8月1日(月).今日から8月に突入です 油断していたわけではないのですが,月日の流れの速さを痛感する今日この頃です
昨日は近くの小学校に東京都知事選の投票に行って,西武線で埼玉県所沢市に向かいました
埼玉県立T高校時代のクラスメイトS君から電話があったのは28日(木)夜でした.前日の27日に 担任のY先生が前立腺がんで亡くなったという知らせでした 享年74歳とのことです.昨日が告別式だったので午前11時半に間に合うように市営斎場に駆けつけました.現地ではS君はじめ同級のM君,O君も来ていました.無宗教での式ということで,お花を祭壇に手向けましたが「Y先生らしいな」と思いました かつての先生仲間からお別れの挨拶がありましたが,いずれも故人は「まっすぐな人だった」と述べられていました.教え子代表としてS君が弔辞を述べましたが,何度か「先生には迷惑をかけた」と言っていました 思い起こせば,まったくその通りで,担任のY先生ばかりか他の先生にいたずらを仕掛けたりしてやんちゃな高校生でした
Y先生が出席された最後のクラス会は一昨年の11月29日でしたが,いつもは一次会で帰る先生が二次会まで付き合い 教え子たちと熱心に歓談していたので,珍しいなと思いました ご家族の挨拶の中で,がんに罹患していることが分かったのは まさにその頃だったということが分かりました.あの時,Y先生は教え子たちにお別れを言いに来たのだと,今では思います
剣道部の顧問で,いつも下駄を履いて”通学”していました.大学を出て間もなくT高校に数学の先生として赴任された関係で,われわれと9歳しか違わなかったので,兄貴のような存在でした あらためてY先生のご冥福をお祈りいたします
ということで,わが家に来てから673日目を迎え,小ウサギちゃんの目の前でオヤツを食べるモコタロです
小:モコタロさん おいしそうですね モ:あげないよ
閑話休題
ということで,S君に車で西武新宿線航空公園駅まで送ってもらいましたが,駅に着いたのがすでに午後1時20分ごろです.ミューザ川崎でのコンサートは3時開演です.ヤフーの「乗換案内」で「航空公園⇒川崎」を検索してみましたが,「範囲が広すぎて検索できない」という表示がでてきました 隣の所沢駅まで行けば何とか方法があるだろうと思い,所沢で下りてから検索をかけると,所沢⇒練馬⇒池袋⇒大森⇒川崎というルートで2時40分に川崎に着くことが分かりました.やっとの思いで川崎に着いて,喫茶店でカツサンドとお茶を買ってミューザに入りました.ホワイエで食事して自席に着いたのは開演5分前でした.「乗換案内」がなかったら多くの無駄な時間を費やしたうえで,コンサートに間に合わなかったと思います
ということで,昨日 ミューザ川崎で東京都交響楽団の「オーケストラの醍醐味 ドイツ2大交響曲」公演を聴きました これは7月23日から8月11日までミューザ川崎で開かれている「フェスタサマーミューザ」の一環として開かれた公演です プログラムは①ベートーヴェン「交響曲第2番ニ長調」,②ブラームス「交響曲第2番ニ長調」.指揮は都響終身名誉指揮者・小泉和裕です
コンマスは矢部達哉です.オケの態勢は左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラ,その後ろにコントラバスという配置です 第2ヴァイオリン首席エンカナ(遠藤香奈子)さんもスタンバイしています.おやっ?と思ったのは,ヴィオラの首席に読響首席の柳瀬省太が,チェロの首席に日本フィルの首席の辻本玲がスタンバイしていたのです 在京オケの間でけっこう(人のレンタル)交流があるのだな,と思いました
ベートーヴェンの「交響曲第2番」は1802年の春に静養先のハイリゲンシュタットで完成されました ハイリゲンシュタットといえば甥や弟に宛てた「ハイリゲンシュタットの遺書」を思い起こしますが,この作品はその遺書を書く半年前に完成しました ニ長調という性格から,極めて明るく若々しい音楽なので,「遺書」の存在が違和感を感じさせます
この曲は第1楽章「アダージョ・モルト - アレグロ・コン・ブリオ」,第2楽章「ラルゲット」,第3楽章「スケルツォ - アレグロ」,第4楽章「アレグロ・モルト」から成ります
小泉和裕がタクトを持って登場,早速第1楽章に入ります.足を軽くハの字に開き,そのままの姿勢で演奏中はまったく足の位置を動かすことなく指揮をします.まるで足に根が生えて指揮台に根付いてしまったかのようです 手の振りは大きいのですが,足は微動だにしません.ほかにこのような指揮をする人はいません しかし,その両手からはダイナミックな音楽が導き出され,ベートーヴェンの偉大さを再認識させます
これまで小泉和裕の指揮で何度か生演奏を聴いてきましたが,後に印象が残らない演奏で敬遠気味にしていました それが最近,急激に強い印象を残す指揮者に変貌してきたように感じます とくに今回のような古典派~ロマン派の「クラシック音楽の王道をいく音楽」を指揮するときに感じるようになりました 若い指揮者と違った円熟期にある指揮者特有の”味”が出てきたのかも知れません
休憩後はブラームスの「交響曲第2番ニ長調」です ブラームスはベートーヴェンの9つの交響曲を前にして,あまりの偉大さにたじろぎ,第1番の交響曲を作曲するのに,着想から完成まで21年もの年月をかけました 指揮者ハンス・フォン・ビューローはこの曲を,ベートーヴェンの第9番に続く第10番の交響曲だと呼んだほどです それに比べて,この第2番はわずか4か月で書き上げています.オーストリアのヴェルター湖畔の村ペルチャッハという保養地で書かれたせいか,明るく穏やかで幸せに満ちた曲想です
この曲でも小泉は最後まで足をまったく動かすことなく指揮をしました 「弦の都響」と言われるほど,コンマスの矢部達哉をはじめとする弦楽セクションは素晴らしい音を出すのですが,この日もヴァイオリン・セクションを中心に冴えわたっていました
演奏後,握手をする小泉和裕と矢部達哉の間には強い信頼関係が築き上げられていることが見て取れました
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