人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

医療行政に対する挑戦状~海堂尊著「ジーン・ワルツ」を読む

2012年10月27日 07時37分14秒 | 日記

27日(土)。昨日、当ビルの防災訓練がありテナントの皆さんはじめ約130名(主催者側発表)の方々が参加しました 首都直下型地震に伴い地下1階の飲食店から火災が発生したという想定で、通報連絡、消火、救護、避難といった総合的な訓練に加え、今回は千代田区防災課から「起震車」を派遣してもらい、乗車して大地震を体験してもらいました

午後3時に地震発生のアナウンスを流す手はずで準備を進めていましたが,2時半過ぎ,「8階の高齢男性が倒れて救急車の出動を要請した」という連絡が入り,防災センター要員と当社の救護担当者はその対応に追われることになりました.これには焦りました 関係者はすべて役割分担が決まっているので一人でも欠けるとシナリオが狂っていまうのです.幸い手際よい対応で急患は病院に搬送され,防災訓練に影響が出ることはありませんでした.こんなことは当社の防災訓練の史上で初めてのことでしょう.幸い急患の方は大したことがなかったとのこと.関係者の皆さん,ありがとうございました

夕方から、火点(出火元)になっていただいた焼鳥Oに関係者を集めて反省会(別名”打ち上げ”)を開きました 総勢25名以上なので貸切状態です.これでもかーと,ぎんなん,焼き鳥,刺身,おにぎり,焼きそば・・・・・・と,いろいろ出てきてとても食べ切れませんでした 残った食糧は泊まり勤務の若者に引き取ってもらいました だれだ,こんなに注文しといたのは?・・・・・すいません,私です

その後,残った11人でタクシーに分譲,もとい,分乗して上野に向かいました.カラオケ・スナックFで点数表示付カラオケ歌合戦に参戦したのは,警備T社からN部長,S隊長,K副隊長,警備員I,T,Iの6人,迎え撃つは当社からN,S,E,Kそして私の5人です 最初から少数精鋭のトラさんチームの当社がリード,途中で若者中心のゾウさんチームのT社が盛り返しましたが,おっとどっこい,再びトラさんチームが追い抜いて僅差で勝利を収めました あ~楽しかった.参戦者の皆さん,お疲れ様でした 

頭イテー,今朝は6時に起きられなかったし・・・・

 

  閑話休題  

 

海堂尊著「ジーン・ワルツ」(新潮文庫)を読み終わりました この本は当ビル7階の住人から借りたものです.「本は自分で買う」というのが私のポリシーですが,読み終わった本はすべてこの住人に回して読んでもらっています 時に「これ面白いから読んで!」と半強制的に本を手渡されることがあります.今回はそのケースです

海堂尊は1961年,千葉県生まれ,医学博士です.2005年に「チーム・バチスタの栄光」で「このミステリーがすごい!」大賞を受賞して,翌年,作家デビューしました

帝華大学医学部の曾根崎理恵助教は,顕微鏡下対外受精のエキスパートです.彼女の上司・清川吾郎准教授もその才能を認めていました 理恵は大学での研究のほか,閉院間近のマリアクリニックで5人の妊婦の診断をしています 28歳のキャリアウーマン,すでに男の子をひとり持つ34歳の女性,もうすぐ20歳になるヤンキー娘,顕微授精を何度も経験した39歳の女性,55歳で双子を妊娠している女性k5人はそれぞれ深刻な事情を抱えており,生むか産まないか真剣に悩みます.理恵はマリアクリニックの後継者となる決意をしますが,テレビのキャスターに次のように語ります

「みなさんもご存知の通り,今,産婦人科医療は崩壊寸前まで追い込まれています それは産婦人科が抱える特異な問題のせいです.赤ちゃんが普通に生まれるのは当然と考える患者さん,そういかなかった時に医療を訴えるように焚き付ける弁護士の方たち,そうした体制を誘導しておきながら,個々の問題をあたかも部外者のような顔で糾弾する担当省庁の役人たち.そうした方々に対するささやかな反撃です

これこそが,この小説の中で作者が読者に言いたかったことだと思います.医師と小説家の2足のわらじを履く海堂尊の戦いはまだまだ続くのでしょう

 

          

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