toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「閻魔の世直し」 西條奈加

2021年08月16日 | 読書日記
「善人長屋」シリーズ第2巻。

「大川契り」と順番が逆になったけれど、特に問題は無かった。
先に読んだ第1巻、第2巻はいずれも連作短編集だけど、これは1冊で一つの話。
なんだかだらだらした感じで、このシリーズは短編の方がずっと良い。
お縫いの行動もちょっとおかしいし、話のスケールが大きすぎて長屋のメンバーの活躍も限定的。
ちょっと期待外れでした。





新潮社
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「君と漕ぐ」 武田綾乃

2021年08月14日 | 読書日記
以前たまたま「君と漕ぐ2」を読んで、いつか前編を読みたいと思っていたのがようやくかなった。
最後にタイトルの「君と漕ぐ」の意味が分かる構成だから、もしかしたらこれで完結のつもりだったのが、好評で続編ができたのかな。

読んで良かったの一冊。




新潮文庫
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「烏金」 西條奈加

2021年08月13日 | 読書日記
因業な金貸し婆さんのお吟。そこに突然現れ勝手に金貸しの手伝いをはじめやがて居候することになる浅吉。
浅吉は心の奥ではお吟を恨んでいるようで、いずれはお吟の財産を自分の物にしようとしているように見える。
微妙なバランスの中にありながら、実績を積む浅吉に徐々に心を開いてゆくお吟。
最後まで着地点が見えないうち、意外なラストを迎える。

浅吉の幼馴染のお妙や、浅吉が助けたお照、可愛がっている烏の勘左などとのサイドストーリも良いアクセントになっていて、最後までサラッと読める。





光文社
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「大川契り」 西條奈加

2021年08月12日 | 読書日記
「善人長屋」シリーズ第3巻。
第2巻の「閻魔の世直し」より先にこちらが見つかったので順番が逆になったけれど、思った通り何の問題も無かった。

書き下ろしの巻末の2作は第1巻「善人長屋」と同じく2作で1つの話になっていて、話の中で千鳥屋の秘密が明かされる構成になっている。
今回はお俊と儀右衛門の馴れ初め。
ただ、地の話の方の結末はちょっと。
同じ結末でも、そこまでのもって行き方がイマイチでした。






新潮社
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「善人長屋」 西條奈加

2021年08月11日 | 読書日記
「はぐれ長屋の用心棒」のように長屋の住人が協力しあって問題を解決する話。
「はぐれ長屋の用心棒」より長屋の規模はかなり小さく、何と言っても違うのは住民が一人を除いてみんな裏で悪事を働いているという設定。
それぞれの特技を生かして活躍するというところは同じ。
悪事を働きながら人の役に立つというところは「仕掛け人・梅安」を連想させる。

構成は連作短編集になっていて、物語の展開もテンポ良くて非常に読みやすい。
シリーズ物らしいから、続編探して読んでみよう。。






新潮社
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「海馬の尻尾」 荻原浩

2021年08月10日 | 読書日記
なんとも衝撃的な作品。

前半はハードボイルド、後半はホラー係ってきて、そして結末は悲劇。

誰が味方なのか最後までどんでん返しの連続。
主人公のヤクザの及川が、彼を「ライヤァ」と慕う梨帆を助け出せたことが救い。







光文社
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「芥子の花」 西條奈加

2021年08月08日 | 読書日記
「金春屋ゴメス」の続編。
「金春屋ゴメス」はゴメスの一の子分の十助が日本に行き(その後月に行った模様)、主人公の辰次郎は日本から来た父親と遺書に生まれ故郷に行ったところで終わっていたのに続編が有るとは、よっぽど評判が良かったのか。。
おそらく作者も「金春屋ゴメス」は単発物のつもりだったから、続編にあたって十助の代わりに朱緒を登場させたり、晨次郎を父の容体が安定したからと言うことでゴメスのところに帰ってこさせたりしたんじゃなかろうか。

ちょっと風呂敷を広げすぎて中だるみなところも有ったし、そんなのあり?っていう場面も有ったけれど、読み終わってみれば前作を凌ぐ面白さ。
「剣客商売」の佐々木三冬のような感じの朱緒が「鎌倉河岸」の豊島屋にいるころのしほのような立ち位置で物語に良いアクセントになっている。

終わり方がいかにも続編に続きそうな感じだけど、どうなんだろう・・・?






新潮社
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「コロナ黙示録」 海堂尊

2021年08月07日 | 読書日記
武漢で新型コロナの患者が発生してからの出来事をドキュメント風に書いた小説。
「モルフェウスの領域」などのようなSFがかった小説よりも、やっぱり海堂尊はこの路線で行って欲しい。

「ジェネラルルージュの凱旋」と「ナイチンゲールの沈黙」も元々一つの小説を2つにわけたらしいけど、この小説も田口・白鳥の東城大病院の話と、小池都知事と安倍元首相、じゃなくて小日向都知事と阿保首相夫婦周辺(お友だち)の輝かしい功績の数々の話は独立した別の小説にした方が良かったんじゃないかな・・・・。






宝島社
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「金春屋ゴメス」 西條奈加

2021年08月05日 | 読書日記
北関東と東北にまたがる一万平方メートルが「江戸」として日本から独立しているというとんでもない設定の物語。
この江戸にある金春屋という食堂の裏に住む長崎奉行の住まいが舞台。
この設定や登場人物は「鎌倉河岸」の金座裏からパクった感満載。

時代小説でありながら隣には現代日本が有り、ある程度の人の行き来も有るという不思議な空間を上手く生かしたお話でした。
ちょっと今のCOVID-19過に通じる内容でしたが、小説のように現実も解決すると良いな。。

江戸では江戸時代のままの生活をしているはずなのに、腕時計に携帯電話の表紙のお兄ちゃんは何者?





新潮社
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「モルフェウスの領域」 海堂尊

2021年08月03日 | 読書日記
海堂尊の本、特に桜宮市が舞台の話は物語が複雑に絡み合っていたりしてヤヤコシイ。
他の本の話がチラッと出てくるだけなら、それを読んでいれば「あーあの件ね。」だし、読んでいなくても大きな障害にはならない。
ところが物語の中心になる部分が、続編でもなんでもな他の本の続きだったりするとちょっと混乱してしまう。
発表順が時系列順ってわけでは無いし、どの本がどの本に続くのか相関表が欲しい。
読んだ本が10冊以上になるともう何だか分からなくなる。

と言うことでこの「モルフェウスの領域」だけど、たまたま手に取った本だったけど、先日読んだ「医学のつばさ」の前日譚になっていて、謎の一部が解明される。
他の謎は前編である「医学のたまご」と「医学のひよこ」を読む必要が有るけれど・・・。

特に前半、法律の解釈の問題とかやたらに哲学的な話とか多くて気が滅入る。
翔子や田口が登場してやっと面白くなって行く。




角川文庫
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「噛みあわない会話と、ある過去について」 辻村深月

2021年08月02日 | 読書日記
何気ない行為や言葉が、知らないうちに相手を傷つけいる。
行った当人は意識していないから気づかないけれど。。
だから誰でもその可能性が有るし、その相手から今でも恨まれているかもしれない。
もしかしたら自分も・・・と考えさせられるような話が4話。




講談社
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「まぜるな危険」 高野史緒

2021年08月02日 | 読書日記
6つの短編集。

書く作品の最初に著者自身による元ネタや背景の説明があるので、本編を読む参考になる。
しかし、このセルフ解説が有ってもなお4篇は内容が理解不能。
かろうじて何となく理解できたのが「プシホロギーチェスキー・テスト」。
そしてもう読むのを止めようかと思いつつも我慢して読んだため、ようやく理解して面白いと思ったのが次の「桜の園のリディア」。






早川書房
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「アシタノユキカタ」 小路幸也

2021年08月01日 | 読書日記
それぞれが大切な友人のために、一肌脱ごうとする見知らぬ男女の物語。
いつもの小路幸也の世界で、詐欺師の男とキャバクラ嬢が共通の知り合いの娘と3人で北海道から九州まで車で旅する話だけど、ロードストーリではない。
徐々にそれぞれの背景や事情が分かってきて、感動のラストと言う良く有るパターン。
例によって基本的に良い人しか登場しないし、ストーリも結構ご都合主義だけど、まあそれが小路幸也と言うことで・・・(笑)。

ただラストはちょっと中途半端というか、モヤモヤ感が残る。
続編が有るのかな?




祥伝社
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