人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

新国立オペラ~トリスタン役交代へ / 辻村深月、伊坂幸太郎、阿川佐和子、恩田陸、柚木麻子、東野圭吾「時ひらく」を読む ~ 老舗デパート「三越」を巡るアンソロジー

2024年02月21日 00時01分05秒 | 日記

21日(水)。新国立劇場の公式サイトによると、3月14日から上演されるワーグナー『トリスタンとイゾルデ』のトリスタン役に出演を予定していたトルステン・ケールが急病により出演できなくなった。代わりにゾルターン・ニャリが出演するーとしています トルステンのトリスタンに期待していましたが、残念です 開演までまだ24日もあるのに「急病で出演できなくなった」というのは、リハーサルまでに回復の見込みがないということなんでしょうね 主役級の歌手の降板は詐欺に遭ったような気になりますね。私も長い音楽人生の中で さんざんひどい目に遭ってきました 特に2011年のアンナ・ネトレプコ(MET)とフアン・ディエゴ・フローレス(ボローニャ歌劇場)の来日公演の降板は痛かった

さて、プロフィールによると ゾルターン・ニャリはハンガリーのブダペスト生まれのテノールで、ブダペスト演劇映画大学で演劇の学位を取得し俳優として活動した後、ブダペストオペレッタ劇場でミュージカルやオペレッタに出演し、その後にハンガリー国立歌劇場専属歌手として活躍しているとのことです プロフィールからは歌唱力とともに演技力が期待できそうですが、歌手の動きの少ないワーグナー作品ですから演技面ではなかなか実力が発揮できないかもしれませんね

ということで、わが家に来てから今日で3325日目を迎え、北極圏の刑務所で死亡したロシアの反政府活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏の遺体について、ロシア当局は「化学的検査を行うため少なくとも14日間は引き渡せない」と現地を訪れた弁護士と母リュドミラさんに伝えた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     遺体から猛毒が消えるのに2週間かかるわけだね 分かり易いプーチン政権の言い訳

 

         

 

昨日、夕食に「鯖の塩焼き」「生野菜サラダ」「牛汁(豚汁の牛肉バージョン)」を作りました 「牛汁」は余っていたカレー用の牛肉を使いました 鯖は脂が乗って美味しかったです

 

     

 

         

 

辻村深月、伊坂幸太郎、阿川佐和子、恩田陸、柚木麻子、東野圭吾 共著「時ひらく」(文春文庫)を読み終わりました 本書は老舗デパート「三越」を巡る6人の作家によるアンソロジーで、文庫オリジナルです これらの作品は「オール読物」2023年5月号から24年1月号までに掲載されたものです 物語の舞台は伊坂氏の作品が「仙台三越」であるほかはすべて「日本橋三越」となっています なぜ銀座三越が舞台でないかと言えば、日本橋三越本店こそが創業350年を迎える旗艦店舗であり、日本における最初のデパートであるからだと思います

 

     

 

本書は次の6つの物語から構成されています

辻村深月「思い出エレベーター」=制服の採寸に訪れて感じたある予感の話。

伊坂幸太郎「Have  a  nice  day!」=ライオンに跨る必勝祈願の言い伝えを試したことからみえたものの話。

阿川佐和子「雨上がりに」=老いた継母の買い物に付き合ってはぐれてしまい館内放送を依頼した娘の話。

恩田陸「アニバーサリー」=館内の物たちが始めた会話の話。

柚木麻子「七階から愛をこめて」=友達とプレゼントを買いに訪れて繋がった時間の話。

東野圭吾「重命る(かさなる)」=亡くなった男が最後に買った土産の話。

これらの物語のうち辻村、伊坂、柚木作品は時空を超えたストーリーになっていて、それぞれの個性が表われていると思いました

辻村深月は「東京会館とわたし」(上・下巻)を出版していますが、読んでいて あのテイストを思い出しました

伊坂幸太郎の「ネコ講」には笑ってしまいました

阿川佐和子の作品では、デパートのBGMの話が参考になりました 三越では「雨が降り出すと『雨に唄えば』が流れ、雨が上がると『オーバー・ザ・レインボー』が流れる」そうです   この物語が6作品の中で一番じわりときました

柚木麻子の作品が唯一、ロシアのウクライナ侵攻をストーリーに取り込んでいて、ウクライナへの共感と連帯を表しています

なお、本書の「時ひらく」というタイトルは、三越の包装紙(本書の表紙もそうです)が「華ひらく」であることに因んでいます

私は日本橋三越の中に入ったことがないので、吹き抜けホールに巨大な天女像があったり、パイプオルガンがあったり、アンモナイトの化石が埋まっている壁があったり、お子様ランチは「三越」が発祥の地であったり(どうやら大人も注文できるらしい)・・・などの事実を、これらの作品を読んで初めて知りました 今度、行くチャンスがあったら確かめてみようと思います


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