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鬼と大豆

2022-02-03 13:15:24 | 日記
   節分にちなんだ話である。

 先日のNHKの番組「歴史探偵」で、「平安時代に記載されている鬼の正体は、病原菌やウイルス」という有力な説が紹介されていた。見た方も多いだろう。何分、「鬼」の姿かたちは描かれてなく、「人々に痛みや熱などの苦しみをもたらす」とあるそうだから、当時は未発見の病原菌やウイルスだった可能性が強いわけである。また、「鬼対策として、お酒が使われた」。そのアルコールは病原菌やウイルスを殺すから、酒で手を消毒したり、飲んで口やのどに付着したそれらを殺していた事は察せられる。

 鬼とか、西洋の悪魔は元々は仏典や聖書、コーランでは、人々の心の中のエゴや欲望を指していたが、世俗に話が広まり、以上のようになっていったようである。西洋の中世でも、病気の原因推測の一つに、病魔説があったわけだし。中国や朝鮮などでも同じである。疫病が流行った時期は、どの国でも、悪魔や鬼のせいだと言われた。それ以外の時期では、寒い時期にそれらが活発に動くと言われ、日本では寒さが極まる節分の日に、大豆をまき、鬼にぶつけて退治させる習慣がある。「歴史探偵」では述べなかったが、それも科学的根拠がある。大豆はタンパク源。タンパク質を摂取すれば免疫力が強まる。イソフラボンという物質も多いが、特に抗ウイルス免疫を高める。

  ただし、大豆はそのままでは消化しない。煮たり、炒っても。豆腐、納豆、味噌、大豆性の人工肉などに加工しないと。豆まきに使った豆をそのまま食べてもムダである。歯を痛めかねないから危険でも。また、母から聞いた話によると、第二次世界大戦中、配給された「大豆をお米や麦と一緒に炊いて食べた」。そうしてもムダで、栄養失調の役には立たなかった。当時は栄養科学は発達しておらず、明治維新まで続いた大豆関係の経験科学も途絶えて久しかったから、大豆を不消化のまま食べるようになったのかと思われる。

  今の差し当たっての鬼はコロナ・ウイルスだが、その予防にも諸々の大豆製品はなる。また、もっと大きな鬼には世界的な飢えがあるが、それも畜産から大豆性の肉・魚肉に切り替える事でかなり改善できるわけである。確かに、家畜に大豆を与えてその肉を食べる事よりも、人間が加工して大豆をそのまま食べる方が合理的だし、栄養効率も数倍良い。その分、多くの人たちに栄養が回る。また、食肉処理もしなくて良い。人間相手でないとは言え、殺しの仕事をやりたい人はいるだろうか。労働や人権のこの問題も解決できるかもしれない。科学が更に発達し、マグロなどに似た大豆製品もでき、その寿司もおいしく食べられる日も来ると思う。豚肉に多く含まれているビタミンBの一部も科学の力で合成して。動物は食べる対象から、共生の相手になるわけである。

  節分の行事は古臭くなく、科学的でさえあるわけである。

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