人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

戸澤哲夫 ✕ 久末航でモーツアルト「Vnソナタ第40番」、ベートーヴェン「Vnソナタ第8番」、シューマン「Vnソナタ第2番」を聴く ~ 都民芸術フェスティバル参加公演

2024年02月01日 00時01分06秒 | 日記

1日(木)。2024年も今日から2月です。「二月は逃げる」といいます 29日しかないこともありますが、あっという間に過ぎ去っていきます オノオノがた、油断めさるな

さて、昨日の朝日新聞デジタルが、仙台市に出来る新ホールについて次のように報じています

「仙台市は30日、2031年度の開館をめざす新音楽ホールについて、観客席が舞台の周りを取り囲む「サラウンド型」に転換できるようにする計画を発表した ホールは2千席規模で、転換可能な施設としては国内最大級だという 仙台フィルが本拠地とすることも明らかにした 音楽ホールは大小2つ造り、小ホールを350席程度とし、サラウンド型に転換できる大ホールは2千席規模となる 普段は観客席が舞台と向かい合う劇場型だが、観客席と一体となった可動式の壁などを設置し、公演に合わせて変形できるようにする

座席数からすると大ホール2006席、小ホール380席の「サントリーホール」と同規模のホールを想定しているようです しかし、日本で初めてヴィンヤード(葡萄畑)型を採用したサントリーホールや、同じ形式を採用する「ミューザ川崎シンフォニーホール」(1997席)は型が固定されているのに対し、仙台の新ホールは2つの型が転換可能となっています いったいどのように転換するのか、絵とか映像で見ないとイメージが湧きません いずれにしても、地元の仙台フィルにとっては喜ばしいことだと思います 完成は7年後なので先の長い話ですが、新しいホールに希望を託して良い演奏を続けてほしいと思います

ということで、わが家に来てから今日で3305日目を迎え、ロシアのメドベージェフ前大統領は30日、岸田文雄首相が同日の施政方針演説で、領土問題を解決して日ロの平和条約締結の方針を堅持すると表明したことについて、「いわゆる北方領土についての『日本人の感情』は知ったことではない。それは『係争中の領土』でなく、ロシアの領土だ」とSNSで主張した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     同じ論理で ウクライナの領土は自国の領土だと言いたいんだろ 泥棒国家ロシアは

 

         

 

昨日、夕食に「タンドリーチキン」「生野菜とアボカドのサラダ」「里芋の味噌汁」を作りました 「タンドリーチキン」は鶏もも肉が柔らかく仕上がり 美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨夜、東京文化会館小ホールで「都民芸術フェスティバル2024 室内楽シリーズ ~ デュオ《ヴァイオリン&ピアノ》」を聴きました プログラムは①モーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ第40番 変ロ長調 K.454」、②ベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第8番 ト長調 作品30-3」、③シューマン「ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調 作品121」です 演奏はヴァイオリン=戸澤哲夫、ピアノ=久末航です

戸澤哲夫は東京藝大大学院修了。大学院在学中の1995年から東京シティ・フィルのコンサートマスターを務める 1998年には1年間ベルリンに留学、ライナー・クスマウルのもとで研鑽を積む。2001年にモルゴーア・クァルテットに加わる

久末航(ひさすえ わたる)は2017年、ミュンヘン国際音楽コンクールのピアノ部門で第3位、第7回リヨン国際ピアノコンクール第1位など数々の受賞歴を誇る

 

     

 

自席はJ列28番、右ブロック左通路側です。前方のブロックはかなり埋まっています

1曲目はモーツアルト「ヴァイオリン・ソナタ第40番 変ロ長調 K.454」です この曲はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1784年(28歳の時)にウィーンで作曲しました イタリアの女性ヴァイオリニスト、レジーナ・ストリナザッキと共演するために作曲されましたが、初演時にはヴァイオリンの譜面だけが完成し、モーツアルトは簡単なメモを頼りにクラヴィーアを弾いたと言われています 音符は天才モーツアルトの頭の中に入っているという訳です 第1楽章「ラルゴ ~ アレグロ」、第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「アレグレット」の3楽章から成ります

大きな拍手の中、2人が登場しさっそく演奏に入ります モーツアルトの初期のヴァイオリン・ソナタと比べると「ヴァイオリンの伴奏を伴ったピアノ・ソナタ」の領域を脱し、ヴァイオリンとピアノが対等の立場で演奏されていることが分かります 若き久末のピアノの音が若干大き過ぎるきらいがありますが、すぐに慣れました 愉悦感に満ちた心地よい演奏が展開しました

2曲目はベートーヴェン「ヴァイオリン・ソナタ第8番 ト長調 作品30-3」です    この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1801年から翌02年にかけて立て続けに作曲した3つのヴァイオリン・ソナタ(第6、7,8番)の一つです   第1楽章「アレグロ・アッサイ」、第2楽章「テンポ・ディ・メヌエット、マ・モルト・モデラート・エ・グラツィオーソ」、第3楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

2人による第1楽章のアグレッシブな演奏を聴いて、モーツアルトから かなり飛躍した位置にある作品だな、と感じました    ひと言でいえば「均整の取れた古典的なモーツアルト」に対し、「均衡を破り新しい音楽を築こうとするロマン派に近いベートーヴェン」を感じました    それは第3楽章でも同様に感じました。この曲で思い出すのは、10年以上前にトリフォニーホールで開かれた豊島泰嗣のヴァイオリン、園田孝弘のピアノによる「ベートーヴェン『ヴァイオリン・ソナタ連続演奏会』」です どの曲も素晴らしい演奏でしたが、あの2人の演奏は限りなく古典派に近いベートーヴェンでしたが、今回の戸澤 ✕ 久末による演奏は限りなくロマン派に近いベートーヴェンだったように思います

 

     

 

プログラム後半はシューマン「ヴァイオリン・ソナタ第2番 ニ短調 作品121」です    この曲はロベルト・シューマン(1810-1856)が1851年9月にわずか4日間で作曲した「第1番」に続いて1週間で完成させたと言われる作品で、1854年にライプツィヒで初演されました  両曲ともゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートマスターを務めていたフェルディナント・ダーヴィットの勧めにより作曲されました 第1楽章「かなり遅く ~ 生き生きと」、第2楽章「非常に生き生きと」、第3楽章「ひそやかに単純に」、第4楽章「動きをもって」の4楽章から成ります

実は、予習の優先順位を間違えてモーツアルトとベートーヴェンはCDで聴いたのに、全く初めて聴くシューマンはCDを持っているにも関わらず1度も予習で聴かなかったのです 作戦ミスにより ぶっつけ本番で聴くことになりました。反省あるのみです

2人の演奏で第1楽章に入りますが、冒頭からガツンと頭を殴られるような決然とした音楽で開始されます その後「生き生きと」の主部へ移りますが、シューマンらしい濃厚な演奏が展開します 第2楽章は実質的にスケルツォですが、極めて短いのですぐに終わってしまいます 第3楽章では冒頭のヴァイオリンのピッツィカートが印象的です 第4楽章はヴァイオリンとピアノによる躍動感あふれる丁々発止の演奏がアグレッシブに展開します 情熱的な演奏でした

会場いっぱいの拍手に、戸澤が「ベートーヴェンを軸にして、モーツアルトとシューマンを前後にプログラミングをしましたが、実は大学院の修士論文のテーマは『シューマン』でした そんなこともあって、最後にシューマンを選びました」と語り、アンコールにクララ・シューマン「3つのロマンス」から1曲をロマンティックに演奏、再び大きな拍手を浴びました

戸澤氏は東京シティ・フィルのコンマスとしての演奏しか接することがなかったので、今回はソロを聴く貴重な機会となりました 今回の演奏を聴いて、戸澤氏あってのシティ・フィルだな、とあらためて思いました また、ピアノの久末氏は主役の戸澤氏と同じくらいアグレッシブで良かったと思います


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