トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

備えあっても憂いあり・・・

2018-07-09 | 小人閑居して憮然
 台風7号による降雨量が300mmに達するだろうと言う予報だったから「備えあれば憂い無し」と送水管内に砂泥が入り込まぬよう吐水口のバルブを閉じたのは降り出しの頃だった。
 ところが予報に及ばず最初の24時間雨量は60mmで40mm、40mmと続いた。それも集中して降るのではなく間歇的な降雨だったから沢の出水量もさほど増加しなかったはずである。

 8日の日曜日、朝方は小雨模様だったが昼前には回復し1週間ほど降雨がない予報となったから送水を開始するためにフイールドへ出向く。まずはバルブを開けるより先に水源地の導水路と集水升の点検が必要で、三本鍬、携帯スコップ、升浚渫用のザルを用意して向かった。
 降雨量が少なかったから水路の破損も集水升の砂泥堆積も少なく、あえて処理しなくても復旧出来たけれど、せっかくだから導水路の掘削と集水升の砂泥を取り除く。

 吐水口まで戻りバルブを開けたら通常量の吐水が見られた。この止水を集水升部分で行っても砂泥の侵入は防げるけれど、途中のエアーバルブから空気が入り込み送水管内に空気溜りを形成する。こうなると通水開始をしても水圧を加えないと空気溜りは消えないし送水そのものも止まったままになる。

 今回、想定より降雨量が無かったから「余計な手間暇」を掛けた事になったが、「吐水口で止水すれば再開もスムーズ」である事の確認はとれた。それにしても今回被災地となった地域の降水量は尋常ではない。すでに「備えあれば憂い無し」の水準が過去を基準にした備えでは備えにならないのを教えている。

 未曽有の気象状態だけでなく、政治・経済・教育・個人等々の分野で過去には無かったような出来事が多発するのは政の基盤崩壊に間違いなく、若い世代にしろ真面目に働きたくても将来の保障も無い、生活も出来ない政治経済の実態では次世代が育つはずもなし。水辺も水を断たれたら命の連鎖も消えるだけである。

 思うに単民族国家でありながら民の置かれている状況はマイノリティの様でもあり奴隷の様でもある。村社会での低賃金労働、慢性的な失業危機、逃散も出来ぬ島国、大黒柱が無くなった社会環境下では子育ては困難になる一方で結婚出産などは無理無理、自暴自棄になるのも極めて明快自然で、感覚的にはお隣様達と五十歩百歩。
 まあ、向こう!一軒両隣は乞食のお粥様の寄る辺で誇りなのであるが「向こう見ず」。「観ずを制する者は国を制する」と言われるがシイナのドングリ様ばっかりでは…なんちゃって。

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