど、それぞれの作品に関連性も無ければ必要性も無い。

呪いが実現するといった内容の話が3篇続いたのち、ちょっと変わって「スノードロップ」はホラーではなく少年が老人と心を通わせる話。

最後の「果ての浜」は夜叉神川の近くに住んでいる少年が沖縄に旅するという話ですでに夜叉神川は舞台背景ですらない。
悲しい歴史と恨みのホラーだけど、これが一番良かった。




講談社
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「老婦人マリアンヌの部屋」 荻野アンナ

2021年02月20日 | 読書日記
離婚して仕事も辞めて姪のクリコと共に暮らしているモエが、ひょんなことから老婦人マリアンヌのホームヘルパーになる。
その後は、どうでもいい話がグダグダ続くつまらない話。




朝日新聞出版
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「紅蓮の雪」 遠田潤子

2021年02月17日 | 読書日記
双子の姉弟の朱里と伊吹。
自殺した姉の朱里の火葬の場面から物語が始まる。
現在と過去を行ったり来たりしながら、状況が徐々に明らかになっていく。

朱里の自殺の原因を知ろうとした息吹が、亡くなる一週間前に大衆演劇を見たことを突き止めてその劇団の公演を見に行ったところ、その場でスカウトされてそのまま劇団員になってしまう。
それによってやがて朱里と伊吹の出生に秘密が明らかになり、予想通りのハッピーエンド。

いきなり劇団に入る場面も含め、強引な展開がいくつも有ったりするけれど、ストーリは面白い。
若座長の慈丹が魅力的。





集英社
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「あなたがはいというから」 谷川直子

2021年02月14日 | 読書日記
小説家になった亮の講演会をきっかけに大学時代の同級生達が集まり、その場で当時彼の恋人だった瞳子と再会してから1年間の物語。

卒業してからそれぞれ家庭をもっていた二人がまた魅かれあって行く純愛物語を目指したんだろうけど、瞳子と亮の行動原理が全く理解できず、ストーリ展開に作者の思惑ばかりが感じられて全く面白くなかった。
脇役の彼等の同級生達が救い。





河出書房新社
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「ははのれんあい」 窪美澄

2021年02月09日 | 読書日記
最初は両親と縫製を仕事にしている智久と結婚した由紀子の物語。
以前読んだ「たおやかに輪をえがいて」と同じく、読み進めるのが辛くなるほど由紀子の日常をただ淡々と描くいている。
長男智晴の出産、ついで双子の弟の誕生、由紀子の離婚とちょっとしたイベントは有るものの物語が始まらないうちに真ん中を過ぎたところで第一部が終了。

第二部になると主人公は高校生になった智晴に代わるもののやっぱり日常が描かれるだけで読んでる方もイライラしてくる。
「たおやかに輪をえがいて」は途中から物語が動き出して面白くなるが、最後までそのままで始まるんだろうと思っているうちに終わってしまった感じ。
智晴とは状況が似ていて、特別な状態に思えなかったらかもしれないけど・・・

各章のタイトルがひらがなになっているけど、ただ読みにくいだけ。
なんか意図が有るのかな??
ちなみにタイトルもひらがなで分かりにくいけど「母の恋愛」。

この作家は3冊目だけど、ちょっとあわないかも。。




角川書店
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「ばあさんは15歳」 阿川佐和子

2021年02月04日 | 読書日記
高校進学が決まった中学生の奈緒は、そのお祝いにばあさんの和(なごみ)と東京タワーに行った。
その帰り、下りのエレベータが止まる事故が有ったが無事に地上に降り立ったら、そこは昭和の時代。
仕方なく和の実家に行ってみるとそこには15歳の和がいるというところから物語が始まる。

和の家は何代も続いて従業員も何人も使う弁当屋で、「せっちゃん」こと節子という18歳の住み込みのお手伝いさんもいて、二人はみんなに親切にされる。
主人公の奈緒は群ようこの「パンとスープとネコ日和」に登場するしまちゃんのような男前な性格で、とても気が利くせっちゃんとはすぐに打ち解けて、一緒に喫茶店に行ったりするようになる。

3分の2くらいのところで現代に戻ってしまい、今後物語はどう進むのだろう?と思っていたけど、思わぬ展開で最後まで楽しめた。
ただ、戻ってくるとき一緒にエレベータに乗り合わせた人たちはどうなっちゃたんだろうという疑問が・・・・・。
タイトルも内容と合っていませんが。。。




中央公論新社
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「見えない星に耳を澄ませて」 香月夕花

2021年02月01日 | 読書日記
ミステリではないのに、全てがひっくり返る結末にはびっくり。

帯のコピーから想像していた内容とは全く違っていた。
音楽小説ではなく、音楽や音楽療法というのは物語の中で主要なキーワードだけど、物語のメインテーマではない。

音楽大学でピアノの勉強をしている主人公が、音楽療法の講義をとり音楽療法士のもとに実習に行くというストーリー。
ピアニストになるためにそれ以外の余計なことをして欲しくないと願う母親と無関心な父親。
家族の中で唯一の味方の兄。
大学の友人や行きつけの喫茶店の女主人。
それに音楽療法士の先生と、そこに通ってくる患者たち。
主人公を取り巻く彼等はみんな一癖あって、読んでいるだけで疲れてしまう。
でも結局は主人公に一番問題が有ったと言うことが最後に分かるけれど、それは別の話。。

ところで音大は(私立大学も?)、必須以外の余計な講義を選択すると授業料がその分追加でかかるのだろうか。

香月夕花は「水に立つ人」以来2冊目だけど、独特の世界を描く作家と言う印象。
工学部出身だからなのか?
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