トシコロのありのままの暮らし


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S園初代園長の「ムリ」

2018-06-05 13:41:49 | 日記
  実録小説では林田という名前で出てくる医者。日本の障碍児医学の先駆けにもなられた方だが、障碍児医学と共に、障碍児やその家族の生活を次第に深く考えていったし、S園の園長に就任後は職員の生活を経営者の立場から考えて、気を配らざるを得なかった。一人二役、三役をされたわけである。その様子も書いていきたいと思う。


  「障碍児や家族の生活の問題」は本来は福祉専門家の扱う問題である。今は医者の役割ではない。

  医者、特に障碍児専門医だけでも、大役なのに、同じだけ重い仕事を更に一つ、二つとこなしていた。どう考えてもムリだし、それもS園が歪んだ理由の一つだったかもしれない。そして、気を病んだ果て、思考力も低下して「女子園生の子宮は取ってしまえ」という発言にもなっていったと。僕の世代の身障運動家たちは、その初代園長を恨む人が多いが、僕は自分の感情は殺して、客観的に再現描写していきたい。

  また、小説中の名前の林田医学博士を以上の状態にしたものは、当時の政治、更には、民衆の福祉への無関心であり、支え合い・生かし合い・共生文化の欠落である。そこにも狂った大きな根がありそうだし、今の日本社会はどうなのか。シマハタの歴史を問う事は、今の日本をそのまま問う事でもある。