toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「私はあなたの瞳の林檎」 舞城王太郎

2024年03月31日 | 読書日記

大学の時、ジャズ研でピアニストの友人がスティービー・ワンダーの「You Are The Sunshine Of My Life」の2回目のAメロの「You are the apple of my eye」と言う歌詞について、彼は盲目なのにこういう言い回しをしているのは素晴らしい・・・・と言っていた。
英語が苦手な私はそれを聞いて、流石ラ・サール出身者は英語に強い・・・・と感心していたけれど、後でそれは慣用句だと知って笑ったことが有った。
最近は中学の英語で習うイディオムらしいとこの本で知った。
と、本(と表題作)のタイトルからの思い出話。

で、この本だけど、3編の似たような匂いの中編小説集。
哲学的と言うより理屈っぽいだけで、何だか良く分からなかった。

 

 

2018.10.25

講談社

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「オリンピックがやってきた」 堀川アサコ

2024年03月30日 | 読書日記

副題の「1964年北国の家族の物語」の通り、青森の小さな町が舞台の連作短編集。
でも、オリンピックはエピローグに開会式を家族でテレビで見る場面が有る以外ほとんど無関係で、その年の出来事と言うだけ。

6つの物語プラスエピローグと言う構成だけど、堀川アサコらしい作品は第一話だけで、それ以外はあまりらしくない。
それぞれの話はどれも主人公やテーマが違っているので、色々楽しめるところが良い。

 

 

 

 

 

2017.9.1

KADOKAWA

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「侵略者」 福田和代

2024年03月29日 | 読書日記

何の説明も無い専門用語が次から次へと出てくるので、いちいち調べながら読んでいたら中々先に進めずに苦労した。
中盤になって新出の専門用語も少なくなり、物語も落ち着きようやく落ち着いて読めるようになるけれど、依然として詳細は不明のままで気分は宙ぶらりん。
それが最後まで行っても、謎が残るだけでなく増えるばかり。
続編で解決してもらわないとすっきりしない。

 

 

 

 

2020.5.30

光文社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「火輪の翼」 千葉ともこ

2024年03月26日 | 読書日記

昔中国に有った燕という国の物語。

とにかく、文章に凝り過ぎのうえ説明が足りないので状況はなかなか理解できない。
先に燕について調べたので、少なくともそれぞれの戦いの結果は分かっていたから何とかついて行けたという感じ。
敵と味方が混沌としてただでさえ複雑なのに・・・。

また交戦シーンでは描写が稚拙すぎて、池波正太郎のように闘う様子が目に浮かぶようなことは全くない。

折角面白い物語なのに、理解力の無い私には読むのが辛かった。

 

 

 

 

2024.3.10

文藝春秋

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アルプス席の母」 早見和真

2024年03月24日 | 読書日記

テーマとしては加納朋子の「七人の敵がいる」と共通するところが有るけれど、主人公の性格が正反対。
こちらはひたすら流されるタイプだけど、たまにちょっと意地も見せる。
私自身は「七人の敵がいる」の陽子タイプだけど、こちらの菜々子により共感を覚える。
内容は、子どもと母の二人の成長物語と言ったところで、とても良かった。
今度の本屋大賞にノミネートされそうな作品。

どこまでが真実か分からないけれど、実際にこんな感じだったら普通の公立高校が甲子園に行くなんて(特に激戦区では)恐ろしくハードルが高い。

 

 

 

 

 

2024.3.20

小学館

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「dele」 本多孝好

2024年03月23日 | 読書日記

「dele」はdeleteのことかな?
例えれば、梶よう子の現代版のような内容。

他人の生活に関わっていくきっかけのある職業は色々ある(例えば弁護士とか・・)けれど、この作品はその設定がユニーク。
しかも本人が亡くなった時から本当の繋がりが始まるのだから内容もユニークになる。
ただ、物語を進めるためとはいえ祐太郎の行動は設定に反することばかりで、「それで良いのか?」と思ってしまう。。

 

 

 

 

2017.6.29

KADOKAWA

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「黄金の代償」 福田和代

2024年03月22日 | 読書日記

成り行きで犯罪に手を貸した主人公が事件の真相を追いかける物語。
犯人なのに探偵役と言うことで物語はどんどん複雑になっていく。
新しく現れる登場人物が敵か味方か分からなくて、終盤になっても全く見えてこない。
最後の最後にようやく真相にたどり着き、その意外過ぎる結果に驚くけれど、ちょっと捻り過ぎ。

 

 

 

2018.9.28

KADOKAWA

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「二百十番館にようこそ」 加納朋子

2024年03月20日 | 読書日記

挫折した青年が仲間と共に立ち直って成長していくという良く有る物語だけど、加納朋子が料理するとこんな風に仕上がるんですね。
登場人物達のキャラ設定が良くできているので、ちょっと無理っぽいストーリ設定だけどすんなり読める。
ただ、ゲーム関係の話は7割くらいしか理解できなかった。。

 

 

 

2020.8.5

文藝春秋

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ジーノ」 本城雅人

2024年03月19日 | 読書日記

設定もストーリも面白いけれど、色んなところで詰めの甘さを感じる。
物語の流れや登場人物の行動が不自然だったり、描写に違和感が有ったり・・・。
大沢在昌や北方謙三の世界を目指したけれど、残念ながらあと一歩及ばなかった。

 

 

 

2013.1.30

朝日新聞出版

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「火災調査官」 福田和代

2024年03月18日 | 読書日記

消防本部の火災調査官が連続放火事件の犯人を追うミステリ小説。

実際にそういう組織が有るのかは不明だけど、各消防署にそれぞれ、そして消防本部に火災調査官と言う担当者が居て火災の原因究明と再発防止の担当をしているらしい。
この小説は消防本部で一匹狼的な存在の東が、各消防署の火災調査官や警察と協力しながら犯人捜しをするという設定。
徐々に犯人に迫っていく過程は面白いけれど、最後にいきなり犯人を指摘するのは唐突過ぎる。
ミスリードも全くされなかったし(そもそもミスリードしようとしていた?)、伏線もほとんど無くて結末にはあまり納得できなかった。

 

 

 

 

2016.9.30

東京創元社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「JAKE THE STARDUST」 中島秀人

2024年03月16日 | 読書日記

軽快な文章とストーリ展開でサクサク読めた。ちょっと荻原浩を彷彿させる。
ただ、特に初めの方では校正が甘くて、文章がおかしかったりで戸惑うところも。
また、凝り過ぎの描写が多すぎて物語が中々進まないため、無駄に長くなってる感じはするけれど、これは読んでるうちに慣れてくる。

説明不足で登場人物達の行動原理がほとんど理解できないけれど、そのうちに既成事実になってしまい段々気にならなくなり、その辺りからようやく気持ちよく物語に入っていける。

真ん中あたりで、主人公のテリー・ウェインたちがターゲットにしているはずの「ジェーク・ザ・スターダスト」が序盤に行き掛けの駄賃のように片付けられていたことが判明し、物語の着地点が読めなくなる。
後半はテリー・ウェインの成長物語なのか・・・?と思っていると、またそこから登場人物達が理解できない行動をはじめ物語は第二幕へと進む。
「ガンファイターとはそういうものだ」と言われてしまえば確かに「武士もそんな感じだったかも」という感じで、細かいところは気にしないで読めば最後まで楽しく読める。

最後は、「あれが伏線だったのか」と言った感じで気持ちよく読み終えた。

 

 

 

2024.2.15

文芸社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「カーテンコール」 加納朋子

2024年03月14日 | 読書日記

閉校した女子大で留年して卒業できなかった学生達のために元学長が半年の補講を行う物語。
それぞれの学生はみんな個性的で、ストーリも面白い。
ただ大学を卒業するのに卒業論文を書かなくて良いのか?

一部の学生が、寮が二人部屋だと不満を言ってるけど、私の大学生時代は4人部屋の学生寮でした。

 

 

 

 

2017.12.20

新潮社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「猫がこなくなった」 保坂和志

2024年03月13日 | 読書日記

何だか良く分からない短編集、と言うか短編小説も有れば、エッセイ(エッセイ風短編小説?)も有るという感じ。

「地鳴き、小鳥みたいな」でも思ったけれど、この作者は句読点の使い方を知らないのか??

 

 

 

2021.1.15

文藝春秋

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「空をこえて七星のかなた」 加納朋子

2024年03月12日 | 読書日記

星に関係する7つのハートウォーミング系の短編集。
加納朋子は7と言う数字に何か拘りがあるのかも・・・。

どの話も面白かった。
短編集では良く有るように、最後の話はそれまでのすべての話が繋がる内容だったけれど、強引すぎるところもあってそれがちょっと残念。

 

 

 

 

2022.5.30

集英社

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「スパイコードW」 福田和代

2024年03月11日 | 読書日記

近未来に中国が台湾に武力進攻しようとするのを、旧日本軍の生き残りの地下組織が阻止すると言う物語。

リアリティを持たせるために色々工夫しているけれど、そもそもの設定にかなり無理が有るのでファンタジと割り切って読んだ方が良い。
敵と味方が錯綜して、騙されたと思ったら実際は敵の裏をかいていたりと最後まで展開が読めない。

ところでDNAが同じクローンでも指紋まで同じにはならないはずなんだけど・・・。

中国人の名前が区別できないし、固有名詞だけでなく一般名詞も漢字で書かれていたりしてちょっと読みにくかった。

 

 

 

 

2022.5.20

KADOKAWA

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする