27日(火)。サントリーホール・メンバーズ・クラブからのメール配信によると、9月9日、10日に同ホールで開催される「ストラディヴァリウス・コンサート2021 ~ ゴルトムント・クァルテット」公演は、新型コロナに係る入国制限措置に伴い、中止となりました 払い戻しは7月28日~9月30日の間とのこと。私は2日間とも払い戻しとなります。中止ドミノはまだまだ終わりません
ということで、わが家に来てから今日で2390日目を迎え、中国で苛酷な受験戦争が子どもや保護者の大きな負担になっている現状を受け、中国共産党と国務院(政府)は学習塾の新規開設や小中学校の過重な宿題の規制に乗り出す というニュースを見て感想を述べるモコタロです
中国は資本主義の最先端を行く競争社会のようだ 貧富の差の拡大を止められない
昨日、夕食に「豚しゃぶ」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました 豚しゃぶにはキャベツと しその葉が合います
昨日、ミューザ川崎シンフォニーホールで、「フェスタサマーミューザ」参加公演、東京都交響楽団のコンサートを聴きました プログラムは①リスト:交響詩「前奏曲(レ・プレリュード)」、②チャイコフスキー「ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 作品33」、③ドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95 ”新世界より”」です 演奏は②のチェロ独奏=岡本侑也、指揮=カーチュン・ウォンです
指揮をとるカーチュン・ウォンは1986年シンガポール生まれ。2016年グスタフ・マーラー国際指揮者コンクールで優勝、直後にドゥダメルの招きを受け、2017年にロス・フィルで彼のアシスタントを務めました 現在、ドイツのニュルンベルク響首席指揮者を務めています
会場は7割程度の入りでしょうか。3割は自宅で東京オリンピックを観ているのでしょうか
拍手の中、オケのメンバーが配置に着きます。弦は14型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの都響の並び コンマスは山本友重です。ヴィオラ首席には元新日本フィル首席奏者・篠崎友美がスタンバイします。また、第1ホルンには東京フィル首席奏者・高橋臣宣が控えています
1曲目はリスト:交響詩「前奏曲(レ・プレリュード)」です この曲はフランツ・リスト(1811‐1886)が自作の男声合唱曲「四大元素」の序曲の音楽に基づき1848年に作曲、その後1852年から翌53年にかけて改訂し、1854年に自身の指揮によりワイマルで初演されました 内容は、詩人アルフォンス・ド・ラマルティーヌの詩をリストが自由に改変したものです その思想は「人生は死への前奏曲である」というもので、「人生の始まり〜愛」(緩)、「嵐」(急)、「田園」(緩)、「闘い」(急)という4つの場面で構成されています
カーチュン・ウォンの力の入った指揮による都響の分厚い管弦楽を聴きながら、私はクロード・ルルーシェ監督による1981年公開映画「愛と悲しみのボレロ」の1シーンを思い出していました ヘルベルト・フォン・カラヤンをモデルとした指揮者カール・クレーマーがフランスの凱旋門の屋上でリストの「前奏曲」を演奏するシーンです リストはピアノの巨匠でしたが、「交響詩」というジャンルを開拓した先進的な作曲家でした。そんなリストの人生観を聴くような思いでした
2曲目はチャイコフスキー「ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 作品33」です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840‐1893)が友人のチェリスト、ヴィルヘルム・フィッツェンハーゲンのために1876年に作曲、1877年に初演された独奏チェとオーケストラのための作品です 主題と7つの変奏から成ります
チェロ独奏の岡本侑也は1994年生まれ。2017年エリザベート国際音楽コンクール第2位に入賞しています
カーチュン・ウォンの指揮で演奏に入ります。岡本のチェロは明るく明朗で、見ているだけでは簡単そうに見えますが、それは確かなテクニックがあってこそです 伸び伸びと演奏する彼の演奏を聴いていると、やっぱりチャイコフスキーは屈指のメロディーメーカーなんだな、と再認識しました
満場の拍手に、岡本はカタロニア民謡「鳥の歌」をしみじみと演奏、聴衆のクールダウンを図りました この曲は、チェロの巨匠パブロ・カザルスが国連総会で弾いて有名になりました
プログラム後半はドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95”新世界より”」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841‐1904)が、ニューヨークの私立ナショナル音楽院の院長に招かれ、アメリカ滞在中の1893年に作曲、同年ニューヨークのカーネギーホールで初演され、大成功を収めました 第1楽章「アダージョ ~ アレグロ・モルト」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・コン・フォーコ」の4楽章から成ります
カーチュン・ウォンの指揮で第1楽章に入ります 長身の身体で振る指揮姿を見ていると”押しが強い”印象を受けます しかし、指揮は分かり易いと思います 高橋臣宣のホルンが素晴らしい 第2楽章では「家路」で知られる有名なテーマがコール・アングレ(イングリッシュ・ホルン)で奏でられますが、この演奏が素晴らしかった 後半で弦楽トップ8人で演奏される家路のテーマの演奏も郷愁を誘いました 第3楽章はリズム感に満ちた演奏が展開します 第4楽章の冒頭は、鉄道オタクのドヴォルザークらしい、機関車が徐々にスピードを上げていくような曲想で始まります ドヴォルザークが愛するボヘミアを離れてニューヨークに行ったのは、近くで機関車が見られるからというのが大きな理由だった、という説もあるようです 次いで金管が勇壮なテーマを奏でますが、ここでもホルンをはじめとする金管セクションの咆哮が気持ちよく響きます。弦も管も打も鳴り切った爽快な演奏でした
ところで、プログラムに掲載された かげはら史帆さんによるコラム「『新世界』はどこにある?」には次のように書かれています
「『もしアメリカを見なかったら、この交響曲を書くことはなかったろう』・・・ドヴォルザークは、『新世界より』についてそう語りました その言葉には、おそらく2つの意味が込められていました。ひとつは、新天地のアメリカから受けた新しい刺激。もうひとつは、遠くにあるからこそ強く感じた故郷チェコへの愛でした」
本番前に開かれた「プレトーク」で、カーチュン・ウォンは、新世界について「私は、今われわれがいるこの世界が”新世界”ではないかと思います」と語っていました。この曲の作曲年=1893年から見れば128年後の未来の世界ということになります 今やパンデミックの世界ですが、こうしてドヴォルザークの「第9交響曲」は極東の日本で演奏されています この演奏を空から見下ろして聴いたら、ドヴォルザークはどう思ったでしょうか
カーチュン・ウォン ✕ 都響は渾身の力を込めてドヴォルザーク「スラブ舞曲第8番」をアンコールに演奏、満場の拍手を浴びました
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