人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新交響楽団第226回演奏会を聴く~飯守泰次郎のブルックナー「第6交響曲」ほか

2014年07月08日 07時01分14秒 | 日記

8日(火)。昨日は午前中、防火・防災管理再講習を受講するため秋葉原の神田消防署内にある消防技術試験講習場に行きました 1日講習と聞いていたのですが、9時に始まり12時半には終了してしまいました。これで向こう5年間は資格有効ということになります

あまりにも早く終わり過ぎたので、職場に出勤しました。午後3時から当ビル10階ホールで、日本記者クラブ主催の記者会見「著者と語る『歩いて行く二人 岸恵子 吉永小百合』」がありました これは女優の岸恵子さんと吉永小百合さんが横浜とパリで行った3回の対談をまとめた著書(世界文化社)について、二人に話を聞くという企画です

お二人がホールに入場して最初の5分間だけ写真撮影が許されました

 

          

 

ケータイで撮ったので写りがあまりよくないのが残念です

読売新聞社の橋本五郎氏の進行で二人のインタビューが進みました 面白いエピソードがいくつか披露されましたが、お互いの家を行き来したり、誘い合って食事に行ったりすることも無かった(1度食事をしたことがあるそう)のに、お互い気が合うのは、吉永さんの言葉によると「性格の不一致」だそうです お話を聞いていて、岸さんがパリ生活が長いのに対し、吉永さんが日本に根を下ろして活躍していることによる「生活の不一致」もあるのかな、と思いました ひと回り以上も歳が離れているのに(もちろん岸さんの方が年上)、会話の中で、岸さんが吉永さんのことを「吉永小百合さん」とフルネームで呼んでリスペクトしていたことが印象に残ります 全体としては、よくしゃべる岸恵子さん、聞かれなければ話さない吉永小百合さんという「性格の不一致」がよく現れた会見でした 

中でも特に印象に残ったのは新聞等の紙面における年齢表記の扱いです

吉永さんが、

「(新聞や雑誌では)どうして女優の時には名前の次に(  歳)と年齢を表記するのでしょうか やめてほしいです

と訴えると、岸さんが、

「あれは失礼ですね 私の場合は、新しい年が明けた途端に、誕生日が来ないうちに日本のマスコミは1歳上の歳を書くんですよ。デリカシーに欠けます 欧米ではあり得ません。フランスでは以前、歌手のジュリエット・グレコの誕生日の紙面に『ジュリエット・グレコは今日、昨日よりも1つ歳をとりました』と書いていました。こういうところはフランスのエスプリですね

と呼応していました

約束の時間がきたので、クラブのHさんが「残り時間わずか。そろそろ終わりにしてね」というメモを橋本さんの手元に届けたのですが、軽くいなして原発問題に話を振ります。予定時間を10分超過して、今度はクラブのKさんが「もう10分もオーバーしてますねん。〆ておくれやす」というメモを入れると、やっとまとめに入りました。ゲストとほぼ同じ年齢層の橋本さんは確信犯ですね

最後に、会見前に予め書いておいたサイン帳が披露されましたが、岸恵子さんは最近書かれた恋愛小説から取ったと思しき言葉を、吉永小百合さんは「星よりひそかに 雨よりやさしく」と書かれていました ここにも、どこまでも自分を主張する岸恵子さん、取材する側の年齢層を考えてメッセージを書く吉永小百合さん、というお二人の性格の違いが正確に現われていました

 

          

 

  閑話休題  

 

6日(日)午後2時から池袋の東京芸術劇場で新交響楽団の第226回演奏会を聴きました プログラムは①ワーグナー「ワルキューレ」より「ワルキューレの騎行」、②同「神々の黄昏」より「夜明けとジークフリートのラインへの旅」、③ブルックナー「交響曲第6番イ長調」で、指揮は飯守泰次郎です

 

          

 

自席は1階N列13番、センターブロック左通路側です。会場はほぼ満席 新交響楽団は故・芥川也寸志が創立したアマチュア・オーケストラですが、毎回のように約2,000席の東京芸術劇場を聴衆で埋め尽くす人気には頭が下がります もちろん、演奏する団員の家族・知人が多数聴きにきていることは容易に想像がつきますが、それだけではとても埋まりません。その秘訣は著名な指揮者とプログラミングでしょう もう一つ、このコンサートで感心するのは充実したプログラム、とくに曲目解説です 団員が分担して解説を執筆しているのですが、内容はプロ顔負けです

楽員が登場し、立ったままの姿勢でコンミスを迎えます。コンミスは青山学院高等部教諭の堀内真実さんです オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラという態勢をとります

1曲目と2曲目はワーグナーの楽劇「ニーベルングの指環」四部作から2曲です。「ワルキューレ」から「ワルキューレの騎行」、そして「神々の黄昏」から「夜明けとジークフリートのラインへの旅」です どちらも前日、東京交響楽団で聴いたばかりです

今年9月から新国立劇場の芸術監督に就任予定の飯守泰次郎の登場です いつものように、やや忙しない指揮ぶりですが、オケからワーグナーの大管弦楽の魅力を引き出します。ホルンを中心に金管楽器が特に安定したいい音色で音楽を奏でています 弦楽器はヴァイオリン・セクションが人数の多さもあってか重厚な演奏を展開します

休憩後のブルックナー「交響曲第6番」は、ブルックナーの巨大な交響曲の中でも親しみやすいメロディーに溢れた曲です ここ数日、オットー・クレンペラー指揮ニュー・フィルハーモニア・オーケストラのCDで予習してきました

 

          

 

第1楽章「マエストーソ」の冒頭は、まるで「スター・ウォーズ」の音楽のようです 作曲家ジョン・ウィリアムズはコルンゴルトとともにブルックナーも研究していたのでしょうか。オケは弦も管も打楽器も持てる力を出し切っています。フィナーレではティンパ二が大活躍です

第2楽章「アダージョ」はブルックナーならではの美しさです 彼の場合は宗教的と言ってもいいかもしれません。心が安らぎます。第3楽章「スケルツォ」はブルックナーのトレードマークです どの交響曲もスケルツォを聴けば、「ああ、ブルックナーだ」と分かる代名詞のような曲です。飯守はメリハリを付けてグングン音楽を進めます。そして第4楽章「終曲」に入ります。この曲の最後を飾るフィナーレは感動的です。オケは最後の力を絞って演奏に集中します

飯守のタクトが宙に上がると、会場後方からブラボーがかかり、拍手 の嵐となりました。

プログラムの最終ページに「団員募集!」のお知らせがありますが、練習は原則的に毎週土曜日午後6~9時とあります 新交響楽団は年4回公演を挙行しているので、3か月の間に次の公演の曲を練習することになります 働きながら練習を重ね、プロ顔負けの演奏を披露するのですから大変なものだと思います。これからも応援したいを思います

 

          

 

プログラムに第227回演奏会のチラシが入っていました。次回は10月26日(日)東京芸術劇場です プログラムは①ラヴェル「道化師の朝の歌」、②同「マ・メール・ロワ」、③同「ラ・ヴァルス」、④プロコフィエフ「交響曲第5番」です。残念ながら私は当日、古典四重奏団の演奏会があるので行けません レヴェルの高い演奏が期待できます。お薦めします

 

          

 

コメント (2)
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